きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ジゼル」井脇&菅野/Iwaki Ballet Company

2018年11月25日 | バレエ・ダンス


ヒラリオンはベルタと仲良し。
1幕の井脇さんは髪はおろし後頭部に花飾り。
狂乱でも外さず。
バチルドからもらった首飾りは
ソロの前にベルタに預かってもらうように首にかける。
ペザントは女性二人のトロワ。
公爵とバチルドも見学。
剣は、狩の前にウィルフリードがマントを取って来たとき
うっかりドアの前に落とす。

などなど、
物語細部までびっちり話が無理なく作り込まれていた。
コールドのダンサーも細かく芝居をしていた。

井脇さんは記憶よりずっと綺麗だった。
手足が長く美しい。
体型も踊りの質も維持、より、
東バ退団時より進化しているかも。
ひとつひとつの踊りがクリアで情緒的。
主宰だから当然かもだけど、
誰よりも華がある。

狂乱はもっと崩れるかと思ったけど、
リアル系だった。
第二幕の浮遊感は半端ない。
ときどきミルタを思い出した。
最後は自分は消えるけど愛する人が助かるのを
しっかり理解している理知的なジゼルでした。
墓石が光で透けジゼルが墓石に収まりライトを落とし、
ジゼルの魂が消えたのを表す。

東バ時代の白鳥の時も思ったけど
井脇さんは役を丁寧に設定し、
それを明確に踊りに落とし込むのが上手い。
ジゼル、という女性を表すための踊り。
とても丁寧な芝居で、
ジゼルの心情が良くわかった。
そして10年以上躍り込んでいるような
いい意味での安定感がある。

齋藤さんや吉岡さんのジゼルを見ていて
井脇さんならどう踊るだろう、
どんなジゼルになるだろう、と考えていた。
実際に見たジゼルは誰かと同じではない
井脇さんのジゼルだった。
見ることができて、本当に良かった。

菅野さんはノーブルな王子系。
ジゼルのことは遊びではなく
本当に愛していた誠実な大人の男性だった。

梅澤くんは少しふっくらした?
付け髭の輪郭のせいかな。
野性的なビジュアルだけど
横暴でも乱暴でもない、激しさ低めの
優しいヒラリオンでした。
1幕冒頭で、「そいつより俺!」も
暴力的ではない。
こういう風に愛されているんだから
ジゼルも良い子なんだろうな、と思う。
私はもう少し激しい方が好きだけど、
でもそれは彼の個性じゃないしなあ。

衣装は綺麗。
美術はちょっと子供っぽい。


井脇さんで白鳥が見たいけど、
興行としてはジゼルやドンキが精一杯なんだろうな。
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