きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジャンゴ 繋がれざる者」

2013年03月09日 | 映画
奴隷制度が残るアメリカで。
元歯医者・現賞金稼ぎのシュルツは
高額の賞金を得るために
標的の顔知るジャンゴを奴隷商人から買い取り
「自由人」とした。

ジャンゴには妻ブルームヒルダがいたが
2人で逃亡したため
離ればなれにされ
いまはどこにいるかわからない。
妻の捜索を条件に
ジャンゴはシュルツに協力する。

シュルツは標的を倒し、
2人は賞金を稼ぎながら
ブルームヒルダの後を追う。
彼女は南部の富豪ムッシュ・キャンディの元にいることが判明する。
奴隷女を買い取りたい、と直接交渉しても
断られたらそれで終わり。
シュルツとジャンゴは、ある計画を考える。


タランティーノ作品はあんまり見ないんだけど
びっくりするぐらい面白かった!
娯楽で、映画マニア向けで、社会派で、、、
とにかくいろんな要素が詰まっているけど
全部を知らなくても充分楽しめる。
165分が長く感じられない。
中だるみする部分もない。
これで終わり、かと思っても、
話は2転3転4転・・・、とにかく転がる。
伏線とその回収の仕方など
構成がとてもしっかりしている。

当時の黒人の地位、
例えば馬に乗ることが許されない、とか
今から見ると理不尽に思えることも
さりげなく上手く出している。

悪辣に見えるムッシュ・キャンディが
(ごく一部の)黒人の知性を認めているのが面白い。
単純に「善良な黒人vs悪の白人」ではないのが良いね。

ジャンゴの妻(黒人)が
北欧神話の女神と同じ名前というのもニヤリ。

ジャンゴの相棒となるシュルツはドイツ系で
アメリカ独特の奴隷制度には違和感がある。
公正とは微妙に違うのが
なんとも良いバランス。
息子の目の前で賞金首を殺すなど
彼なりの正義はあるけど、
ついに我慢できなくなって迎える状況は
なんともいえない。
そこでそうなるか、でも納得、みたいな。
わざとらしい慇懃な言葉遣いも
外国人だから、だという設定なんだろうけど
クリストフ・ヴァルツ演ずるシュルツに
実に深い味わいを与えている。
立派な紳士に見えるのに胡散臭い。

ジャンゴも旅で成長する。
その過程も見応えあり。


ララの退場が、笑えたというかなんというか。


血飛沫が舞い、肉片は飛ぶなど
アクション場面は豪快で派手だけど、
室内のライティングとかは、とても繊細。
画面構成も良かったなー。


これぞ映画!という一品でした。
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2 コメント

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ナイス ジャンゴ (iina)
2013-03-14 12:11:52
とにかく、面白かったです。

ジャンジャン殺しまくるので、ジャンゴ。 ^/^
3部構成のようなストーリー展開で、3時間近い映画も中たるみせずに楽しめました。
返信する
ジャンゴ! (きんちゃん)
2013-03-21 18:44:04
構成に無駄が無いのに
計算が感じられないのが凄いですね。
監督の、映画への愛情もたっぷり感じられて
楽しい3時間でした!
返信する

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