きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!」

2012年12月23日 | 映画
「ユース・アメリカ・グランプリ」に
出場するダンサー(の卵)達を追ったドキュメンタリー。

日本には「ダンサー」という「職業」が
極めて少ないためだとしても、
海外のダンサーの卵たちの犠牲の払い方には唸るばかり。
「お稽古」の延長である日本では
「ダンサーになって家族を養う」というのは
理解しにくいことだよね。
もちろん、そういう環境しかない(市場が無い)苦労も
ものすごくあると思うし、
家族を養えるほどの職場として
存在しているか、いないかの違いもあると思うけど。
それにしても、コンクールで入賞しないと
一家の収入が変わる、というプレッシャーは
とても辛いだろうなあ。

でも、たまたま映像に出た彼らと
同じぐらいのことをしている子も多いだろうし、
有名カンパニーには
彼らレベルは掃いて捨てるほどいるんだろうなあ。

私は東京で世界中の一流ダンサーを見て
「好みじゃないな~」とか
いろいろ適当に思うけど
彼等のような人が集まったカンパニーの、
上澄み部分を選り好みできるって
ほんと、恵まれているんだよなー。


いちおうドキュメンタリーだけど、
ラストのハッピーエンド感はアメリカらしいし、
「弟くん」の存在が、
キツい話一辺倒にならないスパイスになっていて
後味がとても良かった。

なんとなく、のイメージだけど
ローザンヌは「学校」に入るためのコンクールで、
こちらは「就職」のためのコンクールなのかな。

それにしてもデニス・ガニオが素敵すぎる。
出るとは知らなかったので
あまりのかっこよさにクラクラした。
たまらん!
それにしても彼の教え子が、
彼が初演を踊った「こうもり」でエントリーって
反則じゃないのかー!
それだけで加算されるよね。
しかし、この教え子のアラン・ベルはまだ10歳だけど
デニス・ガニオが「一生に1人か2人しか出会えない才能の持ち主」、と言い
その1人は息子の「20歳でエトワールになった」マチューなんだから
いかに高く評価しているかがわかるよね。
日本だと小学生の彼が身体を訓練し
「筋肉痛になると嬉しい」というのが
なんとも、末恐ろしい。
この年齢にして高すぎる職業意識。
あと10年後ぐらいに、私達も見ることになるんだろうなあ。
経歴には「ガニオに見いだされ」とか
「ガニオに師事」って書かれるんだろうな。

コロンビアのジョアンは、来年の日本ツアーで来るかな。
シエラレオネの子には頑張って欲しいけど
実際に彼女が白鳥を踊るとしたら
見るかどうかわからないだろうなあ。
申し訳ないけど。
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