素晴らしい舞台でした。
ムッサンのジゼル。
1幕は、か弱い女性。
神経は細く繊細。
身体も繊細。
恋の喜びはあるのに、
どこか不安げな表情が不吉。
時々、心が、「ここじゃないところ」へ行っている。
すでに、ウィリ達に誘われていたのか。
アルブレヒトの裏切りは、
徐々に彼女の心を蝕み、
そして、壊れる。
繊細なガラス細工が砕け散ったようでした。
2幕はまさに「幽玄」。
オペラグラスで顔を見ると無表情に近いのに
オペラグラス無しで見ると
(*今日も3階B席だよーん)
身体は実に雄弁。
アルブレヒトへの愛が伝わってきました。
踊りは、全般的に、美しいフォルム。
ベテランの「円熟味」というより
「底力」って思いました。
まあ、でも、ムッサンはもともとが
「ジゼル」のイメージだから。
「期待以上に」とは思っても
イメージ通りではあったんだけど。
ペッシュのアルブレヒトが想像できなかったんで
どうなるもんかドキドキでしたよ!
アルブレヒトは、出だしは尊大。
上から目線。
貴族というより、支配階級だね。
気付よ、村人達。
なんだかねー、女関係については
前科10犯ぐらいありそう。
絶対、お屋敷の小間使いに手を出していたって!!
最初は、それと同じだと思ったんだろうなあ。
そんな彼が、ときどきマジ顔になるのが
かえって切ない、っていうか。
根っからの遊び人にも
真心があったんだねえ。
だから、ベルタがウィリの説明をしているときあたりから
徐々に自分が間違ったことをしていると
感じだしているようだった。
たぶん、そんな罪悪感は初めてだったんだろうなあ、って。
よく「ジゼルによって真実の愛を云々」
って言われるけれど
こういう流れで到達することもあるんだなあ。
新鮮。
2幕は後悔から始まり・・・で、
演技としては王道。
でも、ペッシュはある意味「生臭い」人なので
ムッサンの「ジゼル」とは
二人並ぶだけで、お互い相容れない別世界の人、
って雰囲気になる。
なんだかね。
ムッサンは浄化されつつあるのに
すでに8割ぐらいは天国に行きかけているのに
「アルブレヒトへの愛」のためだけに
アルブレヒトを守るだけに、
一部、現世に留まっているみたい。
ふらふらとジゼルの墓に来なければ
ジセルはさっさと成仏できたのでは、
と、チラッと思った。
まあ、それはともかく。
この人のジークフリートも見てみたいと思った。
アルブレヒトより、もっと濃厚に役を作り込めるからさ。
案外、古典の主役が似合うんだなあ、
ってのが最終結論。
踊りは・・・あれが彼の基本なのか、
膝を痛めているかなのかは、よくわからんです。
いつも以上に支離滅裂だけど
雰囲気を汲み取っていただければ・・・
ニコラ・ポールのヒラリオンは、
特に印象に残らず。
典型的な役作り。
コゼットのミルタは、
それなりに迫力はあるんだけど
ジローを見ちゃうと物足りないかも。
ペザントは、パリエロとカルボネ。
パリエロの踊りが柔らかい、と思うのはユレル比だからか。
カルボネの顔が小さいと思うのはペッシュ比だからか。
カルボネは「シンデレラ」のプロデューサーとは
うってかわって爽やかな笑顔だった。
ヤン・サイズの公爵様は髭無し。
バチルドのパパには見えないなあ。
公爵(当主)だけど、バチルドの弟、
アルブレヒトとも友人、でもいいか、このさい。
・姉ちゃんを頼むよ ← アルブレヒトに
・あいつは女好きだけど根はいいヤツなんだ ← バチルドに
と、橋渡しする弟。
ジゼルとの身分差があればOKだよね。
この版では、ジゼルは公爵の落とし胤って裏設定があるようだけど
ヤン・サイズだと年齢差がないから
先代の・・・ってカンジになるね。
今回の来日公演は、両演目とも充実していたわー。
前回は、コゼットとベランガールだったし・・・
2幕の冒頭、ゲネプロで墓堀人夫と思った人達は
配役表によると「さいころ遊びをする人たち」。
なに?クラップ?
ジョーイに千ドルを払えなくてガレージを借りられなかった?
ネイサンはゲーブル風マチューだね。
【配役】
ジゼル:デルフィーヌ・ムッサン
アルブレヒト:バンジャマン・ペッシュ
ヒラリオン:ニコラ・ポール
ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ
ベルタ、ジゼルの母:ヴィヴィアン・デクチュール
クールランド大公:ヤン・サイズ
バチルド姫:ベアトリス・マルテル
ペザント・パ・ド・ドゥ:リュドミラ・パリエロ、アレッシオ・カルボネ
ミルタ:エミリー・コゼット
ドゥ・ウィリ:マチルド・フルステー、シャリーヌ・ジザンダネ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル
ムッサンのジゼル。
1幕は、か弱い女性。
神経は細く繊細。
身体も繊細。
恋の喜びはあるのに、
どこか不安げな表情が不吉。
時々、心が、「ここじゃないところ」へ行っている。
すでに、ウィリ達に誘われていたのか。
アルブレヒトの裏切りは、
徐々に彼女の心を蝕み、
そして、壊れる。
繊細なガラス細工が砕け散ったようでした。
2幕はまさに「幽玄」。
オペラグラスで顔を見ると無表情に近いのに
オペラグラス無しで見ると
(*今日も3階B席だよーん)
身体は実に雄弁。
アルブレヒトへの愛が伝わってきました。
踊りは、全般的に、美しいフォルム。
ベテランの「円熟味」というより
「底力」って思いました。
まあ、でも、ムッサンはもともとが
「ジゼル」のイメージだから。
「期待以上に」とは思っても
イメージ通りではあったんだけど。
ペッシュのアルブレヒトが想像できなかったんで
どうなるもんかドキドキでしたよ!
アルブレヒトは、出だしは尊大。
上から目線。
貴族というより、支配階級だね。
気付よ、村人達。
なんだかねー、女関係については
前科10犯ぐらいありそう。
絶対、お屋敷の小間使いに手を出していたって!!
最初は、それと同じだと思ったんだろうなあ。
そんな彼が、ときどきマジ顔になるのが
かえって切ない、っていうか。
根っからの遊び人にも
真心があったんだねえ。
だから、ベルタがウィリの説明をしているときあたりから
徐々に自分が間違ったことをしていると
感じだしているようだった。
たぶん、そんな罪悪感は初めてだったんだろうなあ、って。
よく「ジゼルによって真実の愛を云々」
って言われるけれど
こういう流れで到達することもあるんだなあ。
新鮮。
2幕は後悔から始まり・・・で、
演技としては王道。
でも、ペッシュはある意味「生臭い」人なので
ムッサンの「ジゼル」とは
二人並ぶだけで、お互い相容れない別世界の人、
って雰囲気になる。
なんだかね。
ムッサンは浄化されつつあるのに
すでに8割ぐらいは天国に行きかけているのに
「アルブレヒトへの愛」のためだけに
アルブレヒトを守るだけに、
一部、現世に留まっているみたい。
ふらふらとジゼルの墓に来なければ
ジセルはさっさと成仏できたのでは、
と、チラッと思った。
まあ、それはともかく。
この人のジークフリートも見てみたいと思った。
アルブレヒトより、もっと濃厚に役を作り込めるからさ。
案外、古典の主役が似合うんだなあ、
ってのが最終結論。
踊りは・・・あれが彼の基本なのか、
膝を痛めているかなのかは、よくわからんです。
いつも以上に支離滅裂だけど
雰囲気を汲み取っていただければ・・・
ニコラ・ポールのヒラリオンは、
特に印象に残らず。
典型的な役作り。
コゼットのミルタは、
それなりに迫力はあるんだけど
ジローを見ちゃうと物足りないかも。
ペザントは、パリエロとカルボネ。
パリエロの踊りが柔らかい、と思うのはユレル比だからか。
カルボネの顔が小さいと思うのはペッシュ比だからか。
カルボネは「シンデレラ」のプロデューサーとは
うってかわって爽やかな笑顔だった。
ヤン・サイズの公爵様は髭無し。
バチルドのパパには見えないなあ。
公爵(当主)だけど、バチルドの弟、
アルブレヒトとも友人、でもいいか、このさい。
・姉ちゃんを頼むよ ← アルブレヒトに
・あいつは女好きだけど根はいいヤツなんだ ← バチルドに
と、橋渡しする弟。
ジゼルとの身分差があればOKだよね。
この版では、ジゼルは公爵の落とし胤って裏設定があるようだけど
ヤン・サイズだと年齢差がないから
先代の・・・ってカンジになるね。
今回の来日公演は、両演目とも充実していたわー。
前回は、コゼットとベランガールだったし・・・
2幕の冒頭、ゲネプロで墓堀人夫と思った人達は
配役表によると「さいころ遊びをする人たち」。
なに?クラップ?
ジョーイに千ドルを払えなくてガレージを借りられなかった?
ネイサンはゲーブル風マチューだね。
【配役】
ジゼル:デルフィーヌ・ムッサン
アルブレヒト:バンジャマン・ペッシュ
ヒラリオン:ニコラ・ポール
ウィルフリード:ジャン=クリストフ・ゲリ
ベルタ、ジゼルの母:ヴィヴィアン・デクチュール
クールランド大公:ヤン・サイズ
バチルド姫:ベアトリス・マルテル
ペザント・パ・ド・ドゥ:リュドミラ・パリエロ、アレッシオ・カルボネ
ミルタ:エミリー・コゼット
ドゥ・ウィリ:マチルド・フルステー、シャリーヌ・ジザンダネ
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:コーエン・ケッセル