きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「第11回世界バレエフェスティバル」Aプロ

2006年08月03日 | バレエ・ダンス
開演は「出演者の都合で」10分押し。
佐々木さんが客席から下手側階段を昇って舞台袖に行ったので
なにかトラブル?と思ったけど、無事幕が上がって良かったわ。
終演は22時50分くらい。
(上野駅常磐線のホームに23時前に立てました)
初日でこれだと、楽日は・・・。


【第1部】
「ラ・ファヴォリータ」ルシンダ・ダン&マシュー・ローレンス
オーストラリア建国二百年祭用に作られた作品。
古典作品っぽい作りで、各種技てんこ盛り。
ルシンダ(ダンだと諸星みたいなんで、ここは名前で)はエネルギッシュだけど品があり、
これぞ「オーストラリア・バレエ団」。
ロシア系を見慣れていると、ちょっと丸みがある身体なんだけど
重たく見えることなく、チャーミング、かつ、音楽的。
技も危なげなく決めていました。
ローレンスも野性味とノーブルが混じってイイカンジなんだけど
ジャンプがちょっと小さくまとまりすぎたかな。

「7月3日 新しい日、新しい人生」ニコラ・ル・リッシュ
えーーーと。パンフには説明が殆ど無いんだけど。
ボクはなんで生きてるんだろーーー、とウジウジ悩んだけど
まあ、一歩踏み出してみるか、って話?
ベランガールの振付はわからん。フランス人の考えることはわからん。
思ったよりキテレツな振りではなく、
それなりに動くし、それなりに跳ぶ。
それだけに凡庸。
「3X歳、妻子有り」のニコラ君が、
いまだに「人生に悩む青年」が似合っちゃうのがすごいなーー、
ってのが見所か。
ニコラ君のソロだからといって、プログラム後半に入れたら
盛り下がっただろうな。
この位置が正解。

「白雪姫」 タマラ・ロホ&イナキ・ウルレザーガ
イナキ!
この3年間になにがあったんだ、イナキ!
「踊り」になっているじゃないか!!
前回のバレフェスでは、「踊っているだけ」を通り越して
「何も考えず動いているだけ」の彼が
パートナーを見て「踊って」いるよ。
そりゃ、脚とか、まだ雑な部分があるけれど、
「客に見せる踊り」を踊っている。
うーむ、人間成長するものだ。
まったく期待していなかっただけに
とってもビックリ&感心したよ。
ロホを軽々サポートして、こりゃ彼女もパートナーに指名するわな。
音楽が「眠り」より、もっともっと可愛らしく、
ロホも、その音楽に合っていました。
衣装的には難しいんだろうけど
口紅がもっと赤ければ、まさにスノーホワイトだったわ。
回転部分はひたすら回る。トリプルを何回か入れてました。
4回転も入っていた??

「椿姫より第3幕のパ・ド・ドゥ」ジョエル・ブーローニュ&アレクサンドル・リアブコ
おおっ!本家はこうなのか!
と、ひたすら溜息。
ブーローニュが実にドラマティック!!
リアブコもいいんだけど、ブーローニュに対しては、ちょっと小柄かなあ。。。
セットは無し。
クッションぐらいルグリから借りてあげて!
最後に二人が倒れ込むところ、
ちょうど脱ぎ捨てた黒いドレスの上にリアブコの脚が乗ったようにみえて
すべって転んだかと思って、ちょっとドキドキしたわ。
私の気のせいみたいね。


【第2部】
「ロミオとジュリエットより“バルコニー”」ポリーナ・セミオノワ&フリーデマン・フォーゲル
クランコ版。
むーーーーー、なにかが違う。
若くていいと思うんだけど。
瑞々しさが足りない?迸る情熱が足りない?
なんだろう、私が思っていたのとは違うのだわ。
フェリの印象が強すぎるのか?
二人とも踊りはいいんだけど。。。
敵同士が障害を乗り越えて、ってのが足りない?
普通に幸せそうな、周囲から祝福されそうなカップル。

「エスメラルダ」レティシア・オリヴェイラ&ズデネク・コンヴァリーナ
言葉は悪いけど、「箸休め」。
技を繰り出してくるけど、それだけ、みたいな。

「オネーギンより 第1幕のパ・ド・ドゥ」アリーナ・コジョカル&フィリップ・バランキエヴィッチ
コジョカルが可愛いねえ。
バランキエヴィッチが、もともとの顔の作りのせいなのか
あんまり楽しそうに感じられないのが、ちょっと・・・。
コジョカル・タチヤーナの思う夢のオネーギンはしかめっつらなのか?
コジョカルが小さくて軽そうなんで
バランキエヴィッチが思う存分振り回している。
コジョカルがこれだけ踊れるのなら、ガラでルグリと・・・
と思ったけど、あの場面にしてはコジョカルが子供過ぎるのかなあ。

「ジュエルズより“ダイヤモンド”」アニエス・ルテステュ&ジョゼ・マルティネス
マルティネスとの並びは、やっぱアニエスだね。
絵になるよ。
衣装も、存在感も、キラキラ光っていました。
が。
鬼門なんだよ、この作品のこの部分。
来日公演では殆ど寝たの。
今回も半分ぐらい・・・・・・・・・・。
ごめん・・・。

「白鳥の湖より“黒鳥のパ・ド・ドゥ”」 イリーナ・ドヴォロヴェンコ&ホセ・カレーニョ
いいぞーーー!
ドヴォロヴェンコは華やかさが増したよ!
以前に見た黒鳥は、教本通りで優等生な踊り、だったけど
今日は、艶やかで、王子を誘惑する「黒鳥」だった。
客へのアピールもうまくなったよ!
カレーニョは、前回のバレフェスあたりから
顔から熱くて濃い踊りを期待しちゃいけない
この人の本質は「王子系ノーブル」なんだわさ、と
思い切れるようになったので、
彼の端正な踊りを楽しめるようになりました。
ようやく「お祭り」っぽくなってきました。


【第3部】
「扉は必ず・・・」 オレリー・デュポン&マニュエル・ルグリ
複雑に絡み合う男女。微妙なタイミングですれ違う。
シリアスかと思ったら、途中からコメディ。
二人の息もピッタリ。
キリアンは、「うまい」なあ。
どこがどうとは、うまく言えないんだけど。
なんてことない動きに見えるんだけど複雑で、
その動きを積み重ねると、ちゃんと「作品」になる。
不思議だ。

「眠れる森の美女」 マイヤ・マッカテリ&デヴィッド・マッカテリ
可愛いんだけど。
特にマイヤはお人形のようで可愛いんだけど。
オレリーとルグリの後じゃ分が悪いね。

「コンティニュウム」ルシンダ・ダン&マシュー・ローレンス
よくあるエセ・バランシン。
面白味も新鮮(斬新)さも全くないけど、
ルシンダの存在感で最後まで寝なかった。
いいなあ、彼女。
ローレンスは印象薄し。

「ライモンダ」 ガリーナ・ステパネンコ&アンドレイ・メルクーリエフ
姐さん!
ようやく姐さんを見れたよ!(あえて『ら』抜き)
ああ、姐さん。
やっぱ、脚だね。
この脚の強さこそ、ボリショイなのだ!!
あまりにも見慣れた「ライモンダ」だけど、
それでも、ありがたいよ、拝んじゃうよ。
メルクリエフはマント付き。
最近のウヴァーロフやフィーリンは無かったのに!
嬉しいわ!!
でも、脚に絡まないかと、ちょっとヒヤヒヤ。
姐さんに対しては、もうちょっと背があるといいのか?
まだワガノワ・テイストな踊り。
ボリショイはもっと「ガッッッッ」とか「グワッッ」とか
ガ行の擬音の踊りじゃなきゃな。
ま、アルテム君よりはいいと思うけどね。

「春の声」 アリーナ・コジョカル&ヨハン・コボー
アシュトン振付。コジョカルが軽々と舞い、
コボーの踊りも冴え、キレがある。
けど、
マールイで見た、エフセーエワ&シャドルーヒン(ガルキナ振付)の方が好きだな。


【第4部】
「カルメン」 アレッサンドラ・フェリ&ロバート・テューズリー
幕が上がった瞬間に、会場から溜息が漏れる。
フェリだよ!
フェリのカルメンだよ!
立っているだけで「絵」になる。
カツラは、なんて言うんだっけ?バサバサのショート。ウルフカットだっけ??
(すいません)
かつてのキレ、シャープさは無いけれど、
それでも、世界に二つと無い「フェリのカルメン」。
これを見るのは今日が最後なんだと思うと、涙が・・・。
テューズリーはホセではなく、あくまでもフェリのサポート役。

「TWO」 シルヴィ・ギエム
素晴らしいと思うんだけど。
照明が凝っていると思うんだけど。
作品として成立しているのか?
ギエムの筋肉があるから成立するのか、
この作品によって、ギエムの筋肉が美しく見えるのか。
私には前者としか思えない。
SMAPの曲に合わせて適当に動くだけでも
ギエムであれば、この作品と同じぐらい感動できるのでは?
と、つい思う。

「ベジャールさんとの出会い」ジル・ロマン、那須野圭右、長瀬直義
ベジャールが踊り、ジルも踊った4作品の抜粋&ミックスしたものらしい。
モトネタを知らないと、どう見ていいのかわからない。
那須野さんも長瀬さんも、主に小道具係。
一応、那須野さんが魔法使いで、長瀬さんが学者?
いつもほど難解じゃないけれど、、、、、
モトネタを知っていれば膝を打つのか?

「マノンより“沼地のパ・ド・ドゥ”」 ディアナ・ヴィシニョーワ&ウラジーミル・マラーホフ
顔や衣装を汚しても、マラーホフは王子なのだ。
死にかけに見えても、ヴィショニョーワは生々しく生命力に溢れいているのだ。
(死にかけてるのはマラーホフの方だよ)
ギエムはギエムにしか見えない、と、よく言われるけれど、
この二人の「自分の極め方」もすごいわなあ。
投げて回転のところ、コープやニコラ君やルグリだと
「マノンをぶん投げる」になるけど、
この二人だと、マノンが自ら跳んで回る、
ってカンジだわ。
まあ、いいんじゃないか、この二人はこれで。

「ドン・キホーテ」ヴィエングセイ・ヴァルデス&ロメル・フロメタ
以前の南米系ペアのように、まさに超絶技巧
それを涼しい顔で決めてしまう。
だからといって、見せ物に走るわけではなく
充分に音楽を捉えた踊りでした。
ただ、アダージオの部分が凄すぎたので
ヴァリエーションが普通に思えてしまったのが残念。
ここまでやったなら、32回転には、7回転ぐらい入るかな?
と期待する方が悪いと思うんだけどね。
3回転が入っているんだから、冷静に考えると凄いんだけどね。

フィナーレはいつもの通り、女性のアルファベット順で登場。
ホセの相手役がヘレーラとかケントとかレイエスだと
またもやルグリが新旧の女に挟まれるところでしたよ。
ドヴォロヴェンコ(D)が来たから、
ルグリの横がフェリ(F)になり、ギエム(G)は反対側に立つことになりました。
良かったね。


なんかいつものメンバーで、いつもの演目でーーー、
と思っていたわりには、最後まで楽しかったです。
寝たのは「ダイヤモンド」だけだったわ。


ただねーーー。
オケがねーーーーーー。
前奏曲でも、ヤバイ?と思ったけど、
途中何ヶ所かヤバイと思ったところがあったけど、
「ドン・キ」のキトリの第一ヴァリで
ハープがヨタった時は、腹が立ったよ。
一個一個、正確に音が出せずに
適当に流しちゃったカンジ。
しかも、フィナーレに入るときの最初の音が
あまりに揃わなくて・・・。
テープじゃないだけいいのか?
ケヴァルさん、カムバック・・・・・・・・・・・・・。
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バレフェスAプロのタイムスケジュールが出ましたよ

2006年08月03日 | バレエ・ダンス
18時開演で、終演予定が22時20分。
5分押しで始まって、拍手の時間が長くなれば
実質の終演は23時か・・・・。
どへーーーーー。
合間の休憩も10分or15分。
ご飯を食べる時間は無いな~~。
トイレに行っても間に合うか?


ジルの「ベジャールさんとの出会い」に出演する東バのダンサーは
長瀬直義さん。
ロスが指導に入ったから女性ダンサーが出るのでは?
と言われていたけど・・・
 ・ロスが男性の役を指導
 ・男性ダンサーが踊るけど女役
の、どちらか?とか????


体調が良くないけど、頑張るわ!
コメント
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