きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ホテルマジェスティック ~戦場カメラマン澤田教一 その人生と愛~」

2013年03月16日 | 紫吹淳(リカちゃん)
タイトルとか、開幕前のTV特番を見てイメージしていたより
話の起伏があまりなく、
夫婦愛なのか反戦なのかカメラマンとしての野心の話なのか、
最後まで焦点がぼけたままだった。
テレビの2時間特番ならこれでもいいんだろうけど、
舞台作品としては微妙。

とにかく人の動かし方が下手。
澤田さんのどの部分を書きたいか定まってないのに、
ここで親米と反米の人を入れて、
コメディ要素も入れて、と、
計算が目立つけど、中身の吟味は無し。
最後は澤田さんの長い独白だな、
と思ったらその通りで、ちょっとげんなり。
もっと芝居の中に盛り込んで欲しかったなあ。

澤田さんが
写真を撮るのはなぜか
戦場に居続けるのはなぜか
などが、
もっと深く描かれるかと思ったけど
それほどでもないしー。


舞台美術や転換は上手いんだけどなー。
それだけに脚本の不味さがとても惜しい。


玉木くんは顔が超小さい。
声の通りも良く、舞台上での動きも自然。
不慣れな役者さんだと前のめりになってしまうけど
彼は終始身のこなしが良く動作も綺麗だった。

長い台詞を津軽弁で噛むことなく淀みなく喋っていて、
すごく感動した。
客席降りもあって、
とても近くを通ってくれた。
すげー格好良かった!!!!
それだけに、これが初舞台なのがすごく残念。
「澤田教一を演じた」というのは肩書き的には見栄えはするけど、
蜷川のシェイクスピアの方が合いそうだなあ。
もったいないなー。


酒井美紀も自然な津軽弁で
舞台芝居も上手かった。
別所さんはベテランらしく全体を締めていた。
徳山くんは永遠の若人ねー。
秋山さんの芝居の間もよかったよ。


リカちゃんは沖縄出身で反米で反戦で。
そういう思想の人を入れたいのはわかるんだけどねー。
あんなんで帰って行くと
「だから女はダメ」ってかんじでー。
私は不満だなー。
カメラマンとして2流程度だったから撤退する、
の方がよっぽど良いわ。
記号論的な役どころをかなり膨らませて
その辺はすごいなー、と思うけどね。
いらないっちゃ、いらない役だよね。


ほんと、脚本がなー。
どこを書きたいか、もっと踏み込んでくれたらなー。
惜しいな-。
コメント (4)
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