11月6日の産経新聞国際面に、米国議会上院外交委員会の東アジア太平洋小委員会は、北朝鮮の人権弾圧に関する公聴会を開き、北朝鮮の金正日政権の歴史にもまれな人権弾圧の実態が専門家により証言され、政権変更以外に対応の方法はないとの意見が大勢を占めたことが掲載されていた。
その公聴会で金正日政権の弾圧を調べている米国の民間組織「北朝鮮人権米委員会」のデービッド・ホーク氏は「金正日政権という特異な存在の基本体質が世界最悪の恐怖政治を生んでいる」と証言し、また東西冷戦中に米国歴代政権で人権擁護などを担当した元ポーランド大使のマーク・パーマー氏は「金正日という異常な独裁者から国民を解放するために金政権を倒すこと」「北朝鮮からの住民の脱出を組織的に助ける」「北朝鮮向けのラジオ放送の強化と支那(中国)の協力」「日本の北朝鮮寄りの住民の社会で反金正日勢力を成長させる」「金正日政権の延命につながる経済援助は一切与えない」などを提言したとのことである。
米国が、このような北朝鮮の人権弾圧に関して公聴会を開いているというのに、北朝鮮の脅威を直接受けているわが国では、このような公聴会が国会において開かれたことがあったであろうか。北朝鮮の人権弾圧などを、民間組織として調査している例えば「現代コリア研究所」の所長・佐藤勝巳氏などもおられるが、反対に北朝鮮に援助を続ける「人道支援NGOレインボーブリッヂ」の小坂浩彰事務局長という金正日政権の延命に手を貸している人もいるのである。この小坂氏はすっかり北朝鮮に洗脳されており、拉致被害者家族の手紙と写真を持ち帰った件で批判されたことで良く知られている。
北朝鮮国民を助けるために、政権変更という金政権を打倒する以外に道はあるのであろうか。日本政府や国民の中に、北朝鮮の金正日独裁人権弾圧政権が、このまま続いた方が良いと思っている人がいるとすれば驚くべきことである。そう言えば、そのようなことを言っていた政党の党首がいたが、今度の総選挙では落選であろう。
日本も何時までも「北朝鮮を刺激してはいけない」などと言っていないで、すぐ実行出来ることはあるだろう。マーク・パーマー氏の「日本の北朝鮮寄りの住民の社会で反金正日勢力を成長させる」とは、在日朝鮮人の中に、金正日政権に反対する勢力を増やすことだろうが、その前に、それを妨害する朝鮮総連という反日謀略組織の解散を、破壊活動防止法を適用することによって実施することがまず必要だろう。
さらに金政権が一日でも早く崩壊するように万景峰号などの入港禁止や在日朝鮮人の北への送金禁止などの経済制裁を即実施し、日本住んでその恩恵を受けながら、金正日独裁人権弾圧政権に顔を向けて日本を貶める発言をしたり、日本人拉致に関与した疑いのある朝鮮総連関係者全員の国外退去処分も早急に行うべきだろう。
金正日独裁人権弾圧政権の崩壊が近いと言われながらなかなか崩壊しないのは、北朝鮮宥和政策を続ける韓国の責任もあるが、経済制裁をしない日本にもあるのではないか。お米やカネを贈呈したり、KEDOの軽水炉建設事業に資金援助したり、何て無駄なことをしていたのか。お金をドブに棄てるとはまさにこのようなことではないか。
サム・ブラウンバック東アジア太平洋小委員長は「北朝鮮の金政権はいま崩壊しつつある。その政権を支援するような経済援助は一切与えるべきでない」として、「核問題も人権問題も金政権が他の民主的な政権に変更されない限り解決されない」と主張したとのことだが、まさに正論と言えるだろう。であるから拉致問題の解決にも同じことが言えるのではないであろうか。であるから日本政府は、約束など一度も守ったことがない今の北朝鮮の金政権と拉致問題を話し合いで解決できると思っているとしたら、とんでもない誤りであることを知るべきである。
(2003/11/07)
この記事は「私の主張」第189 号
金正日政権崩壊に向け経済制裁を実施せよ
~拉致問題も金政権が崩壊しなければ解決しないのでは~
としてHPに掲載されていたものです。