きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「LAC~白鳥の湖」モナコ公国モンテカルロ・バレエ団

2015年02月28日 | バレエ・ダンス
プログラムを読んでもいまいちわからないんだけど、
父に男らしくあれ!と育てられた王子は、
子供時代は女の子よりママンが大事で、
大人になってそれなりに女性と付き合う。
誘惑的なこともあるけど、初恋の子が忘れられないよー、
ってかんじかな。

ロットバルトにあたる夜の女王は
「魔力を持ったシンデレラの継母」と考えるとわかりやすい。
娘のどちらかを王子に嫁がせたいけど、
王子の初恋の女性は。夜の女王が奴隷として攫ってきた娘だった。

通常の白鳥達は夜の女王の手下。

王子の気持ちを知った夜の女王は
魔力で自分の娘の一人と白鳥を入れ替える。
王子はまんまと騙され
夜の女王の計画が成就するかにみえたが、バレる。
勝ち誇る夜の女王の元に娘の遺骸が届けらる。
怒った夜の女王により白鳥は殺され、王子も死ね。

もし昔、白鳥が攫われなかったらこの悲劇は無かったか?

と、私は読みました。

黒鳥の遺骸を見たときは驚いたけど、
国の威信にかけて、王と王妃は騙したことが許せなかったんだなあ、
と、すごく納得した。

黒鳥を絞め殺したのは王妃だけど、
遺骸を持って来たのは夫妻で、
明らかに上から目線だったので、
貴族による「当然の報い」のように思いました。
分をわきまえぬ野心は不幸の元なのかもね。

王子が愛を誓うところはマイムではなく
ベッドイン。
その辺りはやっぱりおフランスだなあ、と。
4幕で女王の手下にいじめられる白鳥も
その手の暗示なんだろうなあ。

男性版の白鳥は全く合わなかったけど
今回はすごく面白かったのは
古典の改変がダメなのではなく
単純に振付が好みかどうかなのかも。

マイヨーの振付は
アクロバティックだからということではないけど、
すごく爽快。
でもちゃんとバレエの範囲内なのが良いわ、好きだわ。

美術の色合いもすごく素敵。
白がとても印象的。

特に飛び抜けて印象深いダンサーはいなかったけど
全てのダンサーが適材適所なイメージ。

開演前にプレトークあり。
ベルニスがいなくても大丈夫、
観客に拍手の義務を課すことなく話を進める、
人間が動物と違うのは手があること、
手は背中から繋がる動き、
世界は女性中心などなど。
三浦さんのインタビューが上手く
マイヨーがどんどん話に乗ってくるのがわかった。
マイヨーは実にエネルギッシュだった。


後ろの席のご年配夫婦が日本人ダンサーの知り合いのようで、
出て来るたびに「ほら、左端!」とか言い合っていました。
小声だけど微笑ましいけど、ちょっとうるさかった。
集中力が多少欠けても楽しめる作品で良かった。


【配役等】
王:アルヴァロ・プリート
王妃:ミー・デン
夜の女王:モード・サボラン
王子:ステファン・ボルゴン
白鳥:アニヤ・ベーレント
黒鳥:エイプリル・バール
王子の友人(相談役):アシエル・エデソ
闇の大天使:クリスティアン・ツヴァルジャンスキー、エディス・エルグク

[欺くものたち]
虚栄心の強い女:リイサ・ハマライネン
偽りの無関心を装う女:ノエラニ・パンタスティコ
放埓な女たち:アンハラ・バルステロス、アンヌ=ラウラ・セイラン
貪欲な女:ガエル・リウ

狩人たち:
ルーカス・スリーフット、レアルト・デュラク、コーエン・ハヴェニス、ジュリアン・ゲラン、
アレクシス・オリヴェイラ、ジョルジュ・オリヴェイラ、
ダニエレ・デルヴェッキオ、エドガル・カスティロ、ステファノ・デ・アンジェリス

その友人たち:
シヴァン・ブリツォワ、クイン・ペンドルトン、フランチェスカ・ドルチ、
アレッサンドラ・トノローニ、田島香緒理

キマイラたち(白鳥):
シヴァン・ブリツォワ、サラ・クラーク、ティファニー・パチェコ、エレーナ・マルザーノ、
フランセス・マーフィ、アレッサンドラ・トノローニ、クイン・ペンドルトン、ガエル・リウ、
リイサ・ハマライネン、アンヌ=ラウラ・セイラン、田島香緒理、ベアトリス・ウァルテ、
アンナ・ブラックウェル

宮廷:
アンヌ=ラウラ・セイラン、ガエル・リウ、アンナ・ブラックウェル、フランチェスカ・ドルチ、
フランセス・マーフィ、アンハラ・バルステロス、シヴァン・ブリツォワ、
リイサ・ハマライネン、ベアトリス・ウァルテ

ジョルジュ・オリヴェイラ、アレクシス・オリヴェイラ、ルーカス・スリーフット、
ステファノ・デ・アンジェリス、ジュリアン・ゲラン、エドガル・カスティロ、
ダニエレ・デルヴェッキオ、コーエン・ハヴェニス、レアルト・デュラク


◆上演時間◆
第1幕 18:30〜19:20
休憩 20分
第2幕 (転換) 第3幕、第4幕 19:40〜20:30
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「ジゼル」林ゆりえ&吉瀬智弘/スターダンサーズ・バレエ団

2015年02月28日 | バレエ・ダンス
開演前に小山さんによるプレトークあり。
簡単な粗筋紹介とマイム解説。
小山さんの美しいマイムが見られてラッキー。
しかし、ここではピーター・ライト版の一幕ラストは
「ジゼルの自殺」だとのことでしたが、
実際には普通にショックのあまり心臓が耐えられずに見えました。

ヒラリオンが止める直前に
すでにジゼルは自分の身体を傷つけていたとか?
ペーパーナイフで刺されたシシィが
ちょっと歩いたかんじみたいな?

渋い茶系のファーマーの美術と
重箱の隅を磨き上げるような理詰めの芝居運びを観ると、
「ピーター・ライトだなあ」としみじみする。

林さんは純朴なジゼルで、
吉瀬さんは先のことなど考えられない若い坊ちゃん。
全体的な芝居の噛み合い方は良いけど、
もうちょい華やかさが欲しいな。

記憶にある音と振付と若干違うので
違和感が拭えなかった。
都ちゃん客演の時はそれほど思わなかったんだけどな。
バレエだから踊りが全てとは思うけど、
もう少し訴求力がある方が好みだな。
横内さんって元東バだよね?
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「アメリカン・スナイパー」

2015年02月28日 | 映画
作品的なキレは「グラントリノ」には及ばないけど、
「彼」をこういうふうに描ける視点、
というか映画人のセンスは
やっぱりすごいと思う。

あの世界こそリアルなんだよな。

4回目のとき街に人が戻っていたけど、
でも今でも続いているんだよなあ。

最後の砂嵐は、混沌とする世界と
それでも、そこから脱出可能な未来を暗示しているのかな。
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