昨日見た「セルラー」で美味しい役だったウィリアム・H・メイシー主演。ファンじゃないのに(どころか名前を知ったのが昨日だよ)2日続けて見るとは。逆の方が良かったかも。真面目な顔を見ると「アンタ、昨日は藻のパックしてたのに~」と心の中でツッコミ。
内容的には密室劇。Uボートに撃沈されたアメリカ潜水艦の乗員がUボートの捕虜となる。そのうちの一人が髄膜炎で、Uボート乗員にも伝染し、病死者が続出し操行要員が足りなくなる。またこのUボートは北米大陸近くで補給を受ける予定だったが、合流前に補給船が撃沈。Uボートの艦長は、北米陸上陸前にUボートを自沈させ、その後降伏することを条件に、アメリカ人捕虜の協力を仰ぐ。お互いに「いつ殺されるか」の疑心暗鬼状態。伝染病も不安。さらに艦長の方針に従えない乗員が反乱を起こし・・・。どっちの陣営が、そのうちの何名が生き残れるのか。
見所はアメリカ人が英語を喋り、ドイツ人がドイツ語を喋ること。艦長クラスは英語「も」喋れるようですが、下っ端は英語はわからないのです。アメリカ人もドイツ語はわからず。こういうのって、ありそうでないので、新鮮。ってか納得。あとボート艦内の様子もいいっす。狭いよね~。それをあんな体格の人がウロウロするんだもんなあ。私は乗りたくないよ。セット自体は、低予算で頑張りましたってカンジでしたが、それは目を瞑って。
メイシーはアメリカ艦の「チーフ」。叩き上げってカンジでした。士官の艦長はちゃんといて、その下で実務を取り仕切る役職?思考力も行動力もあります。Uボートの艦長と副長がねえ、
すんごいカッコイイのよ。
(役者名はようわからん)
娘を本土爆撃で失い、戦争(殺し合い)がイヤになった艦長。だからこそ、ヒットラーのお達し「敵艦の艦長・副長以外は捕虜にする必要なし」を無視して、その下の兵達も助ける。それが「弱さ」じゃないのがわかります。その艦長とは仲が良さげな副長。補佐する立場だったのに後半は彼がUボートの指揮を取ることに。生き残るために味方鑑を攻撃するべきかを迫られるとき、人の上に立ち「決断」を下すことが、いかに辛いことかが伝わってきました。
全体的にキレイにまとめすぎているとは思いますが、登場人物の気持ちの流れがクリアに伝わってきて、とても面白い作品でした。どちらの陣営も「自鑑」に対する思い入れって同じなんだよね。攻撃してきた鑑を撃沈してハッピーエンド!にならなくて良かったです。
アメリカ鑑の艦長が、船が沈む前に部下の救出に向かうんだけど、ウッカリ「杉野はいずこ?」とアテレコしちゃうワタシだったりいたしまする。オヤジ話だったけど、レディース・ディだったので、映画館内の半分ぐらいは女性だったかも。