きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

ブルメイステル版「白鳥の湖」上野水香&柄本弾/東京バレエ団

2016年02月05日 | バレエ・ダンス
中の人の気持ちはわかりませんが、
ファンにとっては悲願の白鳥改訂ですよ!
2幕の群舞が普通!足音をたてない!
衣装もアップリケじゃ無い!!
それだけで感動しちゃうよ!!!
(ロットバルトのアップリケはともかく
ナポリとかは酷かったよな~)

水香ちゃんは良くも悪くも水香ちゃんで、通常運転。
独特の溜めのようなクセも個性だよね。
身体のラインは美しい。
オディールはオンステージになり
大勢の部下が傅き、それを当たり前と受け取るのは
水香ちゃんにピッタリだった。
32回転はシングルシングルダブルかな。
テンションの高い音楽に上手く乗っていた。
オデットがやや悲劇性に欠けるけど
最後は人間に戻るから、これで正解かな?

弾くんはメランコリックの雰囲気をまとい、佇まいに気品がある。
王子の演技がバッチリだった。
フョードロフ氏の指導の賜物かしら。
これで脚のラインがもう少し・・・、いや、それは言うまい。


1幕は人と舞台装置が少ないのでかなりスカスカ感。
ダンチェンコで見た時はそうは思わなかったんだけどな。
王子が通常の黒鳥のアダージョで踊るなどダンサーの見せ場たくさん。
男性二人はダイナミック。川谷さんが軽やかで目を引いた。
二瓶さんもくっきりしたラインの踊りで良かった。

入野戸くんの道化はジャンプも回転も素晴らしい。
予備動作もあまりなく、
普通の動きから大技に入るのがすごいね。

宮廷の男性は女好きすぎないか?
去ろうとする女性陣を引き留めすぎだ。

通常より1幕が長いので2幕に入る前に睡魔到来。
見る感覚を調整しないと。
2幕はロットバルトが舞台装置なのを除けば超オーソドックス。
こんな普通の白鳥を東バで見ることができるとは!
感涙。
鳥キックじゃない白鳥ちゃんたちは耽美。
世界に浸れる。

3幕は大迫力!!
盛り上がった!!
ほんと、ソリストのレベルをよくぞここまで上げた!ってかんじ。
奈良さんがスペイン、沖さんがナポリ、乾さんがマズルカだからこそ、
このレベルになるんだわ。
コーダのタンバリン隊からの32回転は鳥肌!すごい!素晴らしい!大興奮!

ただ水香ちゃんが大柄なので、オディールの入替がバレバレ。
ここは改善の余地あり。
ロットバルトがクルクルウェーブの巻き毛のロン毛で、
70年代のロックスターのようなビジュアルで驚いた!こう来たか!
この後はまた舞台装置にお戻りになるのでしっかり見たよ!
チャルダッシュの女性二人の腰をグッと抱き寄せるのがセクシーでした。

4幕は後悔する王子を尻目に白鳥撤収→オデットが駆け寄ろうとする→
「もー、ダメですってば!」と周りの白鳥ちゃんたちに阻止される、
って流れが好き。

その後の波も綺麗だった。
新装置は豪華だけど転換等はスムーズだったね。
良かった!


開幕前のインタビューで何人かのダンサーが
「この版で王子がオディールに騙される理由がわかった」と言ってたけど、
その先は読まずじまい。
どういう理由で合点だったんだろう。
今日の舞台を見る限りは「大勢が全力で騙しにきたから」としか思えない。
あんなに寄ってたかってじゃ仕方がないよね。


とりあえず~。


【配役等】
オデット/オディール:上野水香
ジークフリート:柄本弾
ロットバルト:木村和夫

【第1幕】
道化:入戸野伊織
王妃:山岸ゆかり
パ・ド・カトル:河谷まりあ、二瓶加奈子、宮川新大、松野乃知
アダージオ:吉川留衣

【第2幕/第4幕】
四羽の白鳥:金子仁美、中川美雪、上田実歩、浦由美子
三羽の白鳥:二瓶加奈子、政本絵美、川淵瞳

【第3幕】
花嫁候補:小川ふみ、三雲友里加、榊優美枝、川淵瞳
四人の道化:海田一成、高橋慈生、中村瑛人、井福俊太郎
スペイン(ソリスト):奈良春夏
スペイン:宮崎大樹、松野乃知、原田祥博、樋口祐輝
ナポリ(ソリスト):沖香菜子
チャルダッシュ(ソリスト):岸本夏未 河合眞里、岡崎隼也、杉山優一
マズルカ(ソリスト):乾友子、森川茉央


指揮: アントン・グリシャニン
演奏: 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団


◆上演時間◆

第1幕・第2幕 18:30~19:50
第3幕 20:10~20:50
第4幕 21:05~21:30
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする