きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「白鳥の湖」&「ボレロ」 /東京バレエ団

2014年08月07日 | バレエ・ダンス
バレエ上演前にダンス評論家の上野房子氏より
25分ほどのレクチャーあり。
バレエを見たことがない人のための解説だと思うのですが
わかりやすく簡単に、は難しいですね。
誰に(子供か大人か)向けても定まらないので
上野氏が悪いわけじゃないけど
もうひと作品上演する方が良かったんじゃないかなあ。

「白鳥の湖」第2幕より
振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ 
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

オデット:渡辺理恵
ジークフリート王子:森川茉央

四羽の白鳥: 村上美香-吉川留衣-岸本夏未-河合眞里
三羽の白鳥: 矢島まい-川島麻実子-小川ふみ


コジョカルの時に比べると、すごく良かった!
普段バレエを見ない人たちにバレエの良さを知ってもらう、
というなんとも言えない緊張感もあり、
実に引き込まれる舞台でした。

グラン・アダージオからなので
鳥キック連打のような変則群舞がないのも良かった。
とても厳粛で美しかったです。

渡辺さんは細部まで神経が行き届いたとても丁寧な踊り。
オデットの演技も確立されている。
彼女の白鳥全幕が見たいなあ。
オディールはどんなかんじになるんだろう。
主役がルーティンになったら磨耗しちゃうのかしら。
そんなことはないのかしら。
いろいろ考えます。

森川くんは予想以上にノーブルだった。
渡辺さんとの頭身のバランスも良い。
何点かひやっとするところもあったけど持ち堪えました。
よく頑張った!
演技も的確なんだけど、
とてもくっきりしたアクセントがいちいちあるので、
晴雄くんを思い出したよ。
そっち方面とは思わなかったくので意外。
でも良し。


「ボレロ」
振付:モーリス・ベジャール 
音楽:モーリス・ラヴェル

上野水香
柄本弾、杉山優一、永田雄大、岸本秀雄


普段はなんやかんや言っちゃうけど、
渡辺さんを見た後だと、水香ちゃんの存在感は圧倒的だった。
戦えば連戦連敗とはいえ、
世界レベルのダンサーに戦いを挑める人は、
やっぱり違うんだなあ、と実感。
ベジャールの作品力の強さも感動した。
会場中が引き込まれていた。

水香ちゃん、序盤はシンプルで無表情。
彼女らしさを削げ落として振付を忠実に再現の方向かと思ったけど、
それにしては雰囲気が雄弁。
なんだか、大いなる意思、というか、
宇宙と交信しているようにも見えた。
男子が参加するあたりから一気にパワーアップ。
男子からエネルギーを捧げられ、
どんどん存在感が増して行く。
表情、仕草もどんどん「女」になっていく。
地球人のエネルギーを吸い取るエイリアンのようでもあるし、
田舎から出てきた冴えない小娘が
キャリアウーマンとして華やかに成功する物語にも見えた。
すごくワクワクするパワフルなボレロだった。

リズムがメロディより年下(格下)だと
いい具合にスターと親衛隊だった。
腰を振る振付も全くエロくないのが
かえっていいかもね。
コメント
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