きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ドン・キホーテ」オシポワ&ワシーリエフ/東京バレエ団

2012年07月30日 | バレエ・ダンス
27日に「病気のためキトリ役を降板しました」と
マールイのツイッターで報じられたオシポワでしたが
イワン君共々無事来日し、踊ってくれました。

オシワシは以前にも見たことがあるので
うん、これぐらいまではやってくれるね、
って予想していたことぐらいをしてくれたな、
ってかんじでした。
オシポワは軽々と踊り、
イワン君は重厚に踊ってくれて
うほうほしたけど、
まあ、予想の範囲と言えば範囲内だったかな。
病み上がりのオシポワに
気遣うイワンくんだったからにしても
「ここをこういうふうに膨らませるだろうな」
って部分はその通りだった。
ただ個別の技術はやっぱりすごい!
片手リフトなのに、イワン君は片足まで上げてたし!

(たぶん)29日午前中に成田について、
18時からリハーサルとのことでしたが
東京バレエ団との演技は噛み合っていたと思います。
役作りとしては、ちょっとムカツクいまどきの若者。
(リアルの本人達のことじゃないですよ。念のため。)
「大人達」を小馬鹿にしているところがあって
それはそれで二人に合っていたかも。

「狂言自殺」の場面では
泣くふりをするキトリに
バジルがハンカチを渡したり
バジルが自分の足の踵で、もう片方の脛を掻いたり
ちょこちょこ面白い芝居が入っていました。

グラン・パ・ド・ドゥの2人は水を得た魚。
滞空時間が長いイワン君のジャンプと高速回転のオシポワ。
拍手喝采でした。

踊り自体はテンションが高くてすごく良かったけど
個人的には、全幕としての一貫性とか
芸術的香気などの面から
程よく抑制のきいた昨日の方が私は好みだけれど、
上演順が逆だったら、ロホは重たく感じられただろうな。
いずれにせよ、違うスタイルのダンサーを
日替わりで見られたのはとても幸運なことだ!

高岸さんは昨日より熱血度が増したかも。
じじいだけど「俺はやるぜ!」な気持ちが垣間見える。
氷室くんは竜太くんほどの風格はないけど
ちょこまか動く小心者の部分は従者にピッタリだった。

キトリの友人2人は俺得なペア。うほうほ!
昨日のペアより、より活き活きしたチャキチャキの下町娘。
いいわ、いいわ~。
1幕のバジルの踊りのところ、
キトリと一緒に去ろうするのを
「行かせないわよ~」
「私達たちと踊らないとー」と遮り
バジルも「んー、じゃー、踊るよー」
みたいな掛け合いがありました。
晴雄くんは、ちょいと身体の重量が増えた気がするけど
これまたテンション高く張り切った踊りでした。
すごく顔で踊っていて、なんだか可笑しいというか
微笑ましいというか。
本人比かもしれないけれど、踊りも良かったと思います。
ジャンプのキレがありました。
布(ムレータ)の扱いがもう少しいいとなあ。
髪は夏仕様でさっぱり短め。
高木さんのメルセデスが、ポーズの決め所が
ピシッと決まって気持ち良かった。
こういうハッタリがメルセデスには欲しいのよね~。
長瀬くんのガマーシュが思いの外、いい演技。
無駄に優雅になるのも楽しいし、
なにより、いろいろ振り切った感があって
ガマーシュになりきっていた。

闘牛士(とジプシー)ダンサーは昨日と変わらないけど
踊り慣れたぶん、今日はさらに迫力増し。
短剣も昨日より床に刺さっていました。

キューピッドは佐伯さん。
ちょっと大人すぎるかも。
ドリアードの二階堂さんがすごく良かった。
長い手足が実に上手くコントロールされていて
踊りのラインがとても優美だった。
スタイルもめちゃくちゃ良い!!!
オシポワに負けていなかった。

オケは今日も良かった。
ポール・コネリーさんは
音の統制が上手いだけでなく
ダンサーの決めどころに
音を合わせるのがとても上手い。
昨日と今日の主演コンビは
いろんなタイミングが違うと思うけど
ビシッ!と決めてくれる。
東バのダンサーにも合わせてくれて
ありがたや、でした。


【配役等】
キトリ/ドゥルシネア姫:ナターリヤ・オシポワ
バジル:イワン・ワシーリエフ
ドン・キホーテ:高岸直樹
サンチョ・パンサ:氷室友
ガマーシュ:長瀬直義
メルセデス:高木綾
エスパーダ:後藤晴雄
ロレンツォ:永田雄大

2人のキトリの友人:乾友子‐田中結子
闘牛士:
 松下裕次、宮本祐宜、柄本弾、梅澤紘貴、森川茉央、
 安田峻介、杉山優一、松野乃知
若いジプシーの娘:吉岡美佳
ドリアードの女王:二階堂由依
3人のドリアード:西村真由美、吉川留衣、川島麻実子
4人のドリアード:森志織、村上美香、岸本夏未、阪井麻美
キューピッド:佐伯知香

ヴァリエーション1:田中結子
ヴァリエーション2:乾友子

協力:チャイコフスキー記念東京バレエ学校

指揮:ポール・コネリー
演奏:東京フィルハーモニック交響楽団
コメント
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