きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジーザス・クライスト=スーパースター」[ジャポネスク・バージョン](2023年)

2023年06月27日 | 劇団四季


超久しぶりのJCSジャポ、
真っ先に思うのは、
 もっと上演しよう、
 上演数を増やそう、
 動きに慣れよう、
 摺り足ができるようにしよう!
でした。
動きが身体に入り切っていない人が多いよ。
駆け込み寺を読む前に日舞のレッスンを増やして!

芝居自体は、私はわりと好み。
苦い盃を飲まねばならないと
1人で覚悟を決めつつある静かなジーザス、
「俺が一番彼を理解しているんだ、理解している俺を見てくれ」
と熱望するユダの温度差が、いいよね!
2人とも、とっても面倒くさい!
噛み合わなさが堪らない。

群衆はジーザスを見ていない。
熱狂は前半までで、後半は興味を失うを通り越して
無関心に近い印象。
「血を見たい、彼の血が」ではなく、
「ただ見たい、誰の血でも」みたいな。
動きも小さくまとまりすぎて、変顔も抑えめ。
演出を変えたのか、できていないのか、の判別はつかず。

白塗りの顔、抑えた動作から滲み出る情念は薄い。
この限られた状態だから表現できることがある、にしても、
そもそも「様式美」の様式の型ができていないので、
なにをしても薄くなっている部分があると思う。

大森さんのヘロデはかなり健闘。
子門真人みたいな髪、と思う私の印象は正しいはず。
もう少し振り切れると思うけど、
誰の真似でもなく、
「だからだめだわ。この王は」の説得力。
ただ、竹を回すのはね、、、。
本職の動きを見ちゃってるとね、、、。
ごめん、、、。

司祭達は安定していた。
飯田さんの低音の美しさよ!
きっちり出ていて、聞きやすい。

江畑さんのマリアの位置が不明だなあ。
ソロがある役、以上の役割が見えない。
神永ジーザスはすでに憩いがいらないステージではあるけれど、
もう少し、なんか2人に欲しいかなあ。
ちょいと、おかん寄りになってる?

キヨミチの喉が厳しいユダの後だから、
佐久間さんの歌声は不安がないのは良いね。
ただ、たまに音程が怪しくなるときがある?かな?
そんなことを吹き飛ばすパワーはある。

ジーザスを見下ろすユダ、という図が堪らんなあ。
彼の荊棘の冠がジーザスに渡るのは、
過去一でエモい。ひゅー!
ゴンドラが揺れすぎだよ!
「そうだな、あなたは俺を見ていなかったな」
と吹っ切れたかのように歌うのに、
視線はやっぱりジーザスにのみに向けられているんだなあ。
地獄に落ちても、まだ彼のことを考え続ける。
面倒くさいファン!

あっという間に、籠が高速撤収されるのもツボ。


続投組の本城さんが!
途中で「ジーザァーースッ!」って入れるアレンジ!
どこまでアレンジが進むのか!
楽しいぞ!

民衆はおとなしめだけど。

神永ジーザスは、誰にも理解されない状況に慣れすぎて達観の境地。
他人を気遣わないとも違う。
自分の言葉が通じない、のに、
ユダをはじめ、なにかしら求め続けられ、疲れている。
孤高ではなく、孤独。
それが神の試練。
その延長でユダと噛み合わないので、
話としては納得の流れ。
(「噛み合っていない関係」の芝居が噛み合っている、ということです)

晩餐のところで泣き苦しんでいるユダを見るジーザスは、
優しさも軽蔑もなく、表情自体は「無」に近いんだけど、
ユダをずっと見ている。
せっかくスターさんが目線をくれているのに気づかないファンみたいな。
顔を上げれば求めているものが見えるのに、気づかない。
切ない!

佐久間さん、若いからお肌がツルツルねー。


【配役】
ジーザス・クライスト:神永 東吾
イスカリオテのユダ:佐久間 仁
マグダラのマリア:江畑 晶慧
カヤパ(大司教):飯田 洋輔
アンナス(カヤパの義父):日浦 眞矩
司祭1:佐藤 圭一
司祭2:内海 雅智
司祭3:真田 司
シモン(使徒):本城 裕二
ペテロ(使徒):辻 雄飛
ピラト(ローマの総督):山田 充人
ヘロデ王:大森 瑞樹

【男性アンサンブル】
森 健心
安東 翼
大萬 昇太
木谷 光
劉 昌明
佐藤 幸治
平田 郁夫
鈴木 智之
横井 漱
長尾 哲平
葵野 貴元
鈴木 貴雅
平山 祥

【女性アンサンブル】
加藤 あゆ美
坂井 菜穂
菩提 行
小島 由夏
廣本 則子
辻 茜
小松 真美
濵嶋 紗穂里
立花 梨奈
森下 薫

【大八車】
磯江 拓也
香取 直矢
柴田 鴻洋
田野井 大登
西村 一輝
橋岡 未浪
別當 大地
眞柄 成寿
緑川 諒人
渡部 斗希也
コメント
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