きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「河童少女」明智抄

2008年11月18日 | 漫画・小説・雑誌
明智抄さん新作コミックスが
久々に出版されました。

河童少女 (ぶんか社コミックス)
明智 抄
ぶんか社

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明智さんは「生涯最後のコミックスになるかも・・・」と
泣き言を某所で書いていましたが、
それはあまりにも勿体ないことです。
これからもどんどん新作が発刊されることを
願ってやみません。

こちらの本は短編集。
タイトルの「河童少女」が6編、
それの番外編と思われる「砂漠蛙」に加え
「本当にあった不思議な話」系の話、の
計8本で構成されています。
ホラー雑誌に掲載されていたので
ホラーというか、多少グロがあります。
「えみちゃんといっしょ」系のグロさです。

「河童少女」は「かっぱしょうじょ」と読むのではなく
「エンコウショウジョ」と読みます。
エンコウは、「猿猴」で、
「親に殺されたり、捨てられた」子供のことです。
それがなぜ河童=猿猴となるかにつきましては
この本を読んでくださいね。

「親に捨てられたことによって感情の一部が欠落する子供」
っていうのは、明智さんの生涯テーマなのかな。
「死神の惑星」等の後書きに見られる明智さんのお母さんは
明智さんの作品に現れる「親(特に母親)」とは全く違うので
本人の内なる思いを昇華、ではないと思うんですよね。
それこそ、山岸涼子さんの作品に登場する「父」と
山岸さんの家族エピソード(「恐怖の甘い物一家」とか)とは
全然別であるように。
その後の、自分でも気が付かない、
自分が心の奥底深く押さえつけ隠している感情が
表面に現れて爆発、というのは
文庫版「砂漠に吹く風」2巻に収録されている
「通過儀礼」の中に出てくる鬱病の経験が元になっていると思いますが。

今回の作品は「親に捨てられる」場面が多く出ているので
読んでいてとっても辛いです。
どの話ももの悲しくありますが
とくに「六恵」が一番泣きました。

小さい子供達の(外見上の)モデルは
みとんちゃんなのかなあ。
コメント
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