きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「プライベート・ウォー」

2019年09月21日 | 映画


戦場記者の半生。
死の恐怖に怯える彼女を戦場に駆り立てるのはなんなのか。
「真実を伝えるのがジャーナリストの使命」などの綺麗事を越えた、
もっと本能的な、
タイトルのとおり、
もっとプライベートな職業病的なかんじなのかな。
行かずにはいられない、そんなかんじ。

ロザムンド・パイクの記者はほぼ芝居には見えず、
まるでノンフィクションのドキュメンタリーを見ているようだった。
記者が目にしたことが伝わってきた。

ただ、彼女も生身の女性だという表現なんだろうけど
いつものように潔く脱いでて
「姐さん凄いぜ」といきなり役者本人が見えて
少し興ざめしたときも。

役者の当たり年って、本国でもそうなのか、
日本公開時期がたまたま重なるのか、どっちなのかな。
一昨年?ぐらいはジェシカ・チャステイン祭りだった。
今年はロザムンド・パイク祭りだね。
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「ガーンジー島の読書会の秘密」

2019年09月21日 | 映画


戦後間もなくロンドン在住の作家が
イギリス領の島を訪れ
ナチス占領時代の読書会の話を聞く。

敵国人を憎むことも愛することもできる。
正義を貫く人もいる。
戦争の傷跡は誰の心にも深く残る。
最後は暖かい気持ちになる映画でした。

夫を戦争で亡くした女性が、
敵国人の死の遠因を自分が作ったと話すときの、
なんとも言えない表情が印象的。
国を憎んで、その国の人を憎んでも、
個人としては憎み切れないんだな。

戦後のロンドンで
豪奢な生活を送ることに
違和感と引け目を感じるヒロイン。
苦しみは覆い隠せるように見えても
無くなるわけではない。


全体的にはかなり良いんだけど、
当て馬役にはいかにも
「振られるよコイツ」って顔なのだけはな。
マズイな。


【追記】
ヅカネタで。
下宿屋のおばちゃんがみっぽーに似てた。
エンディングロール中の読書会の声に
「Ernest in Love」あり。
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「お嬢吉三」(市川雷蔵祭@角川シネマ有楽町)

2019年09月21日 | 映画


有名な歌舞伎の話らしく
人物設定の説明はほぼなし。
お嬢、お坊、和尚の3人の吉三についても
彼らがどうしてその名なのか
どういう関係なのかの説明はないけど
話はわかります。

お気楽というには重たい部分もあるけど、
小悪が大悪をやっつける痛快時代劇。
モテモテの雷蔵を見ると、
「やっぱりコレよねー」と思うわ。
私もどこまでもついて行きたいわよー!

雷蔵の女装もあります。

昔は生娘にデヘヘもOKだったのねえ。
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「炎上」(市川雷蔵祭@角川シネマ有楽町)

2019年09月21日 | 映画


いつもの美男剣士とは思えない、
寡黙で胸のうちに闇を抱える田舎の青年の
雷蔵の演技が上手い。

鴈治郎の生臭さと高潔さの融合、
仲代達矢の弱き者と罵られたときの子犬の眼もたまらんね。

様式美の時代物の合間に観ると
市川崑の綿密さとリアリティが光るわ。

原作から映画だったので、
前に見たときは、
あれほど恋い焦がれた金閣寺に
拒絶されるラストがないのが不満だったんだけど、
今回しみじみ見たら三島の美意識や機微のようなものが
人物の造形や画面に反映されているので、
まあ、これはこれでいいかと思いました。
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