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きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「うたかたの恋」(36年版)

2004年05月06日 | 映画
マミちゃんの「うたかたの恋」などを見ています。実は最近小説の「うたかたの恋」をオクで買ったんですわ。少々古めかしい文体で(文庫初版は昭和44年)読むのに時間はかかりましたが、思っていた以上に、マリーの高潔な純愛に感動してしまいました。「三日月の髪飾り」や「サファイヤの指輪」の意味もわかりました。しかしながら、宝塚版で私の好きな2つの場面
 「旅に出ることになった」
 「いつお帰りになるの」
 「帰ることのできない旅だ
  ・・・・・お前も一緒に来るか?」
 「はい、あなたとご一緒ならどこへでも」
アンド、「死の床を花で飾ったのか。その心映えがいじらしい」から「私の大好きなルドルフ」が無かったの。前者については、舞踏会の時にはすでに心中を決意しているようだったし、後者については「寝台の上にマリイ・ヴェッツェラが薔薇の花におおわれて横たわっていた」と書かれているだけ。このあたりの場面&台詞が柴田先生の全くのオリジナルなのか、それとも2本作られた映画を下敷きにしているのか確認したくなり、36年版を米アマゾンの中古で、68年版は日本のアマゾンで(でも米製輸入版なので多分字幕無し)を申し込んでしまいまして、そのうち36年版は注文3日ぐらいで届きましたので、早速鑑賞しました。

 ・オーストリア皇太子の心中事件を
 ・仏で映画化し(台詞は仏語)
 ・ビデオは米製なので字幕は英語
 ・それを日本で見る私

と、ちょっとシュールな空間ができあがりました。

 私は勿論英語も仏語もダメなので詳しいところは不明ですが、やっぱり私の好きな場面はありませんでした。あ、後者については
 「I wish I were awake already to see the sunshine」
 「you will see it」
 「Rudolph,do you remember the prater,the first time?Do you remember what Devil side?」
 「The happiest are the best of the condemned」
 「Tomorrow, my love」
 「Tomorrow」
ってのがありますが。
(この字幕だと、マリーからはあまり心中の決意がないように思っちゃうなあ。フランス人の解釈なのか?アメリカ人の解釈なのか?日本人の方がわかるのかな?)

ルドルフ役のシャルル・ポワイエは、まあ、いかにも「おフランスのプレイボーイ」ってカンジっす。皇太子の苦悩はマミちゃんの方がバッチリよ。マリー役のダニエル・ダリューは目元に力のある凛とした美人で、星娘1になってからの檀ちゃんに似ているかも。小説とは違う部分もいくつかあり、オペラ「トリスタンとイゾルデ」鑑賞場面(宝塚版には無し)がバレエ「くるみ割り人形」なっていたり、ドイツ大使館でのワルツは「シュトラウスのワルツ」ではなく「舞踏への誘い(←バレエ「薔薇の精」の音楽ね)」だったりなどなど。ラリッシュ夫人がちょっと品のないおばさんでした。エリザベートは「上品なおばさん」レベル。小説でのルドルフの言葉

  ホッフブルグ、ウィーン、全オーストリアが母の牢獄です。
  母はこれらを遠く離れなくては生きることもできません。
  牢を脱け出してもうけっして戻らないよう望んでいることでしょう。

「エリザベート」でも見受けられる彼女の孤独感は全く出ていませんでした。などなど思うと、柴田先生は原作に忠実に、そして宝塚的にうまく脚色したと思います。んで、私が檀ちゃんのマリーが好きなのは、トップ娘役になって初めての作品で、初々しさがマリーと重なっている以上に、ルドルフへの無条件の愛情が、「憂国」の妻に通じるからだと、ちょっと納得しちゃったり。

 68年版は米&英映画なので、36年版よりシュールにならないかな。でもルドルフがオマー・シャリフなんだよね。

 ・オーストリア皇太子の心中事件を
 ・米&英で映画化し
 ・しかも主演が明らかに中東系の顔立ち
  ヒロインはフランス人(カトリーヌ・ドヌーブ)
 ・それを日本で見る私。

やっぱシュール?ビデオが到着したらまた感想を書きます。

 え~と、あと、こんな状態で昨日「指輪」を見ていたので、指輪に刻まれた文字が「I・L・V・B・I・D・T(=In Liebe vereint bis in dem Tode=死の後まで愛によりて結ばれん)」だったりして~、なんて思っちゃいました。少数限定ギャグ。あ、36年版映画では「R・D・L・A・J・L・M」で字幕は「United in love unto death」でした。略字は仏語?

 もひとつ。「うたかたの恋」のルドルフ役は、クリスチャン・ベールがやったら似合いそうだと思うの。でもいまさら映画化しないだろうしなあ。マリー役も考えつかないしなあ。
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