きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「パープル・バタフライ」

2005年11月29日 | 映画
チャン・ツィイーの出演作、ってことで
内容はろくに知らない状態で行ってきたんですが。
 
お話は1931年。
かつて満州で恋人同士だった伊丹(仲村トオル)と
シンシア(チャン・ツィイー)は上海で再会する。
満州時代、通訳で外交官志望の伊丹と
学生(?)だったシンシア。
しかし、伊丹が帰国した後、
地下新聞を発行していた兄が殺されたのをきっかけに
シンシアは抗日組織「パープル・バタフライ」に入り、
暗殺・破壊行動をなどをするようになっていた。
伊丹が陸軍特務機関所属となり、
抗日組織を取りしまる仕事をするために
上海に来たのを知り、シンシアは偶然の再会を装い、
伊丹に近づく・・・。
 
いや、もう、大期待はずれ。
なんか、もう、ふた昔前ぐらいの
「スタイリッシュ」を真面目に目指しているような映画でした。
陳腐と割り切ってつくるとか、
陳腐さが似合う俳優を使うのなら、
もっと面白くなるのでしょうが、
これはダメ。
本心からこれをカッコイイと思っているフシがある。
私にはついていけないよ。
 
極力台詞を排していたのですが、
人間関係が少々複雑なので
とっても説明不足になっています。
「リベリオン」のように、
おおまかなあら筋はみんな知っているから~
って内容なら、
役者の演技に寄りかかるのもOKですが、
時代背景に説明がいる映画なんですから
この台詞量じゃ全然伝わらないでしょう。
いや、もしかしたら、現地の人には
当然の知識なのかもしれないですよ。
でも、外国で公開するつもりなら
もっと考えるべきじゃないかなあ。
 
んで。
「スタイリッシュ」を目指しているんだろうなあ
とは思うんだけど、
全然その効果を上げていないのが
タバコを吸う場面。
タバコを取り出す、タバコをくわえる、マッチを擦る、
タバコに火を付ける、煙を吐き出す。
この一連の動作が、いったい何回出てきたことか。
また吸うのかよ~~、それをやるなら
説明台詞の一つでも吐けよ~~、と言いたくなりました。
この動作がね、本当に吸うだけなのよ。
尊大さを表すとか、そんなのなにもなし。
意味づけ無し。
でも延々と繰り返されて、イライラします。
 
演出も弱い。
台詞の代わりに役者の演技で・・・
って狙いはわからなくもないけど、
実際に役者から引き出せる表情・表現が
ワンパターンなのよ。
チャン・ツィイーの泣き顔で話を埋めるのは
もう、ウンザリ、ってカンジです。
 
現在と過去がいったりきたりするので
話がわかりづらいんですが、
それを助長しているのが「街」です。
20年代の満州と、
30年代の上海が
殆ど同じ町並みです。
どちらも灰色です。
上海はもっと華やかだと思うんだけどなあ。
チャン・ツィイーの髪型・洋服だけで
過去か現在かを見分けるのはシンドイです。

見分けづらいと言えば、役者もです。
チャン・ツィイー、中村トオル、
巻き込まれた不幸なカップルは
見分けられますが、
「パープル・バタフライ」のメンバーが
区別が付きにくいです。
どれかがシンシアの現在の恋人なのですが
パッと見、わかりにくい上に
台詞が少ないので、
いまシンシアが喋っている相手が誰なんだか
かなり、かなり、かなり、わかりづらいです。
 
チャン・ツィイーは可愛かったんだけどね。
特に、満州時代のおさげ髪が。
ただ、それに1800円はツライ。
内容でかなりのマイナスでした。
 
映画館を出てから気が付いたのですが、
伊丹が所属していたのって
もしかして、54号?
南京路に花吹雪(ナンキン・ロードに花吹雪) 全4巻 森川久美/作
そう思って見たら、もっと楽しめたかな~~。
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