きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「上野水香オン・ステージ」川口公演/東京バレエ団

2023年06月16日 | バレエ・ダンス


― 第1部 ―
「シャブリエ・ダンス」
振付:ローラン・プティ  音楽:エマニュエル・シャブリエ
上野水香、厚地康雄
政本絵美、ブラウリオ・アルバレス

プティらしい動きたくさん。
水香ちゃんの脚からエスプリの効いた言葉が流れてくるよう。
振付家本人から指導された強みがある。
厚地さんは水香ちゃんほどプティではないけど、
立って支える、なにげない佇まいから端正。
水香ちゃんは日本人では大柄な方だと思うけど、
ふわっと揺るぎないサポートが自然かつ美しく、
動きがあまりなくても目を惹く存在感。
政本さんは長身で手足が長いのでキャスティングは大納得!
ありがとうございます!
ブラウリオにもう少し華があればなあ。


「ロミオとジュリエット」よりパ・ド・ドゥ
振付:モーリス・ベジャール  音楽:エクトル・ベルリオーズ
足立真里亜、大塚 卓
他 東京バレエ団

ベジャール版ロミジュリ、
ふたりとも踊り込んでいるのでベジャール言語が流暢。
ベジャール作品はアクの強さも必要で、
いまの2人にはそれがある。

戦う男性陣はオペラグラスを出す時間がなかったので、
誰が出てるかわからず。


「黒い瞳」
振付:ブラウリオ・アルバレス  音楽:ロシア歌曲
上野水香、ブラウリオ・アルバレス

「黒い瞳」は、まあ、予想どおりなかんじかな。
ここでも思う、羽山先生に、、、

― 第2部 ―
「海賊」より パ・ド・トロワ
振付:マリウス・プティパ  音楽:リッカルド・ドリゴ
沖 香菜子、秋元康臣、池本祥真

第2部はゴリゴリ古典。
海賊のトロワは、
うーん、ガラならもっとド派手にして欲しかったかな。
沖さんはあんまり調子は良くなさそう。
1stヴァリから精彩に欠け、回転がブレてた。
どの回転も決まらない。
32回転は、最初はダブル入り。
しかし回り切れず途中で切り上げ。
まさかの手拍子がさらに悪い作用になったかなあ。
秋元さんは端正な部分が裏目に。
池本さんも前半は、もっとできるのに、感。
後半は良かった。


「タリスマン」より パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパ  音楽:リッカルド・ドリゴ
秋山 瑛、宮川新大

ガラらしい鮮やかな踊り。
秋山さんは難しいことを、
「難しいけどサラッとできます、うふふ」みたいなあざとさも
ほんのりしっかりあって、
そうそう、これですよ!とウハウハ。
宮川さんはサポートに入るとソロよりおとなしくなりがちで、
それは男性ダンサーの役割で、
そういう生真面目さが魅力の一つではあるけど、
今日は違いました。
秋山さんがパワフルなので、
宮川さんがソロと同じぐらい弾けても大丈夫!
最初から最後まで熱量のある踊りでした。
やったー!
でも荒くならないのがさすが。


「眠れる森の美女」より グラン・パ・ド・ドゥ
振付:マリウス・プティパに基づく  音楽:ピョートル・チャイコフスキー
上野水香、厚地康雄

超コテコテ古典の眠り。
やっぱり水香ちゃんは格が違うなあ、としみじみ。
キラキラしてる。
厚地さんも超ノーブルな王子様。
アダージオの片手抱えの最初がバランスを崩しかけたけど、
後を引くことなくスムーズに流れました。

― 第3部 ―
「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール  音楽:モーリス・ラヴェル
上野水香
樋口祐輝、大塚 卓、生方隆之介、岡﨑 司
他 東京バレエ団

赤い血が沸る戦士が周囲を奮い立たせているイメージ。
今日の水香ちゃんは最初から戦闘的!
いいぞ!
だんだん会場内の温度も上がった!

カテコはスタオベが何回か。
リズム4人がすごく嬉しそうだった。

カテコでの水香ちゃん、観客の大きな熱い拍手に対し、
小さく投げキスや、胸の前で手でハートマークを作ったりで応えていました。
可愛かった!
オケピがないので、水香ちゃんの前に人が集中。
全ツならではの光景でした。

水香ちゃんにはあって、他のダンサーにはないもの、は、
才能とか身体とかもあるけど、
特に「自分がカンパニーを率いている」という気概かなあ。
水香ちゃんはもうゲストなんだから、
次の代の誰かがそれを持ってくれないと。

プラテルだったかなあ、
ちょい前のパリオペのエトワールが、
「私たちにはカンパニーを率いる責任があります。」的なことを言っていて。
大スターが1人で負うのではないのだから、
東バも水香ちゃん以外で誰か、、、


ここしばらく聞かなかった客席内の咳を久々に聞いた。
ボレロ序盤は静かだから目立つとはいえ各階各サイドから満遍なくなかんじ。
子供や若い人の咳が多い印象。
流行ってているんだね、諸々。

「タリスマン」、最初に見たのはニーナの公演かな。
テレホワが踊っていた。
ファニー・ガラでルグリが踊っていたような、、、。
都ちゃんとムハメドフでも見たな。

「ギエムのボレロを見た」の時代感が、
「プリセツカヤのオディールを見た」に近くなっている気がする。

~上演時間~
第1部   19:00~19:35
休憩     15分
第2部   19:50~20:30
休憩     15分
第3部   20:45~21:05
コメント
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