きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「くるみ割り人形」吉田都&フェデリコ・ボネッリ/スターダンサーズ・バレエ団

2006年08月04日 | バレエ・ダンス
 ピーター・ライト版は、クララを大人が踊り、それも1幕・2幕も踊りまくりなのに、なぜだか主演は15分しか踊らない金平糖の精役な、不思議な版。そのクララを踊ったのは林ゆりえさん。可愛らしいし、演技もうまいうえに、踊りもとっても素敵。手足がすーーーーっと伸びて、実に気持ちが良い。すごく踊り慣れているみたいなんだけど、チラシを読み返したら「新星」って書いてあって、とってもビックリ。ものすごく安定していたので、ハマリ役だと思っていましたよ。こういう人もいるから、いろんなバレエ団を見なきゃいけないなーーー、と思う次第です。

 ドロッセルマイヤーの東さんは、怪しげで胡散臭いながらも、大魔法使いの雰囲気もあり、好き好き~~~。近所の優しいおじさんタイプも好きだけど、こちらの方がイメージですわな。クララの母役の人は、赤いドレスが似合っていて、ドレスの裾捌きも良かったです。この版ではフランツ?になるの??かな??いたずらっ子はクララの小さな弟でした。小生意気なガキを子役の子が好演。クララの彼氏は紳士予備軍ってカンジでした。
 ねずみの頭を被り物。対する兵隊さんは、弟がもらったおもちゃの兵隊さんが入っていた箱をそのまま大きくしたセットから出てきました。突然出てきた感が無いのが面白い演出。みなさん軍服が似合っています。
 この辺でくるみ割り人形と王子がチェンジ。ボネッリの登場です。頭が小さいな~~。頼れる王子様です。
 雪の場面。綺麗。衣装も綺麗。フォーメーションも綺麗。紙吹雪がたくさん振ってきて、「テレプシコーラ」を読んでいる人は、ちょっとドキッとしちゃうかも。
 2幕。スペインは赤ろ黒の衣装でカッコイイ。男性はヒゲ有り。アラビアの踊りは妖艶さより神秘性の方が勝っていました。いいなあ。葦笛は女の子だけ。可愛い。中国は男性二人。ジャンプ力とか、均質ではなくバラつきがあったのが残念。ロシアはな~~。「イッツ」の振付に勝る者は殆ど無いんだよなあ。改訂前のマールイ版くらい。真ん中の人がちょっと失敗有り?「花のワルツ」は、ソリストの女性が、あんまり・・・。技術的にも、ちょっと軸がブレるし、童話っぽさや華やかさにも欠け、日本人の女性が頑張って踊ってるなーーってのが見えちゃう。男性陣は背が高くて、亜麻色のロンゲ風のカツラなど、衣装は撮っても似合っているけど、ちょっとバラバラ感。

 と、ここまでも、とっても楽しかったです!しかし、吉田都さんが出てくると、世界が一変。すごいオーラ。輝いているんだけど、強烈な自己主張ではない。まさに、空の太陽。自然に存在し、私たちを照らすのよ。力が入ることなく、でも確かな強さと、柔らかさが、無理なく同時に存在している。脚を上げるのも、ジャンプをするのも、回転するのも、すべてが、息をするのと同じぐらいの、なにげない動きに見えるの。そして、美しく、かつ、可愛い。とっても可愛い。言葉ではとっても言い表せない。チュチュが似合うな~~。本当に金平糖だわ。


 ピーター・ライト版だから渋・派手なくすんだ色のピーター・ファーマーの美術なんだろうなあ、と思っていたら、舞台・美術はジョン・マクファーレンで、これがとっても華やかで、ちょっと嬉しかった。ほら、印象にあるのが、安っぽい背景幕一枚のところだから・・・。1幕は赤を基調とした豪華な室内。ベルベットっぽい布の質感がとってもステキ!弟のいたずらで首と胴体が離れちゃったのが、ドロッセルマイヤーの呪文でくっついたり、仕掛けがたくさん。4階席からだと、本当に魔術だったよーーー。糸とかなのかなあ。2幕は、新国の奥行きを使い切ったセットで感心。入間の4倍くらいある奥行きを使い切ってます。これだけハコにあった美術もそうそうないよ。溜息。
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「トランスアメリカ」

2006年08月04日 | 映画
 西海岸に住む性同一性障害のブリーは、来週に性転換手術を控えている。豊胸(造胸?)手術、ホルモン療法等、さまざまな形で身体を変えてきた彼女にとって、手術は最後の仕上げ。いくつかの仕事を掛け持ちして手術代を貯めてきた彼女にとって待ちわびた瞬間だった。そんな時、かつて一度だけ関係を持った女性が産んだ子供が拘置されているとNYの警察から電話が入る。過去を振り返らず、新しい人生を始めたい彼女は無視したいが、セラピストから「過去と決着をつけろ」と言われ、息子を迎えに行く。複雑な事情を話したくない彼女は、「(青少年を更正させるため)教会から来た」と偽り、息子の家があるケンタッキーまで送ろうとする。

 ブリーを演じているのはフェリシティ・ハフマン。女優さんなんですが、顔つきといい、声といい、「性転換前の男性」にしか見えないのがすごいなあ。。。

 台詞でたくさん説明することはないんだけれど、台詞の端々から、複雑な事情が読みとれます。ブリーの悩みなどなど。重たくなりがちな話だけれど、アメリカの田舎の、のどかな風景が、それを緩和しています。

 「父性」を取り戻したブリーが、息子と「家族」となり、「末永く仲良く暮らしました」なんてオチにはならなかった。それぞれが歩んできた道は重く、他人の存在などでは、劇的には変わらない。みんな、自分の道を、自分の意志で、自分の足で、歩まなければならない。
 それでも、ちょっとだけ、二人の距離が縮まったラスト。こういう落とし方があったか。いい終わり方でした。
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メモ

2006年08月04日 | バレエ・ダンス
某所で仕入れたネタ

フラゴナールの「閂」
http://art.pro.tok2.com/F/Fragonard/frag01.jpg

7月3日は、ニコラ君(とオスタ)の子供の誕生日らしい。
あの作品は、まんま「生まれる」ってネタなのか???


訂正&お詫び
昨日の感想で、那須野さんのことを
那須さんと書いていました。
お詫びして訂正します。
他にも、誤表記や誤字脱字が多々ありますが
気が付いたときにコッソリ直しています。
間違いに気が付いた方もスルーで、よろしく!
 
 
都ちゃんを見てきた感想も書かなきゃ・・・。
良かったよ、すごく。
幸せ・・・。
彼女もバレフェスに出て欲しいねえ。
熊川君と一緒に(笑)
ヴィシニョーワより後に登場か。
大トリになっちゃうね。へへへ。
ありえない妄想爆裂。
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