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きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ドリアン・グレイの肖像」

2015年09月03日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)






優馬くんは芝居技術が高いというわけじゃないけど、
若者が持つ純粋さ清らかさと、
それから来る容赦ない残酷さを自然に表現していて、すごく良かった!
歳を取っても若いまま、が、視覚で感じられたのも良かった。

ドリアンの肖像画がそれほど老けないし、
台詞で言われるほど邪悪ではなく、
Jコードではこれが限界かと寂しくもあるけど、
逆にJコードでドリアンの清らかさが保たれているので、
ヘンリーやバジルの「絶対ホモ的感情だろう!」って台詞が、
「愛(肉欲)」ではなく「崇拝」になるのがミラクルでした。

スンラさんは相変わらず、
叶わぬ相手に無償で偏執的な愛を垂れ流していました。
バジルはユダを思い出させて、
それがふた回りぐらい年下の男性に向けられる気持ちとなるんで、
ユダより異常さが際立つけど、狂気ではないのがまた楽しい。

徳山さんヘンリーの享楽さも良い。
ドリアンが悪いんじゃなくて、
誘ったヘンリーの方が兇悪だよね。
自分は踏みはずしていないのが特に。

ミミちゃんはすごく可愛くて、ドリアンが惚れるのも無理はない。
弟がシスコンなのもわかる。
でも仕事はちゃんとしよう。
ドリアンがどこを愛したのか覚えておこう。
こう考えると絵といい芝居といい、
芸術は魂を売って成り立つとか、
そんな意味もある作品なのかしら。

簡易なセットでしたが、
役者の個性のバランスがとても良い芝居でした。
コメント
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