きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「1789 -バスティーユの恋人たち-」@宝塚大劇場(宝塚星組)

2023年06月28日 | 宝塚(星組)


持ち歌が少し変わったり、一部曲の増減があったものの
初演と8割以上は脚本は同じはずなのに、
役の比重を変えられるイケコが凄い、が、まず最初の印象。

ロナンとオランプが真ん中のカップルで。
革命家はデムーラン > ロビペ > ダントン 
の序列をはっきりさせ、
話の流し方もそれに合わせているかんじかな。
デムーランとロビペを見せるところが増えた印象。
アントワネットは話の上ではヒロインではない。

前回の月組がイレギュラー過ぎたんだろうね。
ちゃぴアントワネットありき、かな。

前回アントワネットとフェルゼンの逢瀬に使われた歌は
オランプのソロになっていたような。
ロナンの銀橋渡りも新曲追加に合わせて増えていました。
「武器よ取れ」は無くなりました。

ロナン&オランプは予想の範疇。
くらっちアントワネットは期待以上。
歌の高低も綺麗に出て、
終盤の芝居に泣かされる。
オランプの背中を押すところが特に。
ラストはルーレットのドレス。

ありちゃんデムーランはしっかり話の中核。
嫌味のないブルジョワさに農民のロナンとの格差がくっきり。
ロナンが一度離れるのもわかる。
歌も安定。

極美さんロビペは長身で舞台映えがし、
理想を述べる台詞の一音一音がしっかり出ている。
ボディパーカッションはトップバッターで迫力あり。
どこかの歌の高音が出にくいのは惜しいけど、
今回一番成長を感じた。

せおっちのアルトワはリアルな権力欲がある。
計算高く、王座も虎視眈々。
そこに美貌がプラスされている。
美弥アルトワは美貌に、権力欲が付いたかんじ。
似てるけど、微妙に違う。
なるほど!と思いました。
歌唱指導、ピンク色はともかく、
デコラティブは全部乗せテイスト。

まゆぽんペイロールは、マギーちゃんに慣れ、
岡さんを見た後だと全く物足りない。
これが新公主演経験者との差か、を、しみじみ。
突出していない方が芝居の流れ的には良いんだろうけど。
もうちょい迫力が欲しいところ。

なっちゃんポリニャックは歌も芝居も良い。
さすが。

ちゃりおの芝居がすごく良かった!
コメディ部分が自然で、ちゃんと笑いを取る。
こまかい芝居が多いけど、
ちゃんとストーリーに繋がっている。
部下の1人が松岡さん。小顔美人。

ほのかちゃんのソレーヌもすごく良かったんだけど、
別格に行く?の不安も。

オレキザキは腹回りに肉布団。
光月ネッケルは国を憂い、
オレキザキはもっと現実的なところを見ているかんじ。


ほぼ同じ脚本でも演者と演出が変われば舞台も変わる。
「脚本通りの台詞を客に届ければ作品は伝わる、
 役者に台詞を言えばいいだけ」は、
脚本家の理想であるのはわかるけど、
演出家が言うのは自分を否定するのと同じだわ、と
改めて思いました。

東宝版では削られた音楽無しのボディパーカッションが大迫力でした!
これを生で見られたのは嬉しい。
団体戦は宝塚歌劇の醍醐味。

客席降りは、正確には客席上がり。
2幕冒頭にロビーから演者が登場、
しばし所定位置で芝居をし舞台へ。
あっという間。
出と舞台への時に大拍手。

かのんちゃんのフェルゼンはアントワネットとの逢瀬ソングがなくなったり、
出番も見せ場もすごく少ないんだけど、
王妃をどれだけ、命を賭けて愛しているかが伝わり、
貴族的な佇まいも自然で、
ファンの方は寂しいかもしれないけれど、
適役だと思いました。

立見1列目は視界良好!
舞台がクリアに見える!
しかし足腰への負担は大きい。
11時公演で空港から直行なら、まだ疲労はないし、
小休憩も幕間の食事を予約すれば座る場所が確保できる。
15時半公演だと遊んだ後だからキツイかも。次回へのめも。


デムーランの衣装、特に帽子が謎なんだけど、
なにか原典があるのかな。


ついでなので、月組「1789」のときのトクスペめも。
ありちゃんが最下級生だったのよね。研4ぐらいかな。
https://blog.goo.ne.jp/ytaiyo/e/c7c114dffa82c0d6c099bc7e4ba056e4

月組との違いはおぼろげな記憶によるものなので、
間違っていたらすみません。


ロナンを兄弟と言ったり、
仲の良い革命家3人だけど、
そのうち1人が、
あとの2人をギロチンにかけるんだよねー。
リュシルも。
ねー。
まあ、残った1人もギロチンだけど。


【主な配役】
ロナン・マズリエ[官憲に父親を銃殺された青年]:礼 真琴
オランプ・デュ・ピュジェ[王太子の養育係、ロナンの恋人]:舞空 瞳


カミーユ・デムーラン[革命家でジャーナリスト、ロナンの友人]:暁 千星
マクシミリアン・ロベスピエール[第三身分出身の若い議員]:極美 慎
ジョルジュ・ジャック・ダントン[弁護士、カミーユ・デムーランの友人]:天華 えま
リュシル[デムーランの婚約者]:詩 ちづる

ジャン・ポール・マラー[医師、かわら版の記者]:大輝 真琴
ジャック[マラーの印刷所の印刷工]:夕渚 りょう
ミシェル[マラーの印刷所の印刷工]:天希 ほまれ

ソレーヌ・マズリエ[ロナンの妹]:小桜 ほのか
シャルロット[パレ・ロワイヤルの落とし子]:瑠璃 花夏

マリー・アントワネット[フランス王妃]:有沙 瞳
ルイ16世[フランス国王]:ひろ香 祐
シャルル・アルトワ[ルイ16世の弟]:瀬央 ゆりあ
ラザール・ペイロール[貴族将校]:輝月 ゆうま
オーギュスト・ラマール[アルトワ伯爵の手先]:碧海 さりお
ロワゼル[ラマールの手下]:稀惺 かずと
トゥルヌマン[ラマールの手下]:大希 颯
ヨランド・ドゥ・ポリニャック[王太子の家庭教師、王妃の友人]:白妙 なつ

ジャック・ネッケル[国務大臣]:輝咲 玲央
ギヨタン博士[医師、政治家]:朝水 りょう

デュ・ピュジェ中尉[バスティーユ牢獄爆薬庫の管理人、オランプの父]:美稀 千種

ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン[スウェーデンの将校、王妃の愛人]:天飛 華音
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