きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

JCSジャポ08全ツ@尼崎

2008年11月29日 | 劇団四季
全ツのスケジュールが出たときに
「ここなら行けるな」と思いました。
土曜の夜ならムラに絡められるもん。
大劇場は月組公演だし。
こりゃ、行くしかあるめー、と
とっととチケットを取りました。
このときは、ジーザスはやなぴー確定だろうから
ユダはどっちが来てもいいやー、と思っていました。
それがねー。
新ジーザスで。
神栖で観たときは無表情なジーザスで。
横須賀で観たときは、怒るか無表情なジーザスで。
尼崎公演が始まる前は諦めモード。
ってか、昼の月組が大満足だったから
なんでも来いやー、のイケイケモード。

そのせいもあったかもしれません。
神栖→横須賀、と順を追って観ていたからかもしれません。
昨年の京都から尼崎だった人は
別な感想を持つかもしれませんが。

いままで、金田さんが歌っているだけだったのに
今日はジーザスが舞台にいました。
歌と歌の間にも、滲み出ている「なにか」がある。
それは、「苦悩」、そして、時には「慈愛」。
晩餐の出だし、ユダに対する表情は
「切り捨てた冷たさ」でもなく
「怒り」でもなく、
ただ、ただ、悲しそうだった。
自分が辛いのか、辛いユダを気持ちを思いやっているのか。
ユダが「あなたのためだ」とすがりついたとき。
ぶつかるようにすがったユダを
2~3歩後退しながらも、踏みとどまって、受け止めいていました。
以前なら、ユダをもう少し早く
なんの躊躇もなく、振り払っていたと思います。
でも今回は、「思った通りにここを出て行けばいい」まで
ユダの腕(二の腕あたり?肩より下)を掴んだままでした。
ユダの気持ちを受け止めているなー、と思いました。
このジーザスも、いずれユダを抱きしめちゃうかもしれません。

いろんな感情が見え始めたジーザスでした。
訛りはまだありますが、気になりません。
ジーザスとして舞台にいましたから。
高音もいきなりではなく、低い声から続けて出ていました。

スンラさんのユダは、神栖で観たときよりは
繊細さがやや減っていました。
なんだか、昨年のジャポ初期みたいです。
ジーザスの片腕として、どこか冷静に判断している部分が
前半にはありました。
それが、どんどん壊れていく。
その過程が見えるようでした。
横須賀のキヨミチも似たような感じだったので
もしかして、金田ジーザスには
こういうユダが合うのかな。
「スーパースター」も、恍惚とした表情ではなく
疑問になっていました。
こういうスンラユダも好きだわ~。
籠の中ではわりと動いていました。

ミカマリアは、恋する乙女でした。

ヘロデの星野さんは、思っていたよりは頑張っていました。
ほんのちょっと、自分を捨てたかな。

群衆も、前よりは声が出ていると思います。


公開有料稽古を重ねたかいはあったなー。
東京に来る頃にはどうなるのかなー。
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「夢の浮橋/Apasionado!!(アパショナード)」宝塚月組

2008年11月29日 | 宝塚(月組)
JCS尼崎と合わせ技でムラに行ってきましたよ!
29日昼公演と30日昼公演を観てきました。
感想はこちらで1本に。

芝居は「宇治十帖」。
「飛鳥夕映え」で演出を担当した大野先生(以下、大野くん)が
本格的に大劇場デビューです!
大野くんの作品はバウで何本か見ましたが
大感動で心が揺さぶられる!という興奮はない代わりに
しみじみとした良品が多い印象。
今回も、デビュー作品とは思えないほど
破綻はなく、登場人物の細々とした心情が伝わってきました。
群舞を、「偉い人が市中のお祭りをこっそり見に行く」で処理するのは
宝塚のお約束だから仕方がないにしても、
無駄な部分もなく、多くの生徒にうまく役を振り分けていました。
そして、特筆すべきは
エロさ
和物だから、ガシッと抱き合い「お前が好きだ!」などと
あからさまなところが無いけれど、
そのぶん、視線や台詞回しで、ねっとりエロイです。
生徒の魅力を
わかってるなー

特にあさこちゃん!
あさこちゃんから「滲み出る」エロさがたまりませんよ!

お話は、、、
大筋はわかりやすいです。
姉の身代わりに愛されている女性がいる。
その女性を愛している男の親友が、
その女性本人を愛する。
その女性は嬉しく思う。
だけど、言葉にはハッキリ出さなかったけど
男もまた、彼女を真実愛していたのだ。
それがわかった女性は・・・
みたいな話。
一方で、身分に縛られず自由に生きたい、と願っても
誰もがなにかに縛られている。
そして、自分が縛られることにより、
自由になれる人がいる。
そのために、自らそれを望む男。
これは「男のやせ我慢の美学」に通じるもので
宝塚の伝統的な役どころですね。
形代=身代わり
傀儡=操り人形
を、押さえておけば
話の流れ自体は簡単につかめますので
宇治十帖をよく知らなくても
なんとなく主題わかります。

ただ、人物関係はわかりづらい。
「日本人なら、ある程度は知ってるよねー」の前提で
お話は進みますので、
公式HPに出ている相関図は、観ておいた方がいいです。
なにしろ、一人の人物が、名前と役職、どちらかで呼ばれます。
混乱しやすいです。
匂宮=兵部卿で、現在三の宮だけど
兄が失脚して、東宮になる、と。
東宮もまた日嗣の皇子と言い換えられるときがあるし。
あと、「皇族の血の濃度」もですね。
匂宮と自分の娘・中の君を結婚させ、
宮を東宮に、やがては天皇にしようと、
頭の中将の次男(紅梅大納言、柏木の弟)一家は大プッシュ中。
目指せ外戚政治!
でも、浮舟は、父が前帝の異母弟で
今上帝はいとこになる。(だよね?)
田舎育ちで後ろ盾がないとはいえ
皇族としての血は濃いので
匂宮の后として宮廷に上がったら
身分は中の君より高く、
文句なく皇后となる、と。
もいっこは、世代と年令の違い。
匂宮と薫は年令が近く兄弟のように育ったけれど、
光源氏の代からみると、
匂宮は孫の世代で、薫は息子世代になる。
薫は、夕霧と同じ世代の柏木の息子だけれど
表面上は、光源氏の息子なので、夕霧と同じ世代となる。
その辺は、わかっていても、芝居を観ながらだと
ちょいと混乱してくるので、
あらかじめわかっていた方が、
すんなり話に入れます。

でも、よく覚えていなくても、
なんとなーく筋はわかります。
移ろう人の心の流れが目に見えるようです。

ただねー。
薫の君がねー。
両親の話をしているときにねー。
伊織さんの柏木が頭に甦ってちょいと困ったわ。

専科さんの芸も必見。
萬さんのマリオネットは、素晴らしい!の一言です。


押さえているから、エロい。
そんな芝居の後のショーは、
あからさまに「色気ムンムン」なショーでした。
幕開きのあさこちゃんは、さながら小林幸子。
客席からのどよめきが楽しいです。

大人数で踊る場面が多いのですが
振り付けに工夫があるため
Bのような、単純な「総踊り大会」にはなりません。
男役の女装が多かったですね~。
「ヴァレンチノ」の場面にも紛れ込んでいましたよ。
そして銀橋を渡る「妖しい花」達。
似合う人、
笑っちゃうほど似合っているんだかオカマなんだかわからない人。
胸の辺りがスカスカなのもオカマ度を上げています。
楽しく観ていたら、オチは組長でした。
リュウ様、素敵すぎ・・・。怖いけど。肩は男だよね~。
んで、敵同士が争って、男が死んでー、天上でー、の場面。
赤ライオンのカツラがカッパに見えるよ。
カッコイイけど。

そして!
ちわわ!!
退団しちゃう、ちわわちゃん!!
ロケットガールです。
真ん中で数人を引き連れて踊ります。
そのあと!!
銀橋に!!
ロケットちゃん達を引き連れて銀橋真ん中に立ち、踊ります。
ロケットちゃんが上下に捌けるときも
最後まで銀橋真ん中です。
ありがとう、
大介くん

泣いちゃったよ!!
そのあとの男役のダンスもカッコイイし。
娘1が不在でデュエットダンスがないのは寂しいけれど
それでも最後までテンションが高い楽しいショーでした。

トップはあさこちゃん、
2番手はキリヤン。
その下
 あひる、そのか、マギー、まさお、みりお
が微妙に団子状態の月組。
(いちおう、上記は学年順ね)
どう序列をつけるか、頭が痛いところだと思いますが、
大介くんは
全部まとめて使いました。
「With a Song~」で、新専科+シューマッハ+さらほく、を
ひとまとめに使っちゃったのを思い出しました。
それも楽しいよね。

エトワールは、ルイスンとおときちとすずなちゃん、だっけ?
これも変則技だよね。

今年最後の大劇場作品は
芝居もショーも当たりでした。
遠征して良かったよ!!
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