きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「マラーホフの贈り物2008 Bプロ」

2008年02月22日 | バレエ・ダンス
―第1部―
「牧神の午後」
ポリーナ・セミオノワ  ウラジーミル・マラーホフ

ジェローム・ロビンズ振付の方。
ダンサー達の練習風景。
客席を鏡に見立てている。
マラーホフの視線の先が、マラーホフ自身なのがわかる。
マラーホフとポリーナが、客席に顔向けているのに
二人の視線が鏡の中で合っているのがわかる。
マラーホフのナルシスティックな部分が
実に作品にマッチしている。
素晴らしい!
鏡の中で視線が合ったときの官能的なのに、
現実に触れ合いキスしたときはそうではない。
実に不思議だ。素敵だ。

「グラン・パ・クラシック」
ヤーナ・サレンコ  ズデネク・コンヴァリーナ

サレンコは技術があるんだけどなー。
華は無いな。少なくとも今は。
もっと内面から滲み出るものがなきゃなあ。
コンヴァリーナは、最初のジャンプは爽快だったけど
あとは失速気味。
こちらもまだなにかが足りない。

「ハムレット」
マリーヤ・アレクサンドロワ  セルゲイ・フィーリン

エイフマン振付の「ロシアン・ハムレット」。
女帝エカテリーナとその息子の話らしい。
二人の苦悩と葛藤が伝わってきた。
ドラマティックだった。
フィーリンがスターブーツだったYO!

「白鳥の湖」より"黒鳥のパ・ド・ドゥ"
イリーナ・ドヴォロヴェンコ  マクシム・ベロツェルコフスキー

う~ん。。。。。。
ドヴォロヴェンコが忙しない。
もっと落ち着いて、ゆったり踊ってほしいんだけどなあ。
回転の軸がブレブレ。
バリエーションの最後で躓きかけたのを持ち直した、
その強気さはいいと思うけど。
音楽を掴んでいないなあ。
マクシムは端正ではあるけど印象が薄い。


―第2部―
「バレエ・インペリアル」
ポリーナ・セミオノワ  ウラジーミル・マラーホフ
田中結子 中島周、横内国弘 ほか東京バレエ団

木村さんが出ても寝たんだから、
こちらも当然、時々睡魔降臨。
でも、こういう雰囲気の作品で「佇むマラーホフ」は
やっぱり絶品なのだった。
ジャンプもあった。音がしない柔らかいジャンプだった。
さすがなのだ。
マラーホフを基準とすると、ポリーナが荒い。
芸術性が違いすぎるというか、
方向性が違うというか。
フォーゲル君の時は気にならない部分が
マラーホフと一緒だとすごく目に付く。
(日本での)売り出し時にはペアを組む必要があったんだろうけど
もう組まなくてもいいんじゃないかな。
ポリーナからは音楽を感じられなかった。
この作品に関しては水香ちゃんの方が断然いいなあ。
東バは・・・前よりは良かったような。
ポリーナが合わない分、東バの「白い」部分が際立っていた。


―第3部―
「シンデレラ」
マリーヤ・アレクサンドロワ  セルゲイ・フィーリン

短い場面だったけど、
幸福な二人の踊りだった。
この二人だと、たんなる踊り、たんなる動きじゃなくて
ちゃんと芝居になるんだなあ。

「アポロ」
イリーナ・ドヴォロヴェンコ  マクシム・ベロツェルコフスキー

今回のメンバーの中に入っちゃうと
ドヴォロヴェンコのスタイルはイマイチ。
なんか、前にもそんなことを思ったような。
手は長いんだけど、首が長くないのかな。
白のレオタードがあんまり似合っていない。
その割りには、強烈な存在感があって。
なんだかー。
アポロとテレプシコーラというよりは、
ヘラとゼウスみたいだわ。
マクシムは、一人で踊っているときは音楽的なんだけど
妻と一緒だと、とたんに影が薄くなる。
前からその傾向はあったんだけど
この作品では特に強く感じた。
顔立ちがちょいとすずみんに似ている?

「ドン・キホーテ」
ヤーナ・サレンコ  ズデネク・コンヴァリーナ

サレンコは、バランスはいいんだけどね。
それ以外はないから、
バランスを長くキープしても
「だからなんだーーー!」と思っちゃうわ。
将来が楽しみ、であっても、
いま、ここで、っていうのはツライね。
コンヴァリーナはコーダが良かった。
これくらい振り切って踊ってくれればなあ。
アメリカ大陸のダンサーは、芸術面ではなく、
より高く、より多く回るの方に進みがち。
コレーラ君のように、
リミッターを振り切るような踊りまで到達すれば
見ていて楽しんだけどねえ。
(コレーラ君はそのあと芸術面を深めた。希有なパターンだよね)
もうちょっと、なんだよな。
なにかが、もうちょっと足りないんだ。

「ラ・ヴィータ・ヌォーヴァ」
ウラジーミル・マラーホフ

Aプロ初日で見たときより、深い作品になっていた。
表面的な動きではなく、心の奥から動いているみたいだ。
綺麗な動き。
身体もうまくコントロールできているようだ。
良かった良かった。
踊り込んでいけば、さらに見応えのある作品になるだろうね。


カーテンコール。
中央で、袖から出てくるダンサーを向かえるマラーホフ。
ポリーナは一人で登場だったので
マラーホフが向かえに・・・・
滑った!!!
のではなく、傅いて手を差し伸べてのお出迎えポーズだった。
普段なら笑えるけど、今日は「膝、膝!!」の心配の方が大きい。
そのあとは、各組ずつ前に出てご挨拶。
最後にみんなから「前に出て」と促されるマラーホフ。
「ボクが?」って仕草で可愛かった。
それから、お決まりの「しーゆーあげいん」と紙テープ。
紙テープを身体に巻き付けるアレクサンドロワ。
お茶目だわ。
何回目かの幕が開いたとき、フィーリンが子供を抱いていた。
可愛い子だった。


全体的な感想は、、、
アレクサンドロワのさらなる成長に感動した。
マラーホフは、まあ、治って良かったな、と。
コメント
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