最近は「トップハット」や、みっちゃん退団公演など
手堅い作品が多かったサイトー先生ですが、
今回は思いっきり趣味に走った作品でした。
が、
ちゃんとヅカ作品として成立しています。
なんというのか、
こういう夢の叶え方もあるんだなあ、
と、しみじみするヅカ兼特撮オタでした。
宝塚のセオリーを押さえつつ、
ここまで特撮ネタをブチ込む。
サイトー先生の努力に敬服。
OPのクレジットの入れ方、
映像の作り込み方、
「赤がセンターなのは世界基準」や
5人のメンバーの名乗り、ポーズ、色分け、
遊園地でのスーツショー、などなど
特撮ファンとしては見覚えがありすぎる世界。
それでいて、ファンの欲目からすると
かつての雪組ショーほどの浮いた感は無く
ちゃんと宝塚らしくなっています。
「J」の決めポーズにはウハウハ!
2幕は駆け足でやっつけ感があるけど、
特撮愛だけでなく、生徒への愛もぎっしり詰まっていた。
生徒に活躍の場をちゃんと作っていた。
スカしたキキちゃんが可愛いかった。
彼女はソツがない優等生タイプで
いままでは突出した部分があまり感じられなかったけど
今日はすごく良かった。
芝居上手とかよりも、
こういうくだらない作品で堂々と自信たっぷりで真ん中に立つ、
こそ宝塚トップの条件であって、
キキちゃんは満たしたな、と思いました。
実質的にはWヒロインかな。
主人公の相棒はひらめちゃんで
恋の相手はくりすちゃん。
ひらめちゃんは思い切った演技で
鬱陶しさのない濃い役を作り上げていた。
くりすちゃんはヒロイン芝居。
声も綺麗。
えみくらちゃんを思い出した。
ちなつはかっこよかった!
歌の出だしが弱いかな。
この辺に「真ん中経験値」の差が出るのかな。
主人公とも強い友情で結ばれていたね。
そして!
タソ!タソ!タソ!
タソが素晴らしすぎる!
もう、影の主役と言っちゃっていいよね!
タソいいよ、タソ!
もうそれしか言えない。
ありがたい。
拝む。
ジェンヌのスタイルがいいだけに、
高岩さんの動きを求めてしまい、ガックリ、が何回か。
JAEじゃないから!!
ヒロインの語尾が「~だよ」で正塚チックだった。
洗脳と世界制服を企む悪の組織はイケコで、
全体的なギャグテイストのノリはダーイシで、
音楽のセンスは大介っぽい。
ここまで他の演出家を思い出すのに、
しっかりサイトーオリジナルになっているのが逆にすごい?
話のテンポも場面転換も伏線の張り方も回収も上手かった。
とにかくだ。
サイトー、馬鹿だ、
よくやった!
ショー部分は「LR」OPの衣装。
懐かしかった。
劇場外ではしだれ桜が少し咲いていました。
春だね。