きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「マンマ・ミーア」キャナルシティ劇場

2020年12月04日 | 劇団四季




キヨミチが完走かなー、と
淡い期待をかけたけど、抜けました。
でも阿久津サムも見たかったので無問題です。

普通のおじさんの阿久津さんはとても新鮮。
可愛い。
キヨミチに比べると阿久津さんの芝居はあっさりめだけど、
もしかしてこちらが正解なのかなあ。
キヨミチはどうしても執着要素があるよなあ。
スコットランドに一度戻ったのも
そんなに深刻で重い気持ちじゃなかったのかな。
でも、島に戻ったら・・・。
この辺の流れは納得できる。
ちゃんと伝わってくる。

阿久津さんとノンスタの誰かとうちのヨシマサを並べると、
いい具合に似てるグラデーションができそう。

猫化粧以外の高倉さんも初めてかな。
やっぱりスタイル良いわー。
歌はタニちぎレベルじゃないけど、
みつるぐらいかなあ。
四季でもスタイルと歌唱力の両立は難しいんだね。
(諸方面にごめんなさい)

岡村さんの歌はパンチがある。
華もあるわ。
納得のドナ。

2階席、サイド両ブロックは
前から後ろまで学生の団体。
驚いた!
上演中はとても静かでした。

幕間に漏れ聞く感想を聞くと、
父親が誰だかわからない状況は、
わかるような、なんだかー、みたいなかんじ?
学校はこの辺はチェックしないのかなー。
レミゼも学生団体が入ることはあるけど、
この辺はちゃんとレクチャーしてるのかな。
ヤリ逃げされた女は人生が狂うとかさー。

ABBAの曲に馴染んでいて、
家族の愛情のありがたさがわかる世代には刺さるけど、
そうでない学生さんには難しい話かも?

しかし、久しぶりで、
お目当てなしの超大好きというわけではない演目だと
開口がキツイなあ。
ムズムズ。


こんなことを言うのはなんですが、
博多13時半開演って体がすごく楽!
芝居中も眠くならない!
11時、15時半のマチソワ日帰りってねー、
狂気だよねー。
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「キャッツ」@キャッツ・シアター(東京 大井町)

2020年07月18日 | 劇団四季



超久しぶりのCATSでした。
泥棒猫の歌は音程とリズムが変わっているのに
歌詞と振付はかなり同じですごく不思議。
犬vs猫の歌が増えたのに全体の尺はほぼ同じ?
不思議はたくさんだけど、違和感はなく、
楽しかったニャー!

出演者みんなが若かったわー。
まあ、主力はこの世代よね。
キヨタガ基準だと佐久間さんには
もっとやらかして欲しいけど、
でもこれぐらいの方が正しいんだろうな。

ミストのソロの歌がタガー担当になっていた?
踊り枠と歌枠に分ける方が負担が少なくて良いね。
歌詞が少し変わっていたり、
振付も少し変わっていたり、
Gの羽がちょっとリアルになっていたり、
ちょいちょい変更はあるけど
前の方がいい!なんてことはなく
新鮮で良かったわ!

改変でも振付はやっぱり鬼。


ダラけちゃうシャム猫軍団が可愛い。
ビジュアルはドラクエのキラーマシーン。


グロタイソングの「年貢の納め時」は
植田巨匠と同じ香りがするね。


ギル隊長の「うらみ、、、」とかが
カタカナ外国語発音じゃないねー。
どんだけ記憶に刻まれているのか。


座席数は半分に減らしての販売で、
そこでさらに埋まっているのは半分ぐらいの印象。
回転席は舞台の一部。

【配役】
グリザベラ:松本菜緒
ジェリーロラム=グリドルボーン:奥平光紀
ジェニエニドッツ:花田菜美子
ランペルティーザ:片岡英子
ディミータ:松山育恵
ボンバルリーナ:山崎遥香
シラバブ:藤原加奈子
タントミール:杉野早季
ジェミマ:坂井菜穂
ヴィクトリア:引木 愛
カッサンドラ:藤岡あや
オールドデュトロノミー:飯田洋輔
アスパラガス=グロールタイガー/
バストファージョーンズ:藤田光之
マンカストラップ:北村 優
ラム・タム・タガー 佐久間 仁
ミストフェリーズ:横井 漱
マンゴジェリー:肥田晃哉
スキンブルシャンクス:田邊祐真
コリコパット:千葉真大
ランパスキャット:政所和行
カーバケッティ 照沼大樹
ギルバート:高野佳基
マキャヴィティ:中村智志
タンブルブルータス:吉岡慈夢


前に見たキャッツは2012年の横浜だったよ、、、
3月はキヨタガで、8月はスンラさんに逃げられベッチタガーとか、
そんな時代のことでした。
ちょい前の「ちょい」の感覚がもうダメだ。

さらに自分の記録を読み返していたら、
五反田千秋楽週は2009年4月でした。
横浜開幕は2011年11月。
どんだけーーっ!
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「エビータ 2019年版」@静岡

2019年11月16日 | 劇団四季




キヨミチ、
サーカスのコーダの高音が厳しいな。
上がりきらない。
歌えば馬鹿共が台詞的になったのは
アレンジなのか、音を外したからなのか。

低音は絶好調。
アレンジはフリーダム。

カクテルはちゃんと作ってた。
飛躍に向かっての出だしも叫んでた。
低音は絶好調。

2幕冒頭は幕前板付き。

虹のツアーの「恋に落ちた」で
胸の前でハートマーク。
金は出て行くの合いの手は
「エバーーッ」ぐらいの語尾伸ばし。
手拍子あり。


チェ〆、ありました!
客席を煽ってました!3人の中で一番拍手が大きかったよ!

空を行くの高音も少し辛そうだったな。
ベテランの積み重ねでなんとかしちゃってるけど、
私はこれも好きだけど、
否の人もいるだろうな。


ご当地スターの佐野ペロンは声の張りはあるけど、声量は抑えめ。
マイクバランス?
芝居も東京同様薄い。
薄いというか、覇気が足りないかんじかなあ。
もうちょい国トップの権力をぶんどった感が欲しいなあ。
ただのエバの傀儡みたい。
むかし見たチェは芝チェ比で薄いだけで、
チェとしてはアリだったんだけどな。


江畑さんのエビータは上昇志向が強くて、
まさに目の前の戦いを一つずつ勝ち抜いているだけで、
未来が全く見えていない底の浅ささがあり、
若い勢いだけで世間を渡る怖いもの知らずでもあり、
芝居としてはもう少し深くとも思うけど、
こういうエバもありかな。

所詮はコーラスガール、無教養、がぴったりなかんじ。
運とヤル気だけで素人が国のトップになったんだなあ、と思った。
ただ、それが綿密な演技プランで作られたのではなく、
深くはない芝居の結果論のような。
それでも、納得できるエバだな。

この3人の組み合わせだと
チェは傍観者だね。


新幹線で静岡往復するお金があれば
LCCで台湾弾丸往復ができるんだよなあ。
でもいま芝チェがいるのは静岡なんだ!


【配役】
エビータ:江畑晶慧
チェ:芝清道
ペロン:佐野正幸
マガルディ:高橋基史
ミストレス:藤原加奈子


お金が無いので往路は在来線で。
東京駅からは3時間ぐらい。
おかげで十二国記の新刊最終巻を読み終えたよ!


せっかくなので静岡らしい昼食を。
駅近くの「魚のへそ」で駿河湾地魚海鮮丼。

なにが地魚かは聞きそびれたわ。
厚みのある切り身がたくさん!

時間あるのでデザートを。
「アオイパフェ」で林檎と紅茶のパフェ。


会場に行く前に友人への土産をサナ購入。
自分用にもひとつ。



復路は新幹線。
静岡駅のクリスマスツリー。

代々木でのライブは18時開演。
少し押したので間に合いました。
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「エビータ 2019年版」@名古屋(2回目)

2019年08月12日 | 劇団四季



今日は江畑エバに飯田チェ。

江畑エバは最初から野心ギラギラで攻撃的。
迫力と押し出しが凄く強い。
ソプラノ音域が少し不安定かな。
小娘感の残る谷原さん、
最初から天辺の江畑さん、
それぞれの個性があって良いね。

飯田チェは全体的に丸いせいか少し猫背気味。
腰回りは仕方がないけど、
もう少し背中のラインを綺麗に決めて欲しいな。
キヨミチと比べるのは間違いなのはわかっているけど、
存在感が軽め。
ナレーションで、裏エバではない。
そういうチェもありか。
アップテンポ部分のリズムに若干の乱れ。
歌いながら動くのは苦手なのかな?

こうしてしみじみ聴くと、
チェの歌は音域が広いんだな。
声楽の飯田さんでさえ高音が低音の地続きではなかった。
実はキヨミチ、すごいんじゃ?
飯田さんも全ツ前半で慣れてくるかな。

飯田チェ、マガ公演中は客とお話、
金は出て行くはこぶしを振り上げ「エバ!」と叫ぶ。
グッバイは、可愛い歌声とシリアスな歌声と、
歌い分けようとしているみたいだけど、
おばちゃんには両方可愛く聞こえるよー。

エバとペロンの出会い、
最初はエバの屁理屈を聞き流して
身体目当てを隠さない北澤ペロンがいいわ~。
エバの存在なんて、
最初はそれくらいだったのがよくわかる。

高橋マガの小芝居が楽しい。
エバと「遊び」の掛け合いがとても楽しそうだ。


千秋楽挨拶は無し。
チェ〆あり。


全ツにキヨミチは来るかなー。
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「エビータ 2019年版」@名古屋(1回目)

2019年07月27日 | 劇団四季




谷原エバ。
東京より格段に良くなった。
いい意味です下衆っぽくなった。
下層の小娘が頂点に駆け上がった感が増した。
(下と上の差がより感じられた。)
歌の低音と台詞にドスが効いてる。
迫力がある。
1幕前半の高音は表情が無くプリンセスだったけど、
「ニューアルゼンチーナ」の高音はギラギラ感たっぷり。
野心がメラメラ燃えていた。

ワルツではチェと火花バチバチ。
堂々とした対峙。
病に伏してからはまだ元気な部分もあるけど、
執着はかなりかんじた。

芝チェ。
「歌え馬鹿ども」の「う」が高い。
バーテンは客の注文品を出す。カ
クテルのシェイクで女性客から拍手をもらい、
いい気になってさらにシェイク。
マガの「今宵~」を女性客が笑うと、
あーあ、という感じで頭に手。

グッバイのどこか、可愛らしい声で歌ってから、バイバイ。

「飛躍に向かって」は高音が少し辛そう。
「エバはまた身構える」の
「エ」の前から吠え、「エ」は高め。

「金は出て行く」、ロングトーン、エバ!でこぶし、手拍子あり。

1幕前半ではエバを笑って見ている。
余裕がある。
だんだん「国が酷くなる」ことに気付く。
狂言回しではなく、
少し後の時代の人が過去を紐解いているよう。

2階4列上手席でしたが、
リプライズの「空を行く」が真横から聞こえ、
突然のことに心臓バクバク。
耳元でキヨミチが歌っているみたいだった。
ワルツは佐野さん?北澤さん?
(個人的に、ペロンが歌うというより
 全ツWキャストのときの使い回しのような?)

詞の一部を台詞にしたり、とにかくフリーダム。
東京千秋楽ほど歌声はパワフルではないけど、
むしろこれがスタンダード?
低音は豊かに響いている。

北澤ペロン。
歩き方はまだ若い。若手士官みたい。
上昇志向はありあり。
谷原エバと良いバランス。
エバに背中を強く押されてる。
「二人で」駆け上がる感。
出会いは「そんなことよりヤラせろよ」から、
利用し合う、までがよく見える。

髪型のせいか、2階からオペラグラス無しで見ると、
なんだか佐野ペロンを思い出す。

谷原&北澤ペアが若いので、
チェの疎外感がマシマシ。
物語の外にいるかんじで良い。

髙橋マガ、自分では「すごくイケてる」と思っている。
謎の確信。それがいい


歌、ダンス、芝居のバランスが良い作品。
何気に、少しだけではあるけど、ソロが多い?
しっかりした役名はないけど、役の数は多いよね。


マガルディの衣装。
1930年代(?)をあらわすあのデザインは、
しかし宝塚歌劇では2019年でも現役です。

【主な配役】
エビータ:谷原志音
チェ:芝清道
ペロン:北澤裕輔
マガルディ:髙橋基史
ミストレス:平木萌子
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「エビータ 2019年版」(2回目)

2019年07月07日 | 劇団四季


芝チェ。
マガ公演中にカクテルを作る。
「飛躍に向かって」2番にアレンジ。
「金は出て行く」で、
こぶしを振り上げ「エバーっ!」の叫びと手拍子あり。

高音もよく出てる。
低音が綺麗に響いてる。
いちいちオーバーアクション。
フルスロットルだった。

千秋楽挨拶が芝&佐野からあり。
追悼公演として5作品上演、
感動をお届けできるように、などなど。

最後はチェ締め。

谷原さんはのしあがって行く勢いはいいけど
実年齢も芝居も若いので、
エビータとチェでは戦いにならないし、
ペロンが彼女と共闘していた感もないので、
芝居の感想はあんまりないです。
国を動かしているようには見えないよね。
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2019年「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム・バージョン)」@名古屋

2019年07月06日 | 劇団四季
マチソワしました。

●マチネ●
JCSあるある。
初めての劇場ではまず自殺穴の位置を確認する。

佐久間ユダは、スターさんが好きすぎて
突っ走ってFC幹部にまでなったのに、
気がついたらスターさん引退に伴う
FC解散式の仕切りをしているようだった。
ずっと見続けていたかったのに、なぜ自分がこんな役割を。
そりゃ笑っちゃうわなー。
というのはともかく。

いろんな意味で、片腕ではなく、「13番目」のユダだった。
一人だけジーザスと対等というわけではない。
その他大勢の中の一人なのに自分だけは、と、
夢を見ているエゴの塊。
それに加えて若者らしい潔癖さがあるから、
拗らせまくっている。

以前のおじさんユダ達のような強固な信念がないから
それが崩れたときの狂気もない。
ずっと迷っていて、「去れ」が最後の一撃になったんだろうな。
この弱さは見ている私たちと地続きにも思えるので、
こういうユダもありだと思うよ。
ジーザスの孤独感もマシマシになるし。

ただ、佐久間さんはまだ歌が弱いかなあ。
音程とか音量ではなく、パワーとかパンチが足りない。
あと、「今宵」の終わりが「去る」ではなく、「捌ける」になるように、
役として舞台にいる部分が少し薄い。
真ん中芝居の持続力がもうちょい欲しいかな。

神永ジーザスは、前半は孤高の指導者で、
後半は普通の人間が入り混じる。
捕らえられたときの、うなだれる姿が痛々しい。
それなのに気力を振り絞ってペテロに「魚を漁れ」を言う。
うーん、辛い。

ユダの口づけが無かったような、、、。

シモンはますますパワフルに!
ニッチな例えだけど春麗のハマコレベル。
山田ピラトは夢の意味はわからず公正に裁こうとしつつ、
終盤に徐々になにかを感じているような。
司祭組は相変わらず美声。聞き惚れる。
阿久津さんはもっともっと振り切って欲しいなあ。無理かなあ。

専用劇場だとセットも作り込めていいね。
全ツの自殺穴は小さめで吸い込まれるユダは
なるべく身体を畳んでいたなあ。

セミナーの記憶によれば、ホサナは
どちらの腕が先かは決まっていないので、
好きに動かしていいそうです。
だんだん民衆の希望が強く攻撃的になっていくので、
そういう気持ちで、と。

スーパースターでユダは吹っ切れたように、嘲笑うかのように、
晴れやかなんだけど、
背を向けているときはどんな表情なんだろうか、と思う。
ああ見えて、ジーザスからは解放されてはいないんじゃないか。
天国には行けそうにない。

芝ユダ、金森ユダは「あなたが好き」一直線で、
それゆえ捻くれ執着と執念が発生。
佐久間ユダは「俺が好きな、あなた」で理想を押し付けている。
かな?

あなたは俺が好きなはず

ではなく、

あなたは私が思うような人のはず

です。
念のため。

2階はマイクの音量バランスが悪かった。
1階はどうかな。では、ソワレ!


●メモ●
市場のうさぎ。
マチネは2回、ソワレは1回強奪。

マチネを見た友人から。
「すごく面白かった!
 また上演されるならぜひ見たい、
 サクサク話が進んで無駄がない、
 たしかに基礎知識が必要だけど
 自分でもじゅうぶんわかる、
 キリストの苦悩が伝わってくる、
 ユダの言うこともわかる、
 エビータも誘って!」
でした。
大成功!
まあ、趣味が似ている友人だしね。


●ソワレ●
マチネは2階後方だったけど
ソワレは1階後方のせいか熱さが違った。
1階を選んで正解だった。
ジーザスの困った顔もよく見えた。
「剣を捨てろ」の強い言い方が苦しい。
諭すのではないので、
ペテロ達は捨てられたと思っただろうな。

スーパースターのユダの笑顔は爽快だった。
だから言っただろう、俺が思ったとおりだっただろう、と。
でもだからといって、ジーザスから離れず問いかけ続ける。
ああやってずっと語りかけるのかな。
振り返ってくれるまで。
地獄で。
そんな日は来ないのに。
なんとなく、かみさくの位置関係が掴めたかな。

「今宵」でユダはジーザスに手を差し伸べるのに、
ジーザスは振り返らない。
声は聞こえていて、背中では受け止めているけど、振り返らない。
かみしばの微妙なすれ違いもいいけど、
相手を思いつつも交わらないのもなかなかよろしい。

口づけがあっさりなのが、と思うけど、
ねっとりはあの二人では違うのかも?
あれだけガバッと抱きつけば、
彼がジーザスなのはカヤパ達にはわかるだろうし。
「俺はあなたをいま裏切る」「わかっている」が見えるから、
あれだけでもいいかな。

あと一言、言ってあげれば、とも思うけど、
ジーザスにだってそんな余裕はないし、
ユダが裏切るのはすでに神プログラムで決まっているから
なにを言っても慰めにはならないのはわかっているし、
仕方がないのかー。
そこで手厚く扱えないのが人間ってやつだーね。

ジーザスと使徒たちなどは掴めるんだけど、
山本さんのマリアがいまいち掴めなかったなあ。
憩い、というのも違うような?
ジーザスが孤独すぎてマリアの役割が発動しない?

専用劇場で下が深いから、
「血を見ていけ」でユダは下に下がるのね。
ツアーでは袖に捌けて、
司祭の視線で距離がわかるのに。

司祭で思い出した。
逮捕令状その後は司祭が受け取って
静かにひっそりクルクル巻いてから撤収なのね。

友人は飯田在住で、
わりと近くの駒ヶ根には四季のツアーがよく来るけど
JCSは初めてだそうで。
駒ヶ根にプラス30分で名古屋だし、
名古屋は専用劇場だし、
これからは名古屋観劇も考えるって。
とりあえずエビータの日程擦り合わせね。

かみさくだと、おじさんたちのユダほど
ジーザスとユダが対とか1組とかの雰囲気が薄い分、
「使徒の裏切りで神の子が誕生する」の役割に
ユダが選ばれたのが無作為っぽくて、
神プログラムの非情さがさらに際立つ感じがする。
あー、なんかツボがぁ。

佐久間ユダはスーパースターで晴れやかな笑顔なのに
ジーザスにこだわっているのが闇でエモい。
地獄に落ちる恨みならともかく、
そうでなければ忘れてもいいのに、
ジーザスに視線を向けたままなんだな。
田中ユダは爽やかにポップスを歌ってただけだったなあ。

五十嵐さんは「捕らえられる」の恐怖からの否認がクリアだったな。
マリアへ向かう足取りもしっかりペテロだった。

もう一つ思い出した。
皆さんとは解釈違いかもしれませんが、
今回はジーザス → ユダは「使徒の一人」で、
ユダ → ジーザスは「彼にとっての一番は俺」で、
そのすれ違いぶりが楽しい!
失礼、ドラマティックだと思います。
佐久間ユダの一方通行がねー、いいんだようっ!

金田ジーザスは
「これから大変なのに外野のこえなんか聞いてられるかよ!」
の怒り含みで、
芝ジーザスは外野の声を気にかけるステージは過ぎて解脱済み。
神永ジーザスは皆の気持ちはよくわかって全て受け止めて、
それでも敢えて苦い盃を飲む。
その苦しみがたまらんです。

うーんと、、、

ちょっとマニアックな例えだけど。

寿退団するジェンヌと、
「あなたを応援していたので婚期を逃しました」と言うファンのような?
(ごめんなさい)
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「エビータ 2019年版」(1回目)

2019年06月19日 | 劇団四季




芝チェは一言で言うと、やりたい放題でした。
笑いそうになるぐらい超ドラゴンボイス。
一幕では「音響さん、マイク絞ってもいいよー。」
と思うぐらいでした。
さすがに昔に比べると
声が伸び切らないところもあるけど、
低音は良く響いている。
台詞的なところが増えたけど
声が出ない誤魔化しじゃなく、ノリだね。
マガルディ公演のバーテンダーでは
コップに注いだ酒を飲んでました。
売り物を!
「飛躍に向かって」の脚上げは低め弱め。
後ろのダンサーにはかないませーん。
「金は出て行く」で手拍子は無し、
間奏で「エヴァッ!」の叫びと、こぶし振り上げあり。
カテコのチェ締めは無し。

谷原さんはまだまだ若手。新人公演的。
歌声の張り方が一本調子。
音のニュアンスの繊細さをぶっ飛ばしてる。
歌声は大きいけど高音がキツめ。
歌い方もディズニープリンスだなあ。
綺麗すぎてパンチが足りない。
開けたばかりだからこんなものかな。
真ん中オーラも足りなめ。

演説の「人民のものー!」があまりにも子供っぽくて
迫力が無かったなあ。
あそこだけでもなんとかならないかな。
なんかもう「そっちだけズルい~~。プンプン!」
みたいな「女の子の大声」レベルなんだよなー。
(ついでに言うとあの白いドレス、
 腕まわりがいかにもゴムなのはどうかと毎回思うよ。)

カリスマ性が無いので、病気になったあとの、
なにもかも失うところの方はわりと良かったけど、
うーん、比べても仕方がないけど、
野村さんのような執着(執念)は無かったなあ。

谷原さんのエビータは若すぎるので、。
いきがってる若い子を
対岸で眺めているような芝チェだった。
これはこれでありかもしれないけど、
エバとの勝負がないチェは少し、
物足りない、ではないけど、寂しいな。

エビータの芝居が浅く、カリスマ性が無く、
アンサンブル筆頭ぐらいの存在感なので、
相対的にチェが主役のように感じられました。
違うんだよなー。
チェはエビータの影であって。
ルキーニほどの存在感があっては本当はダメなんだよう。

エバ役がいないとできない演目で、
いまようやっとこのレベルのエバなのかあ、と。
仕方がないけど。

佐野ぴーは、声楽系は声が衰えないんだなあ、としみじみ。
安定した芝居と歌。
病床でエバを気遣うペロンの愛情が深かった。

ミストレスは子供っぽくて良かったな。
マガルディは良い声だけど、
百姓相手に歌うのが似合っているのがいいわ。

コーラスは厚みがあり、群舞のダンスは切れが良い。
歌と踊りのバランスがいい演目だなあ。
この頃の加藤さんの振付はシャープで好きだわ。
群舞の振付はいいんだよねえ。
演出に行かなければ、、、
「虹は行く」のコーラスアレンジが変わったかな?

キヨミチを見る聴くとしては満足だし、
アンサンブルは良かったけど、、、
芝居的には歌声が壊滅的だった野村さんの方が、、、
でも、それはキャリアの差かあ。


2階席ドア近くの席だったんだけど。
ドアが開くと髪の毛がボワっとなるぐらい風が吹きこんで。
なに?ブエノスアイレスの風?
ビエント・デ・ブエノスアイレス、、、。


【配役】
エビータ:谷原志音
チェ:芝 清道
ペロン:佐野正幸
マガルディ:髙橋基史
ミストレス:藤原加奈子

【男性アンサンブル】
成田蔵人
光田健一
石川敦貴
ビョンヒサン
内田 圭
鈴木涼太
髙橋祐樹
伊藤潤一郎
新井 克
伊藤駿佑
河田拓也
宮下友希
二村誠俊
深堀拓也
若山展成

【女性アンサンブル】
渡辺智佳
髙岡育衣
平田愛咲
平田曜子
伊藤瑛里子
町島智子
廣本則子
坂本すみれ
石戸瑶子
榊山玲子
髙田直美
辻 奈々
大石眞由
小林由希子
柴本優澄美
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2019年「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム・バージョン)」@東京

2019年06月01日 | 劇団四季





神永ジーザスは孤高が
厳しさのときと、静けさのときがある。
運命を受け入れ進んでいるのに、
ときおり普通の青年に戻る。
辛いこの3年、自分で治せ、捕らえられてからも。
仔犬のような瞳。
晩餐も冒頭で瞳が潤んでいるのに、
それを見る人がいない。
ユダも蹲っている。
様々な表情はジーザスの内面の複雑さ。

佐久間ユダは若くて、それゆえ真っ直ぐ。
嫉妬も恋心も滲まないし、
本心を隠して理性での言葉でもない。
ただひたすらジーザスのために、ジーザスを思って。
邪念の無さが痛々しい。
真っ直ぐではあるけど、
田中ユダのような爽やかさはないので、
こういう系もありよね、と思う。
ジーザスの屈折がよくわかるというか。

地獄に落ちてからの問いは、
「言ったとおりだろう」の快哉と、
あとはなんだろう。
ジーザスを救えなかった実感?
忠告しただろう、俺が思ったとおりになっただろう、
と。自分の正しさを証明できた喜びの笑顔なのに、
血の涙を流しているかんじかな。

芝ユダは血を吐き、金森ユダは透明な涙を流す。
佐久間ユダの血の涙はその中間ではなく、全くの別物。
おっさん達のユダは地獄に落ちたときは
余計な気持ちは全部剥ぎ取られて、
最も純な気持ちで彼の名を唱える。(奪衣婆が出張)
佐久間さんは彼の名を唱えているときに、
これからのしかかる後悔を予兆するような?
地獄に落ちて初めて気付くことがあったような?

佐久間ユダについては、
なんだか「こうあって欲しい」妄想の域に行っちゃった気がするので、
来月しっかり確かめます。


本城シモンはアレンジしまくり。
そこも歌うか!
五十嵐ペテロも熱血系かな。
マリアとのハーモニーが美しい。
山本マリアは可愛い、可愛い!
司祭様たちの歌も絶好調。
後生の怨嗟を恐れる村ピラトもいいよー。

阿久津ヘロデは、
役としてのコメディリリーフというより、
役者個人の存在感で振り切ってるかんじ。
睫毛の金色盛りに目が釘付け。
ちょい白塗りのせいか顔の輪郭がちょっとふっくら?
確かに仏像系。

民衆がいまいちかなー。
声ばかりで、エネルギー、熱量が2階席まで届かない。
こんなに小さなハコなのに。
名古屋はもっと広いよ!

市場のウサギは一匹?捌けた。
売れたというより強奪された?


佐久間さんは私の好み基準だと真ん中芝居が少し薄いかな。
話を引っ張る力がまだ足りない。
ただそれゆえ、対ベテランじゃない神永さんが
強く話を引っ張っていて、
それがジーザスの孤独に繋がっているのがまた良いな、とも。

佐久間さんは言うなれば新公主演2回めぐらいだから、
20年以上(ぐらい?)同役の人と比べるのは間違い。なのよ。
歌もまだパンチが、と思うときもあるけど、
それもキヨミチ比もあるし。


神永さん本人も痩せてきてることもあり、
「眠ろう 今夜だけは」のジーザスはすごく疲れているから、
睡眠薬を仕込みたいよねー、なんなら金曜日朝まで起きないぐらいの、
と、馬鹿な話を友人とする。
ロレンス神父がベラドンナから作った薬なら
爽やかな目覚めみたいよ!
(ジーザスが無事金曜日も朝まで寝てたら
 ロレンスは神父になれないけどさ。
 なに?タイムパラドックス的な?)

芝ジーザスに対し「あの人が可愛い」と歌ったマリアには
「落ち着け!」って思ったよなあ、、、


名古屋に行くぞーーーーっっ!
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「恋におちたシェイクスピア」

2018年08月18日 | 劇団四季




なんだか、ウィルとマーロウがラブラブだった。
芸術家の魂の分かち合いか。

幕間で聴こえてきた会話からすると、
お隣男女三人組も後ろの女性たちも、
ウィルとヴァイオラの話が
ロミジュリに重なっていることがわからないみたいだった。
ロミジュリってそんなにマイナーな話なのか。
そのまっさらな心がいっそ羨ましい。

久々に阿久津さんを堪能したし、
神永さんは訛りの無い台詞まわしのイケメンだし、
芸達者な人ばかりで舞台クオリティは高いけど、
あの名作映画を敢えてストプレで、
そして四季で、は、さっぱりわからなかった。
なぜいま?


自由劇場周辺は工事中。



良い悪いとかじゃないんですが。

星組アナザでは落語好きっぽい人が、
生田くん言の葉ではシェイクスピア好きっぽい人が、
など、宝塚では芝居主題好きな人を見かけるけど、
今日の自由劇場ではそういう如何にもな人は見かけなかったな。
既存(翻訳)作品だからかなあ。
常連のヅカファンと、
初めてに近いぐらいの主題ファンとでは
雰囲気が違いすぎて判別しやすいのもあるんだろうけどね。
(そして、新作が傑作とは限らない)

にしても。
ロミジュリ知らんのはな。
WSSはどうやって見てたんだろう。
終演後も「歌わない、家族向きじゃない」とか
「四季=ファミリーミュージカル」の
固定観念からの感想が聴こえてきた。
四季の広報戦略微妙とも思うし
だからこその大金をかけて
こうして翻訳ストプレなのか。

フランス戯曲のときは
一気にマニア臭になるよね。


【配役】
ウィリアム・シェイクスピア(ウィル):上川一哉
ヴァイオラ・ド・レセップス:山本紗衣
クリストファー・マーロウ(キット):田邊真也
バーベッジ:阿久津陽一郎
ウェセックス:飯村和也
ヘンズロウ:神保幸由
フェニマン:志村 要
エリザベス女王:中野今日子
ティルニー:味方隆司
乳母:増山美保
ネッド・アレン:神永東吾
ウェブスター:平田了祐

【男性アンサンブル】
川口雄二
荒井 孝
鈴木 周
菱山亮祐
小林清孝
小松貴行
佐藤幸治
南 圭一朗

【女性アンサンブル】
長橋礼佳
原口明子
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「ソング&ダンス 65」@大阪

2018年06月23日 | 劇団四季




前回見たのは昨年10月28日。

キヨミチは相変わらずダンスじゃないのときの動きがねちっこい。
独特の間。
昨年よりキヨミチの動きだった。

9割はソンダン公演の芝清道なんだけど、
「エビータ」の時だけはチェだった。
迷彩を着てなくてもヒゲが無くても、チェ。
「話そうか、では」で、
続けてくれてもいいんだよー!

あー、もーもー、もーーっ!
芝チェが見たいよーーっ!

出演者
【男性】
瀧山久志
島村幸大
芝 清道
岩崎晋也
笠松哲朗
二橋 純
松島勇気
櫻木数馬
分部惇平
佐々木玲旺
河津修一

【女性】
三平果歩
江畑晶慧
久保佳那子
多田毬奈
相原 萌
金 友美
坂本すみれ
伊藤瑛里子
原田麦子
宮澤聖礼
相馬杏奈
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2018年「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム・バージョン)」@大阪千秋楽

2018年02月25日 | 劇団四季




キヨミチは昨日の方が声が出てたね。
「アンナス私の友よ」が、
しっかり出るかがいろんな指標。

スーパースター衣装のズボンのベルト上、
上着のベルト下、の、
ほんの少しのスペースのキヨミチの腹は白かったよね。
あそこまでは塗らないのかな。


熱量は昨日の方があったけど、
今日は無言の会話がビシビシ来てた。

神永さんは、ゲッセマネ後半は目が潤んでいたよね。
泣くかと思った。
それぐらい、晩餐の後半からは、
死ぬのが怖い、普通の男だった。

キヨミチも、晩餐の「私は理解ができない」は、
ほぼ泣いていたよね。
自分の気持ちが、伝わらない。

ジーザスが捕らえられ、
「自分のことを・・・」で、
ユダは「違うと言ってくれ、そう言えば命は助かる」と思っている。
けど、ジーザスは言わない。断言もしない。

とにかく今日は芝ユダの
「お願いだから俺を見てくれ」オーラがすごくて、
神永ジーザスはその視線も意味もしっかりガッツリ受け取っているのに、
ユダにコントロールされず、
我が道を行くんだな。
矢来は、いろんな気持ちが込み上げて、矢来を掴んで、離す。
離したときに、全てを振り切る。
そして、終わりが来た、と、告げる。

んで、自分の気持ちが伝わっているのに、
自分の手を離すジーザスを見ることしかできないユダなのであった。

そうよ、晩餐の冒頭で、躊躇しながら腕を伸ばすのに、
視線を逸らされて絶望して地に伏せ嘆くけど、
その姿を、切なそう、なんて
単純な言葉ではとうてい言い表せない表情で、
彼はずっとあなたを見ているんだよ!

「あなたは私を利用された」で、
ユダは指を指していたね。
利用した者が明確に存在している。
神がいるということ、自分を利用したということは、
神の子もまたいる、というよね。
やったぞユダ、も、さよならユダも、神の声なんだ。

ジーザスが捕らえられ、群衆たちが質問責めにし、
徐々に去って行くところ、
賀山司祭が冷静に見ていた。
彼の冷静さも怖いけど、
彼も移り気な群衆を怖いと思ったのでは。
(役としてお着替えがあるのはあの司祭だけなんだよねー。
 他の方はバイトだから。)


大阪公演の千秋楽なので、
これが宝塚ならご挨拶があるのにな、と、
ヅカ的挨拶キヨミチ版を妄想。

無事大阪公演千秋楽迎えることができました。
これも皆様の熱い拍手と声援のおかげと
心より感謝申し上げます。
ツアーはまだ続きますが、
最後の公演まで精一杯精進してまいります。
この次はぜひ、
と来て、
あー、本拠地が無いわー、と。


今日のカテコは、舞台奥に一人去り、から、
舞台奥から登場、みんなを呼ぶ、で、
「復活」だったね。


しみさくはまだ見てないけど、
いまのかみしば系より、もっとこう、
我が兄弟マイブラザー系なんだろうか。
アラゴルンとボロミア系の。
想像ーっ!

そうだ、「たった一度のくちづけ」だけど、
キヨミチは唇がジーザスの頬に触れるかんじで、
でも手はジーザスの身体に触れ彼のぬくもりを確かめている。
佐久間さんは文字通りのくちづけで
ジーザスの頬にブチューって行ってたよね。
私の記憶が確かなら。


今日のように、どう視線を投げるか、
どう視線を受け止めるか、も、
主題をあらわすための重要な要素なんだから、
「脚本に書かれた台詞を正確に発音できれば芝居は成り立つ」
という某演出家の言葉は寝言としか思えないよね!
あの時の新ユダは、ある意味犠牲者だよね。
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2018年「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム・バージョン)」@大阪

2018年02月24日 | 劇団四季
今日はとても素晴らしかった!
芝居が噛み合っていた。
新しい組み合わせの緊張感も良いけど、
慣れた相手同士から滲み出るエモーショナルな空気がなんとも切ない。

キヨミチは今日は声が出ていた!
高音で裏返っても、苦しみの表現になっていた。

ユダは最初から絶望してた。
「知る者はお前・・・」でマリアを見るジーザスに、
「俺の方がわかっているのに!」の
嫉妬混じりの情念メラメラ。

「今宵安らかに」で手を伸ばすユダ。
それを見ながら顔を背けるジーザス。
晩餐ではにじり寄ったあと、
手を伸ばし切ってから、諦めるユダ。
その間にジーザスも少し歩みよったような。
バランスを崩しただけかもしれないけど。
ジーザスが去った後のユダはなにかを決意したような顔だった。
あそこで裏切りを決めたんだろうな。

最後は神に利用されたことを明確に知り、
自殺穴では吸い込まれるのに少し抗っていた。

「スーパースター」は、まだ、問いかけている。
スンラさんは地獄の底で、ここにはいない人の名を
(その人は天国にいるので、もう2度と逢えない人の名を)
恍惚とした表情で唱えていた。
キヨミチは地獄の底で正気を取り戻したかのように、問う。
あなたは誰か、と。

今日は十字架に掛ける前に、
民衆を煽る時に、
叫んでいたよね。
「ウオーッ!」みたいに。珍しい。

嫉妬と理性のバランスがいいよね。
どちらかに寄りすぎない。から、壊れる。

右腕の参謀だったユダ、
壊れていくユダ、
壊れ切っているユダ、
今日はどれとも違うかんじ。
なんといえばいいのかなあ。

今日の神永さんは、
前半は奇跡をおこした余韻がある顔。
だんだん人間に戻る。
神は、彼が人間だからこそ
試練を与えたんだな、ひどいな。
ゲッセマネのロングトーンも、
人間としての苦しみの問い。
命の限りがある人間が死を受け入れる。

前半の神輿はアルカイックスマイルなのに、
後半の神輿は普通の青年の、
生身の人間の顔だったなあ。

神から人間に戻って、
みんなへの愛情も取り戻して、
だからこそユダとペテロの裏切りが辛くて。
達観できていない、
なのに、その弱い部分を誰も見ていない。
ユダでさえも。
ジーザスは一人で死んで行くんだよー!
マリアはなんとなく、察知したかんじ?
香油の件だけじゃなく。

ゲッセマネ後に矢来がカッカッと来たとき、
ジーザスは掴んでいたよね。
松戸で見た時のような泣きそうな顔では無かったけど、
今日も、ひとりの人間としての辛さを感じたな。
そういった意味でユダは正しいんだよね。
「ただの男」。
だから愛したんだよ、あなた!

谷原さんのひたむきでまっすぐな若さもいいけど、
山本さんの修羅場をくぐり抜けた感も深くていいね。
かみしばに合う。

阿部ヘロデは一皮むけてた!
ちゃんとコメディリリーフになっていた。

山田さんのカウント30台の発音がかなり良くなっていた。
頑張ったんだろうな。

本城さんはちょっと発音があやしいところもあるけど
(慣れると崩れるかんじ)、
ローマをっ!とかの盛り上げがあるから気にならない。

使徒もしっかり見たいけど、
ごめんね、キヨミチしか見えないの。
全体を見ようか一瞬考えたけど、
キヨミチを見るために来たんだし。

カテコで。
三人順番に挨拶のときにキヨミチは
腰で引くようなガッツポーズが出てたね。
今日はやり切った感が自分でもあるのかな。
千秋楽のひとつ前が一番熱いよね。

神永さんも一人捌けの〆で、
頂点で右手のこぶしを振り上げ去りました。
明日が大阪楽だけど、
もしかしてかみしばが大阪で最後だったりするのかなあ。

カテコの円、円を崩すあたりで
高井さんがバランスを崩していたよね。

ウサギと鳥と魚は売れ残り率が高い。
たまに強奪される。
かさばるからそのあとの展開が難しいという
現実的な理由が主だと思うけど。
ウサたん、、、。


終演後に劇場を出たら、
「初めて見たのが金森さんで」という声が聞こえて。
そうか、四季でのスンラ名義はその前かー、とか思ったり。
金森名義も11年前からかー。
「金森さんは筋肉質で、」って話も聞こえてきた。
キヨミチが筋肉質じゃないってこと?
スンラさんの腹を見ていない?
などなど思う。
(東バの)木村ジェームスも11年前なんだな。
木村ジェームスの日に五反田駅の公衆電話から
前予でチケットを取ったんだ。
キャスボ騒動の頃だから、キヨミチに張るのも大変だった。
あの電話のあと、あそこまで金森ユダにハマるとは、
思わなかったよ、、、


冒頭で群衆が三角形になるところ、
苦しむユダに胸が苦しくなりつつ、
今期のキヨミチの脇はモジャじゃないな、
とかチェックするよね。
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2018年「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム・バージョン)」@大宮

2018年02月16日 | 劇団四季


キヨミチの歌は、松戸>大宮>千葉。
昨日の方が声は出ていたな。
「アンナス私の友よ」とか歌の入りの高音はヤバかったし、
極力喉を使わない歌い方。
それでも滲み出る苦渋は、辛く、ウハウハ。
スーパースターはノリノリ。
声も無理なく出てた。
ここを歌うために他をセーブしているのか、と思うぐらい。


清水さんは今日の方が表情があったな。
カテコもにこやか。
最後は一人で舞台奥に捌ける神〆でした。
なんか手応えがあったかな。
「こんなに犠牲を払ったのに」から「死のう」までが
もう少しクリアになるといいな。
「してきたことが『無駄』だったのか」が強すぎて、
現実的な損得で考えてる?と思っちゃう。
もうちょっと精神的というか、
哲学的な部分が強まるといいかな。
私の好みでは。

昨日は群衆に隠れて見えなかったけど、
大森シモンは手を振らないのね。
「手を振るのが見えますか」で、
群衆と全く違うテンポで手を振る本城シモンがツボなので、
大森シモンはどうするか楽しみだったんだけど。


今日は1階最後列。
段差があり舞台がクリアに見えました。
ひさびさに遠目から見たら照明がとても美しくて。
随所が宗教画のようでした。


終演後は友人と語り合い。
みんなキヨミチストで芝ユダスキーだけど、
「今期で最後かも」「後進を育てて欲しい」から、
「このタイミングで若手とWは正解、ありがたい」という結論。
静岡在住の友人がキヨミチを見られればいいな、と願うだけ。

芝ユダは好きだし、芝ユダのために四季会員でいるようなものだし、
もっともっと、ずっとずっと、見ていたいんだけど、
この喉の状態で出続けるのは申し訳ない、とファンだから思います。


清水ジーザスは熱血アクティブとか、
方向はわからないけど、
化けそうな気がする。
なんとなく。
でも神永ジーザスも好き。
特に今期は苦悩がクリアで声も伸びているし。
かみしば、大好き。
しかし、しみしばも楽しい。
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2018年「ジーザス・クライスト=スーパースター(エルサレム・バージョン)」@松戸

2018年02月15日 | 劇団四季


キヨミチは千葉ソワレより声が出ていた!
危なそうなところはさっさと切り上げてたので、
「厳しい!」と思うところはあまりなかった。

清水ジーザスとはまだ距離があるぶん、
冷静な片腕の大人の部分が際立ち、
壊れるより、絶望に飲まれるかんじかな。

「ありがとうマリア」の少し前で、
うずくまったまま顔だけジーザスに向ける。
「知る者はお前」でジーザスがマリアを見て微笑んだとき
立ち上がり歩み出す。
嫉妬より、「止めねば」の気持ち?

「今宵安らかに」では
ジーザスに向かって手を伸ばしていた。
晩餐の冒頭では手を伸ばしかけたけど、途中で止めた。
自分にはもうその資格が無いのがわかっているから。
ジーザスと遠いユダは、
二人の関係性の部分では寂しいけど、
ユダ単体で見るぶんにはキュンキュンだ。
うひひ。

清水ジーザス相手だと、
芝ユダは冷静な部分が長持ちするので、
正気を残したまま自殺穴に吸い込まれて行く。
ジーザス役との芝居が噛み合うと、
言い換えれば、馴れ合うと
狂気の度合いが強まるなら、
新旧ジーザスがいる今回は
2パターンのユダが見られるんだからお得だね。

馴れ合うというか、情が通じ合うというか。
変な意味じゃなくて。
じゃないか、それを含めてか。

カテコの三角形の出だしは蹴りまで出てたし、
ラストもこぶしを振り上げていたので、
今日は自分でも満足できたのかな。

カテコで神が一人で出るとき、
上手から出かかって引っ込んでた。


清水さんは、出た瞬間は武士というか落武者というか。
歌声はパワフル。
表情はまだ薄い。
金田さんも神永さんも登板当初は表情が薄かったな。
二期目で表情が出てきて三期目で慈愛が滲み出る。
(金田さんは慈愛前に抜けたけど)
清水さんも場数を踏めば変わるかな。

こうして見るとジーザスはタイトルロールなのに、
他とがっつり芝居をすることが殆どない役なんだな。
ユダとの晩餐ぐらい?
それさえも深く絡まなくても成立する。
無表情の一人語りでも作品として成立する。
どれだけ他と関わるかは役者次第とは、難しい役だね。

清水さんはまだ芝居を動かせないし、
感情を歌に乗せ切れていないけど、
変化を見守りたいとは思う。
現段階では神永ジーザスの方が好みではあるけど、
新キャストはワクワクするよね。

しみさくは同世代の若者同士のガチンコ勝負になれば面白いけど、
青春しすぎて爽やかになってしまう可能性もある?

‏清水さんが誰かに似てるかわからない。
角度によっては六代目染五郎、あるいは欠端光則。
いずれにせよ顔の輪郭は丸い。

谷原マリアの口紅は橙色系で、
すごく生々しい女を感じた。
そりゃ、ユダが危険と思うわな。
こういうマリアの愛がアガペーなのも、いいね。

大森シモンは上げ下げアレンジはない基本形。
体は細いけどパワフル。

3度もペテロは、で、
皆からの視線に対し、
ペテロは違う!って叫んでいたね。

高井さん、村さんは盤石。

真田さんかな、口づけのあとユダが捌けたとき、
最下手の司祭がずっと袖の奥を見ていた。
走り去るユダの距離がわかった。

北澤ヘロデのぱんつは金色ではなかった。
ベージュっぽいか、タイツの色なのか。
ぱんつ無しのタイツだけ?

今日も市場のウサギは売れなかった。
モフモフなのに。
いつか売れるのかな。


【配役】
ジーザス・クライスト 清水大星
イスカリオテのユダ 芝 清道
マグダラのマリア 谷原志音
カヤパ(大司教) 高井 治
アンナス(カヤパの義父) 阿部よしつぐ
司祭1 佐藤圭一
司祭2 賀山祐介
司祭3 真田 司
シモン(使徒) 大森瑞樹
ペテロ(使徒) 五十嵐 春
ピラト(ローマの総督) 村 俊英
ヘロデ王 北澤裕輔


【男性アンサンブル】
渡久山 慶
小野功司
南 圭一朗
ビョンヒサン
白倉一成
宇龍真吾
中村 伝
安斎恵太
杉本 崇
清水誠哉
大萬昇太
山下泰明

【女性アンサンブル】
光川 愛
原口明子
小島光葉
花田菜美子
小島由夏
林 香純
矢野侑子
森川温子
加藤久美子
生形理菜
若松小百合
小松真美
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