きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ラム・ダイアリー」

2012年07月07日 | 映画
六本木での上映が早々に終わったし
映画批評サイトでの評判もあまり良くないし
粗筋を読むからに駄作ぽくって
見るのをかなり躊躇していましたが
時間的にすっぽり嵌ったので行ってきました。

映画としてのデキは
あまり良くないと思います。
話のテンポがぬるいし、
笑うところなのか不明な場面は多いし、
「こういう表現、上手いだろ」
と得意になっている制作側の気持ちが透けて見えるし
ピリッとしないところが多いです。

当時のアメリカ情勢もよくわからないので
ニクソンに対するケンプの批評が実は正しいのか
たんなる評論家ぶっているのかもわからない。
ケンプの正義感が、物語に不可欠だったのかもわからない。

そんなことを差し引いても!
南の島で、お気楽に嘘を付いて酔っぱらっている
超ダメダメ人間なジョニー様は
映画館で見る価値はありました。
もう、いい!
これでいい!
これが好きなんだー!!
ほんと、ダメ人間。
ステキすぎる。

ヒロインも美しかったわ~。

アーロン・エッカートも
善人ぶった笑顔の悪党が似合っていました。

60年代のサンファンといえば、
WSSでアニタが「サンファンに帰りたい?」
って歌っていた場所だよね。
今でもなんだろうけど、
アメリカ人が特権階級だったんだろうなあ。


予告で「リンカーンの弁護士」が紹介されたけど
マシュー・マコノヒーが
髪を維持していて、ちょっとビックリした。
もっとイっちゃってるかと思っていたけど
とりあえずイケメン枠を維持できるぐらいの量だった。
と思ったら、ウィリアム・H・メイシーがロン毛で
とってもビックリした。
作品のネタはサスペンスらしいけど
そんなとこまで気が回らなかったよ!
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「ルドルフ ザ・ラスト・キス」(2012年版)

2012年07月07日 | 宝塚・劇団四季以外の舞台(落語含む)
前回見たとき、あまりにも民主主義万歳すぎ、
ということと、ターフェの立ち位置が不明すぎて、
それが日本人の演出家によるものなのか
もともと脚本のためなのかがわからなかったのですが

 → 前回の感想

今回演出家が変わったらその辺が読めるかな、
と思って行ってきました。

結論から言うと、
私が疑問に思ったところは
宮本さんの演出によるものだった気がします。
今回は当時の時代背景について、
また、皇帝や皇太子の政治的なポリシーみたいなものの
予備知識を必要としますが
(たぶん誰が見てもわかるようには書かれていないです)
「エリザベート」を見ていれば充分わかると思います。
それを踏まえて見ると、今回は登場人物の立ち位置や関係が
とてもすっきりしたと思います。
前回はあまりにも「現代の日本」からの視点が強すぎた。
今回は「エリザベート」と同時代の話であるのが感じられます。
(「エリザベート」のスピンオフと言っても通じるぐらい)

前提として、誰もが
現在の秩序が崩れつつあるのがわかっていて、
新しい時代をどう迎えるかを模索している。
皇帝は現在の秩序をより強固にすることで乗り切れると考え
皇太子は新しい世界を作りたいと思っている。
舞台にも、世紀末の重苦しい空気の中に
新世紀への期待がそこはかとなく漂っている。
ターフェは、前回は「ルドルフに対する悪役」として存在したけど
(それゆえ意味不明の人物になったけど)
今回は皇帝側の「役人」で、
皇太子の道を踏み外そうとするルドルフを
「政治の実務者」として引き戻そうとする。
(ルドルフの)マリーへの感情を
「小娘への浮気心」と捉えようとするのも
ある意味、常識人でもあるのだと思う。
マリーへ縋るしかないルドルフの心情を
汲み取ることはできなかった、という印象。

マリーはたんなる若い女性ではなく
ルドルフの理想に共鳴する。
彼女の理解があるからこそ
ルドルフは理想を追えるし、
だからこそ理想が潰えたときは
彼女と共に現世から去るしかなかったように見えた。
クサい言い方をすれば「魂の一対」みたいで
ステファニーが「妻」であっても
割り込むことはできない。
前回は「ウフフ キャッキャ」な
バカップルな印象が強かったので
今回は話の流れに納得できた。

1幕は各自の立ち位置説明が主なだけど
それゆえ話に起伏があって面白い。
2幕はルドルフが悩んでいる時間が長く
ちょっと単調に思えた。


演出家が日本人でないせいか
話が理論的で整合性がある。
前回よりは確実に面白い。
私は断然今回の方が好き!!


ただ。
言っちゃいけないと思うけど、
「うたかたの恋」の方が好きだな。


井上くんは、演出が変わったこともあり
前回より芝居が深くなっている。
皇帝との対立も、若者の夢ではなく
もっとリアルな激突。
たっちんは可愛く、それでいて死に向かってしまう
どこか尋常でない雰囲気もある。
ターフェのサカケンは、いい意味で小役人。
ハプスブルク帝国の維持が
彼の行動の原点なのがよくわかる。
村井さんの皇帝陛下は
もうちょい威厳が欲しいかなあ。
一路さんは、やっぱり歌が上手かった。
みっぽーはちょっとふっくらして綺麗になった。


皇帝に破られた手紙を拾うルドルフの背後から
「長い沈黙の~」と歌いながら
誰か出てくるじゃないかとチラッと思った。
いかん、いかん。


追記
円形のセットは新宿コマ劇場を思い出した。
円形3段のセリが出ればいいのになー。
最後の幕は、残っているのは演出か事故か疑問だったけど
別な回を見た友人の時も同じだったので
落ちきらない演出みたいですね。
二人の命は費えたけど、
二人の愛の幕切れでは無い、とか
そんな意味なのかしら。

スケートをしながら歌うのは大変そうだ。
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