きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「白鳥の湖」ヌニェス&ソアレス/英国ロイヤル・バレエ団

2013年07月14日 | バレエ・ダンス
お財布事情と他の予定との都合で
英国ロイヤルの来日公演を見るのは今回だけでしたが
キャスト的には私の好みで当たりでした。

ヌニェスはスラッとした体型で手足も長めで
実に舞台映えする白鳥。
動きもとても美しい。
手の動きがもう少し繊細だったらもっと好みだけど
そこまで望むのは贅沢か。
基本は白鳥ではなく人間で、
たおやかではあるけれど
意志の強さも感じた。
だからラストも、状況に流されてではなく
自分の意思で道を選んだからこそ
魂の救いがあったんだな、と思いました。
消えるだけの存在ではない、と。

黒鳥は圧巻でした。
勝ち誇った艶やかなオディールは実に魅力的。
魔に惹かれてしまう王子の気持ちも良くわかる。

ソアレスは、以前見たときは粗さを感じるときがあったけど
今日は踊りもマイムもとても丁寧でした。
悩める若き王子、というよりは
「国王陛下、万歳!」と言いたくなる威厳があるけど
そこは脳内補完でカバー。

2人とも踊りすぎることはなく、
適度に抑制が利いているので
実に気品が溢れていて、
さすが英国ロイヤル、と思っていましたが
3幕のパ・ド・ドゥ後半から徐々に熱を帯び
最後は大爆発!なかんじでした。
ストーリーの盛り上がりに沿っているので
やりすぎ感はなく、それでいて高揚感バリバリ。
会場の温度が2度ぐらい上がった気がしました。

ラストは悲劇版でした。

この版ではロットバルトは踊らないのですが
エイヴィスの存在感と芝居が素晴らしいので
そんなことは気になりません。
禍々しさたっぷりで、とてもドラマティックでした!

この版を見るのはギエム&コープ以来なので(たぶん)
細かいところは忘れていました。
ナポリはこんなに細かいステップだったんだ。
2人とも綺麗に足を捌いていました。
ユフィさんが可愛いわ~。

舞台美術はとても好み。
ダウエルのセンス、いいわあ。
軍服祭りもありがとう。
ただ、4幕の白鳥の群舞のフォーメーションが
ちょっと変わっているかなあ。

それにしても、六人の姫君たちが
ガツガツしすぎ。
あれじゃ王子も逃げ出したくなるよ。
このへんは明らかに王妃の戦略ミスだと思うわ!


【主な配役等】
振付:マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ、
フレデリック・アシュトン(第三幕ナポリの踊り)、デヴィッド・ビントレー(第一幕ワルツ)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 
演出:アンソニー・ダウエル

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オデット/オディール:マリアネラ・ヌニェス
ジークフリート王子:ティアゴ・ソアレス
ジークフリートの母:エリザベス・マクゴリアン
悪魔、ロットバルト:ギャリー・エイヴィス
家庭教師:アラステア・マリオット
ベンノ:ベネット・ガートサイド

第一幕
パ・ド・トロワ:
エリザベス・ハロッド、エマ・マグワイア、ヴァレンティノ・ズケッティ
侍女:ベアトリス・スティックス=ブルネル、デメルザ・パリッシュ
将軍:デヴィッド・ピカリング
ワルツ:
クリスティーナ・アレスティス、ナタリー・ハリソン、ローラ・マカロック、
クリステン・マクナリー、平野亮一、ベネット・ガートサイド、蔵 健太、
ダヴィッド・チェンツェミエック、ロマニー・パイダック、ポール・ケイ

第二幕
白鳥のひなたち:
エリザベス・ハロッド、エマ・マグワイア、
ロマニー・パイダック、サビーナ・ウェストコーム
二羽の白鳥:小林ひかる、イツァール・メンディザバル

第三幕
式典長:デヴィッド・ピカリング
六人の姫君たち:
オリヴィア・カウリー、ヤスミン・ナガディ、エマ・マグワイア、
マヤラ・マグリ、ローラ・マカロック、デメルザ・パリッシュ
スペインの踊り:
クリステン・マクナリー、イツァール・メンディザバル
ヨハネス・ステパネク、平野亮一
チャルダッシュ:
ヘレン・クロウフォード、ジョナサン・ハウエルズ
ナポリの踊り:崔 由姫、ポール・ケイ
マズルカ:
クリスティーナ・アレスティス、ヘイリー・フォースキット、メリッサ・ハミルトン、
ベアトリス・スティックス=ブルネル、蔵 健太、エリコ・モンテス、
ドナルド・トム、ダヴィッド・チェンツェミエック

第四幕
二羽の白鳥:小林ひかる、イツァール・メンディザバル
白鳥、白鳥のひな、農民、侍女、
士官候補生、使用人、小姓、こびと:英国ロイヤル・バレエ団、英国ロイヤル・バレエ学校


指揮者:ボリス・グルージン
オーケストラ:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
協力:東京バレエ団、東京バレエ学校

◆上演時間
第一幕、第二幕 13:00 - 14:15
休憩 25分
第三幕 14:40 - 15:15
休憩 20分
第四幕 15:35 - 15:55
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