3月30日、鹿児島県徳之島の天城岳北側に 陸上自衛隊第1混成団(沖縄・那覇駐屯地)のCH47型輸送ヘリコプターが墜落し、乗員4人が殉職するという痛ましい事故が発生した。殉職したのは機長の建村善知(たてむらよしとも)3佐(54)、副操縦士の坂口弘一1尉(53)、整備士の岩永浩一2曹(42)、藤永真司2曹(33)と陸自第1混成団は発表しているとのことであり、優秀な隊員を失ったことはまことに痛恨の極みであり、ご冥福を祈るとともにご遺族に対しお悔やみを申し上げたい。
事故の詳細は既に報道されているが、急患搬送の要請により徳之島に向かった墜落した同団所属のCH47型ヘリは、着陸地として当初予定していた徳之島総合グラウンドが悪天候のために降りられず、そのため徳之島空港に変更しようとして島の北部の海岸線に沿って回り込むように飛行しようとしたが、濃霧のために島の北部に出たと誤認し、左旋回したところ山の斜面に激突したものと思われ、陸自によれば回避行動もとらないままに斜面に激突したとの見方を強めているそうである。
墜落したCH47型輸送ヘリは陸上自衛隊那覇基地の第1混成団第101飛行隊に所属し、災害派遣の一環として離島などの救急患者の緊急輸送などを担当していたとのことで、急患搬送は昼間の穏やかな日よりに限って行われている訳ではなく、警察、海保にもヘリはあるだろうが悪天候などの場合は出動しないことが多いとのことで、そのような時に限って自衛隊に要請があるとのことで、自衛隊とすれば「我々が怯んでいたら誰がやるのだ」との強い意志と国民を守るために命を掛けることを誇りに思っている訳であろう。
殉職した4隊員は、まさに「国民の自衛官」と言えるであろうし、機長の建村3佐は平成14年に「第1回国民の自衛官」として表彰されているとのことで、産経新聞に「この仕事はいつ命を落とすか分からない」と語っていたことが紹介されているが、不発弾処理も同様であり、誰かかやらなければならないし、まして誰でも出来るものではないからして、そのように命を掛けて任務を遂行している自衛官に対して、国民は普段から敬意と感謝の気持ちを持って接する必要があると常々思っている。
ところで、自衛隊関連の事故となると何故か批判的となる朝日新聞だが、4人の殉職者を出した今回の事故の扱いはいつもの朝日らしくなく、以前であれば「民家の近くであったら大惨事になっていた」とか言う住民の声を紹介するのだが、そのような記事はなく、「鹿児島県の離島では、ヘリによる急患の輸送はすべて自衛隊頼み。緊急時の命綱ともいえる存在だ。」と書いているのは民家から離れた山の斜面に墜落したからなのか。それとも、緊急時の命綱として自衛隊を頼りにしなければならないと思っているならば、自衛隊に対する偏った見方を改めた方が良いだろう。
このような痛ましい事故があったとしても、自衛隊が急患搬送を当面中止したり、出動を渋ることはあり得ないと思っている。朝日は離島医療を研究している長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の前田隆浩教授の「この事故でヘリの急患搬送が消極的になることを恐れている」との話を紹介しているが、そのような心配はしない方が良い。
自衛隊はあらゆる事態を想定しなければならず、また危険な任務であるから出来ないと尻込みしていたら、国や国民は守れない。31日に陸上自衛隊朝霞駐屯地で対テロ、ゲリラ専門部隊「特殊作戦群」などを隷下にした中央即応集団の部隊編成完結式が行われたが、まさにその時のために編成されたもので、どのような部隊であるかは秘匿することが抑止力となるのであり、どこかのTV局のように海自の特殊部隊の訓練の様子を盗撮して、放送するようなアホなことをマスコミはすべきではない。
それにしても機長の建村3佐は本年7月に定年を控え、まもなくフライトを終えるところだったというが、無念であったであろう。このような自衛官の犠牲によって国の安全が維持されていることを片時も忘れてはならない。
(2007/04/01)
この記事は「今日のコラム」
「陸自ヘリ墜落。殉職された4隊員を悼む」
としてHPに掲載されていたものです。
事故の詳細は既に報道されているが、急患搬送の要請により徳之島に向かった墜落した同団所属のCH47型ヘリは、着陸地として当初予定していた徳之島総合グラウンドが悪天候のために降りられず、そのため徳之島空港に変更しようとして島の北部の海岸線に沿って回り込むように飛行しようとしたが、濃霧のために島の北部に出たと誤認し、左旋回したところ山の斜面に激突したものと思われ、陸自によれば回避行動もとらないままに斜面に激突したとの見方を強めているそうである。
墜落したCH47型輸送ヘリは陸上自衛隊那覇基地の第1混成団第101飛行隊に所属し、災害派遣の一環として離島などの救急患者の緊急輸送などを担当していたとのことで、急患搬送は昼間の穏やかな日よりに限って行われている訳ではなく、警察、海保にもヘリはあるだろうが悪天候などの場合は出動しないことが多いとのことで、そのような時に限って自衛隊に要請があるとのことで、自衛隊とすれば「我々が怯んでいたら誰がやるのだ」との強い意志と国民を守るために命を掛けることを誇りに思っている訳であろう。
殉職した4隊員は、まさに「国民の自衛官」と言えるであろうし、機長の建村3佐は平成14年に「第1回国民の自衛官」として表彰されているとのことで、産経新聞に「この仕事はいつ命を落とすか分からない」と語っていたことが紹介されているが、不発弾処理も同様であり、誰かかやらなければならないし、まして誰でも出来るものではないからして、そのように命を掛けて任務を遂行している自衛官に対して、国民は普段から敬意と感謝の気持ちを持って接する必要があると常々思っている。
ところで、自衛隊関連の事故となると何故か批判的となる朝日新聞だが、4人の殉職者を出した今回の事故の扱いはいつもの朝日らしくなく、以前であれば「民家の近くであったら大惨事になっていた」とか言う住民の声を紹介するのだが、そのような記事はなく、「鹿児島県の離島では、ヘリによる急患の輸送はすべて自衛隊頼み。緊急時の命綱ともいえる存在だ。」と書いているのは民家から離れた山の斜面に墜落したからなのか。それとも、緊急時の命綱として自衛隊を頼りにしなければならないと思っているならば、自衛隊に対する偏った見方を改めた方が良いだろう。
このような痛ましい事故があったとしても、自衛隊が急患搬送を当面中止したり、出動を渋ることはあり得ないと思っている。朝日は離島医療を研究している長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の前田隆浩教授の「この事故でヘリの急患搬送が消極的になることを恐れている」との話を紹介しているが、そのような心配はしない方が良い。
自衛隊はあらゆる事態を想定しなければならず、また危険な任務であるから出来ないと尻込みしていたら、国や国民は守れない。31日に陸上自衛隊朝霞駐屯地で対テロ、ゲリラ専門部隊「特殊作戦群」などを隷下にした中央即応集団の部隊編成完結式が行われたが、まさにその時のために編成されたもので、どのような部隊であるかは秘匿することが抑止力となるのであり、どこかのTV局のように海自の特殊部隊の訓練の様子を盗撮して、放送するようなアホなことをマスコミはすべきではない。
それにしても機長の建村3佐は本年7月に定年を控え、まもなくフライトを終えるところだったというが、無念であったであろう。このような自衛官の犠牲によって国の安全が維持されていることを片時も忘れてはならない。
(2007/04/01)
この記事は「今日のコラム」
「陸自ヘリ墜落。殉職された4隊員を悼む」
としてHPに掲載されていたものです。