きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「追龍」

2020年08月08日 | 映画


すごく良かったよ。
60年代〜70年代くらいの香港。
英国人が国のトップで、
街すれすれに飛行機が行き来する啓徳空港があって、
魔窟と呼ばれた治外法権の九龍城があって、
私世代が思う「香港」だった。
実話に基づいた話でたまたまその時代だったのかもだけど、
懐かしい時代へのオマージュみたいだった。

ヤクザ達が小さな派閥を作り抗争を繰り返すより、
警察と繋がる強い男に裏社会を任せる方が統制が簡単と思う警察幹部と、
大陸から密入国した男の、
友情とも信頼とも微妙に違う、共闘の物語。
簡単な関係じゃないのがすごく良い。
萌え要素皆無なのにウハウハする。

香港映画なので、もちろん人はバンバン死ぬ。
流血もたくさん。
ただ、裏切りは少ないので、
辛さはあっても心理的エグさは低め。
お洒落なノワール系でないのがいいよ。
話の展開もサクサクだし、伏線も良かった。


アンディ先生が社会の平穏のために
汚職をしつつ順調に出世するパリッとしたエリート警官に対し、


ドニーは田舎から来てのし上がっていく男。
最初の垢抜けない勢いだけの若めの姿から、
裏社会の頂点に向かう姿は、
ビジュアルだけでなく、
気持ちや立場の流れの演技もクリアで緻密だった。
なんだろうねー、
なんだか髪の毛がくしゃっとなっているときは
なんとなく大泉洋?
ああいった髭も見慣れないし、
老けた顔が一番知ってる顔だった。
喧嘩の強さに納得しつつも、
葉門の背筋がピリッとした戦い方とは
全然違うのがすごいなー、と。
彼が不器用にモンキーダンスを踊る姿も見どころのひとつ。
田舎から来たばかりというのがよくわかる慣れてなさ。
その後の盛り場の踊りがディスコダンスになり
時代の移りかわりもわかる、上手い演出だった。
身体能力が高い彼があんなに不器用そうに踊るのは
かえって難しかったのでは。

それにしても、眉毛さん!
いい人だー!
あの人はどんな立場なのかな。
ただの部下にしては近すぎて敬服しすぎだし。
秘書的な?
お世話係だよね。

作品としても、もちろん良いんだけどー、
アンディがドニーに耳打ちしたりー、
好きな二人が並んで、
スター競演で、
それだけで私にはご褒美だよ!


ああ、どうしてこうもアンディ・ラウという人は、
パリッとスーツを着こなす優しい笑顔の
汚職警官が似合っちゃうんだあ!

悶絶するしかないじゃないか!
全くの悪も、
悪の中の巨悪もコソ泥も、
正義の人も、
正義を追求しすぎて悪にはみ出す人も、
市井の人も、
女にモテモテも、
なんでも似合うだよなあぁぁっ!


「剣の舞」と「追龍」の客層が違うなあ、と思ったけど、
こちらの「追龍」も、
香港四天王(四大天王)から来たアンディ系と、
アクションから来たドニー系と、
兼オタという、
わりと違う雰囲気が混ぜ混ぜの客層でした。
奥深い武蔵野館。

スクリーン2は「追龍」仕様。


あなたの隣がアンディ先生かも!


武蔵野館ロビーのディスプレイ


アンディ先生の尻


サイン入りポスター




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