きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ロミオとジュリエット」アナニアシヴィリ&ウヴァーロフ/グルジア国立バレエ団

2010年03月14日 | バレエ・ダンス
ロレンス神父がアホなんだよなー、
と思うことは、しばしばあった。
でも、今日は、その先を思った。
ロレンス神父が間違っている。
結婚式をあげたのも間違い。
そのあとジュリエットが来たときには、
まず彼女に、ロミオのことはあきらめろ、
というべきじゃなかったのかな。
せめて、あやしげな薬を渡すなら
(というか、こんな薬を持っていること自体・・・)
墓地の前でロミオを張るぐらいのことはすべきだろう。
ロレンス神父の策略がなければ
二人は死ぬことは無かったんじゃないのか。

と、思うくらい。
こんなに生命力に溢れた少女が
死ぬなんて間違っている!!と感じた舞台でした。
もっとなにか、方法はなかったのか。
そんなことを考えてしまうくらい、
ニーナのジュリエットは、
舞台の上で「生きて」いました。
まさに青春の盛り。
命がもっとも燃え上がるとき。
そんな「瞬間」を見事に表現していました。
こんな魅力的な「少女」が死んでしまうなんて
もったいない!
悲恋を見た感動より、
なんだか悔しい思いが先立つぐらいです。
ニーナは、熱い血が通った人間の役の方が
似合っているなあ。
踊りも素晴らしかったです。
身体全てを使っていました。
無理なく身体が伸びていました。
「ジゼル」の時は正直、まあ、年齢が年齢だし・・・
と思ったときがありましたが
今日はそんなこと、無し!
感情豊かな「少女」でした。
まだ、踊れるよ!

ウヴァは、アルブレヒトでさえ
「生真面目」な部分が出ていたので
ロミオはどうなるか、と思ったけど
恋に一直線な男でした。
一直線だけど、間抜けさはない、っていうか。
こういう方向の「熱さ」も持っていたんだなあ。
ニーナへのサポートは抜群。
ニーナがのびのびと踊れるのも
彼のサポートがあってのことでしょう。

マキューシュオの岩田さん。
ウヴァやティボルト達との身長差はあるけれど
細かい踊りにキレがありました。
なにより、高いプロ意識が、
舞台を引き締めていたと思います。
死ぬ場面は、こちらも痛くて息苦しかった。

群舞は小芝居多し。
にぎやかな街に合っている。
キッチリ揃えて踊る場面が
「ジゼル」より少なくていいかもね。
2幕冒頭、紺チョッキの人が一人
チョッキを着忘れていたみたい。
後半再登場の時は着ていた。


世界でも上演しているところが少ないラブロフスキー版。
これを見ると、原点、って気もしますし、
クランコ、マクミラン、ついでにロビンスは
うまいこと作ったなあ、とも思いました。
ドラマティックな盛り上がりは
後の版ほど無いかもしれないけれど
それだけに、美しい音楽が雄弁でした。
パリオペの舞台と比較されて奮起したのか
「ジゼル」の時より、オケの演奏は良かったです。

マキューシオを刺すティボルト。
他の版や、映画、ミュージカルでは
うっかり刺してしまって
内心あせりつつちょびっと後悔しつつも
表面では笑っている、
って演技をよく見てきたのですが
(ああ、ビクター・バービーが
 片頬だけあげて笑っている顔がよみがえるわ
 チャキリスの困ったような笑顔がよみがえるわ)
今回のティボルトは、意識してマキューシオを刺し
彼が死んであざ笑っていました。
こういうパターンもあるんだなあ。
そして、パリスは、
本当にジュリエットが好きだったみたい。
ウヴァじゃなけれな
「パリス」にしておけよ!と思っただろうなあ。

美しい舞台でした。


と、同時に。
ニーナのジュリエットも好きだけど。
ロシア版のロミジュリも好きだけど。
私の中で「ロミジュリ」といえば
マクミラン版のフェリ&ボッカが不動なんだなあ、
と、改めて思いました。
ニーナを見てそう思うなら
一生そうなんだろうなあ。


カーテンコールは何回も。
エレーナちゃんも花束渡しに参加。
紙吹雪バーン!もあり。
最後はグルジア国旗を方に羽織って
ニーナが出てきました。
赤十字たくさんなのね。


【配役】
ジュリエット:ニーナ・アナニアシヴィリ
ロミオ:アンドレイ・ウヴァーロフ
ティボルト(キャピュレット卿夫人の甥):ワシル・アフメテリ
マキューシオ(ロミオの友人) :岩田守弘
ヴェローナの太守:パータ・チヒクヴィシヴィリ
キャピュレット卿(ジュリエットの父):ユーリー・ソローキン
キャピュレット卿夫人:ニーノ・オチアウーリ
ジュリエットの乳母:タチヤーナ・バフターゼ
パリス(ジュリエットの婚約者) :ダヴィド・アナネッリ
パリスの小姓:テオーナ・ベドシヴィリ
ローレンス神父:パータ・チヒクヴィシヴィリ
ジュリエットの友人:ラリ・カンデラキ
吟遊詩人/道化:ヤサウイ・メルガリーエフ
モンタギュー卿(ロミオの父):マヌシャール・シハルリーゼ
ベンヴォーリオ(ロミオの友人) :ゲオルギー・ムシヴェニエラーゼ
居酒屋の主人:ニカ・ジャイアニ


振付:レオニード・ラヴロフスキー
振付改訂:ミハイル・ラヴロフスキー
振付改訂補佐:
 ドミートリー・コルネーエフ、イリーナ・イワノワ、アレクセイ・ファジェーチェフ
装置:ダヴィッド・モナヴァルディサシヴィリ
衣裳:ヴャチェスラフ・オークネフ
衣裳デザイン補佐:ナティヤ・シルビラーゼ
照明 ジョン・B・リード
照明デザイン補佐:アミラン・アナネッリ
舞台監督:ニアラ・ゴジアシヴィリ

指揮:ダヴィド・ムケリア
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団
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倒れた大銀杏

2010年03月14日 | その他イロイロ
姪達と母が見に行くというので
デジカメと弟子を託しました。

大銀杏

再生できるといいですね。

これは倒れた方なのかな?

中が空洞???


弟子と鎌倉大仏・・・

弟子を入れるのは難しかったみたい。
このあとは「姪達に抱かれた弟子」の写真でした。


おまけ
在りし日の大銀杏。
まさか倒れるとはなあ・・・
コメント (2)
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