きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「カンタレラ2016 ~愛と裏切りの毒薬~」

2016年02月20日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)


桐生さんが冷酷過ぎてステキ!
うふふ~ん。
舞美さんが可憐でした。

二幕はチェーザレとルクレツィアの
緊迫した二人芝居にキリキリした。
毒を入れるのか、飲むのか、
チェーザレがこの時点で死なないのを知っていても、
どどどどどーなるんだーーーっ!って思いながら見てました。
役者が少ないぶん、描き込みが深いんだよね。

チェーザレはなんのかんので、
そんなに悪い人じゃなかったような。
いや、それはないか。
ルクレツィアのあの凄みはさすがボルジア!というかんじ。

楊さんのフェルナンドが
ねっとりしたいやらしさがあってすごく良かった。
真麻さんの妖しさ、悠浦さんの清らかさなど、
ジャストな配置。

ボカロ曲はメロディーのスピードが速すぎて、
皆さん踊りながら歌うのが大変そうだった。
(「パラジクロロベンゼン」なんて私なら呂律が回らないよ!)
桐生さんはものすごく自然に歌詞を乗せていて聞き取りやすかった。

ショー部分での皆さんのキレのあるダンスを堪能し、
カテコは明るく桜咲く国。
楽しかった!
コメント (2)
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「Maiko ふたたびの白鳥」

2016年02月20日 | 映画


ノルウェー国立バレエ団の日本人プリマのドキュメンタリー。
彼女の半生を映画化ではないので
よく知らない者からするとノルウェーを選んだ経緯とかを
もう少し詳しくと思うけど、
たぶん制作された現地では皆さんご存知なんだろうな。

厳しい世界で生き抜く素地は
浪速のおかんスピリットだった。

以前ポリーナちゃんがダンサー志望の学生に
「強い気持ちを持って」的なことを言っていたけど、
プリマに必要なのはまさにそれ。
なによりも自分に厳しく、
たゆまない努力で高みを目指し、維持する。
彼女を追った日々は短い映像ではあるものの、
彼女の生き様が凝縮されていた。

送り出したご家族、
なかでもお母様の厳しい愛情があったからこその
現在なんだろうな。
復帰の舞台の裾で待機するプリマも、
娘の舞台を見るために着物を着る母も、
同じぐらい、決戦の場に赴く表情だった。

ご主人が育休を取ってくれたり、とか
パッと見には恵まれているように感じるけど
それは違う。
周囲の人が払う犠牲をちゃんと彼女はわかっていて
誠実に受け止めるからこそ、
皆さん協力するんだよね。

仕事のスケジュールが詰まっているときに
妊娠したことを言い出し辛いのは
国も、仕事も関係ないんだなあ。
おめでたいことなのに、
最初から笑顔で伝えられない、
「それなら、もういらない」と言われるのではという恐れ、
それはどこでも同じなんだろうな。


ちなみにノルウェー・バレエ団の「白鳥の湖」は、
人間オデットがロットバルトに掴まるプロローグ付きだけど
替玉が人間の方で変身後の白鳥がオデット役本人。
西野さんの32回転は全シングルだけど力強い。
ラストは王子とオデットが揃って崖からジャンピング。
ロットバルトは鳥化粧薄めのイケメン系でした。
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「秋刀魚の味」(第三回 新・午前十時の映画祭)

2016年02月20日 | 映画
初老の父と婚期ギリギリの娘を軸に話が進む。
一家に一人専業主婦がいないと生活できない社会環境の中、
「嫁にやるとか娘をなんだと」とか
当時の未婚女性が置かれている状況の窮屈さに少しイライラしてたけど、
娘の花嫁姿を見た父の眼差しで泣いた。
父の愛情は時代を越えて普遍なんだ。

サラリーマンの趣味のゴルフ、
団地で暮らす若夫婦の冷蔵庫とか、
当時の人達の夢がぎっしり詰まった作品でもあったんだろうな。
中学の恩師が貧乏街で嫁き遅れた娘とラーメン屋で細々と生計を立て
元生徒は商事役員といった対比、
もし戦争に勝っていたらという愚痴など、
社会への風刺もひっそりピリリ。

可愛い娘を手元に置いておきたい、
でもタイミングを逸して娘の人生を狂わせたくない、
父の気持ちは葛藤というほど激しいものではないけど、
どちらも同じぐらいの重さなんだろうなあ。

同じ女性としては恩師の娘の
「こんな父のために一生を棒に振ってしまった」、
おそらく悔しさに近い涙が辛かった。
見捨てることもできない、
それも親子の愛。

それにしても!
女優の美しいこと!
岩下志麻が絶品。
もちろん岡田茉莉子も美しい。
きちんとした挨拶を交わす人々にかつての日本人の美徳を見る。
昔の祖父母の家もあんな雰囲気だったな。
ちょっと懐かしかった。

大洋ファンとしては三原監督の名前に胸キュン。

父娘の関係ばかり注目されるけど、
父と悪友三人組も注目して欲しい!
いつまでも仲良く悪企み!
ああいう友情がずっと続くなんて素晴らしいじゃないか!
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