西へ行ってきました!
芝居は「美女と野獣」。
四季で上演しているのはディズニー版です。
宝塚版は、ボーモン夫人の小説版を下敷きにしているので
ディズニー版とは、若干登場人物が違います。
あるところに、王国がありました。
王と王妃は仲むつまじく、
王子が一人おりました。
王子はバラを育てるのが好きでした。
その中に息づく命を愛でておりました。
しかし、王妃の妹君が現れ、王を誘惑します。
堕落した王は、王妃を追い出し、
妹君と再婚し、こちらにも王子(弟)が生まれます。
先の王妃、実は心清き仙女でした。
妹君も仙女で魔力を持っていました。
妹君は、長男の王子を支持する家臣達をあざ笑い、
彼らを獣に替えてしまいました。
しかし、姉君(先の王妃)は
それ対し、
王子を真に愛する娘が現れれば
呪いは解ける、と魔法をかけます。
(西洋の魔法・呪いは、そのものを否定できないようです。
そのため、新たに別の魔法をかけるみたいです。
「眠れる森の美女」もそうですよね」
月日はたち・・・
王は亡くなり、妹君の息子が王位に就きました。
王は街で美人と評判のベルに求婚します。
ベルは、「いきなり言われてもー」と断ります。
王様は「それは拒否ではなく、待っていてくれってことだね」
と言って、あっさり引き下がります。
ベルの父は裕福な商人でしたが
商売で失敗して、貧乏になりました。
起死回生の商品を受け取りに港に行きますが
いろいろあって、それもパー。
疲れ果てた父は帰り道、雨の中、迷ってしまいます。
入り込んだのは豪華なお屋敷。
誰もいないようなのでぐっすり寝込みます。
目覚めてみたらビックリ。
清潔な寝間着に着替えているわ
着ていた服は洗濯して乾いているわ
食堂にはご馳走あるわ。
すべて美味しくいただいて
屋敷を去ろうとします。
そこで娘達から頼まれたお土産のことを思い出します。
ベルには姉が二人おり、
彼女たちからはネックレスやらなにやら
金目の物をねだられていました。
が、商売がうまくいかなかったため買えませんでした。
末娘のベルの願いは「バラ一輪」。
それなら庭に咲いているぜ!
と手折って、持って帰ろうとします。
すると・・・
書いてきて飽きたので粗筋はここまで。
えーと。
ディズニー版より上演時間が短いのに
えらく長く感じられます。
芝居の殆どの部分が、
ナレーション風味の歌で説明されます。
くどいです。
飽きてきます。
お伽話を宝塚化したかったのは
じゅうぶんわかるのですが、
説明が長い割りには、
肝心なところが描き込まれていません。
「人間も、いや人間こそ、野獣より野獣」
みたいな主張が織り込まれているのですが
芝居の中には、それは殆どありません。
だって、王様だって、平民の娘に求婚して
いちど断られたら引き下がるんだよ。
そのまま連れて帰るようなことはしないんだよ。
どこが暴君?
妹君の誘惑だって、
そんなにひどいもんじゃないし。
先代がバカなだけ。
野獣から人間に戻った王子は
「自分は長男だから王様になる」
って宣言。
どうなのよ、いきなり、それは。
なのに、現王の家臣はそれに従う。
現王のダメ振りが描かれていないので
あまりにも唐突すぎる。
野獣ちゃんは、外見は恐いけど、
中身は「バラを愛でる王子」なので気弱です。
それが、ベルを思う気持ちは切なかった。
でも、それだけなんだよなー。
しかも。
キムシンなので。
出演者に対し、役が少なすぎる。
悲しい。
私のお気に入りのマギーちゃんや、あちょうは
見分けがつく役だった。
でも、野獣の家臣は、いちおう役名はあるけれど
舞台上ではあまり区別が付かない。
あっち側に入ったら辛かっただろうなあ。
あちょうは、台詞も、ワンフレーズだけど歌のソロもあった。
良かった。
リュウ様はステキで、あーちゃんも気品がある仙女。
まさおの悪役風味は似合っている。
まさおは台詞も歌も多い。大変だ。喉をお大事に。
マギーちゃんの女役は、普通に綺麗だった。
東京公演は姪っ子達を誘うかと思ったけど
大井町の方がいいよなー。
ショーは、うーんと、
草野先生だけど、アフリカはない。そんだけ。
オープニングは昭和チック。
娘役もパンツスタイルで踊りまくる。
いいかな、と思っていたら
突然「タカラヅカ賛歌」が始まり、ビビる。
その後も、場面的には悪くないけど
一場面が長くて飽きてくる。
ショーは客席降りあり。
知らなかったので、
髪もとかさず化粧もせず座っていたよ。
通路側だったので、生徒さんが間近に来ちゃった!
ああ、私を見ないで~~!!
楽しかったけど。
「ギネス」の場面の無駄なハイテンションは好き。
キリヤン演ずる「夢追い人」の夢は毎回アドリブのようで
昼は「甲子園のスタンドで応援団長になること」
夜は「なまけものより、なまけること」
でした。
きりまりは合ってる。
まさおはソツなく。
みりおの、踊れていないくせに
「踊れてるぜ!」のドヤ顔は、けっこう好きだ。
あちょうの見分けがついてきた。