きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「妻への家路」

2015年03月14日 | 映画
文革で引き離された家族の話。
収容所から夫が帰って来たら
妻は記憶障害で彼を夫として認識できない。
それを理解した夫は、、、。

というだけではない話だった。
母と娘の確執が辛かった。
娘がとった行動もわかるし
許せない母の気持ちもわかる。

記憶障害は頭の傷が原因かと思ってたけど、
最後の方で垣間見えたことがあった。
夫は自分のために妻にそういうことがあったから
今の状態になったとわかり
(たぶん、彼だけがわかり)
だからずっと妻の行動につきそうことにしただんだろうな。
深い愛情、というだけでは言い尽くせない、
悲痛な愛。

夫はある行動に出るんだけど、
なんというか、順繰りのことが起こっていて。
これは現代への皮肉なのかな。

コン・リーは老眼鏡を掛ける姿が似合っていた。
すっかり老けたように見えて、
でも髪を整える仕草がほんのり色っぽく、
さすがチャン・イーモウ、わかっているな。
これも伏線だったのかな?

しかし、夫はよく生き延びたなあ。
「無言歌」の世界だよね。
毛沢東時代のバレエも興味深かった。
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「ジゼル」渡辺&柄本/東京バレエ団

2015年03月14日 | バレエ・ダンス
渡辺さんの一幕は
ユカリューシャ系のウェットで秘やか系で来るかと思っていたけど
予想に反して陽気なハキハキとしたお嬢さんでした。
吉岡さんとも、またひと味違う感じ。
恋をして輝いているからこそ、
それを失ったショックが大きいんだろうな。

二幕ではウィリーの浮遊感は素晴らしいけど、
もう少し強いドラマが欲しいな。
たぶん1階前方席で見ればいろいろ伝わって来るんだろうけど、
2階真ん中辺りまでは届け切れていない。
もっと、アルブレヒトに会ってからの変化が見たかったな。

弾くんは全てがマラーホフ直伝なのがわかる。
それがちゃんと身体に入って自然な動きになっている。
恋に浮かれてジゼルといるときは甘々な雰囲気で、
バチルドへのキスはためらいまくり。
板についているだけに、なんというか、すごく愉快。
東バ若手でもできるじゃん!みたいな?

操られジャンプは横移動の方。
一輪ずつ落とす花の中に倒れて終了など、
やっぱり全てがマラーホフ直伝だけど
ナルシスト臭がないので別物になっているのが面白い。
パ・ド・ドゥ終わりの下手移動をスタスタ歩いちゃったところ以外は
上手く作りこんでいて良かった。

一番良かったのはジャンプの着地音が殆どしなかったこと。
以前の公開レッスンで長瀬くんの着地音が消えたことを思うと、
たぶんマラーホフの指導の賜物で、本当にありがたい

一幕ではユニゾンの踊りが崩れたり、
ソロバリで渡辺さんが踵を落としたり、
技術的な面では少々ミスはあったけど
二人ともいいかんじ。

松野くんのウィルフリードが頼りになる男だ!
ご主人に頼られて肩を貸すぐらいなかんじ。
狂乱の場面では的確な判断をしてました。
ご主人が間抜けなだけ。

梅澤くんは髭を付けても爽やかさ満開だし、
弾くんより細いしで、バランスが悪いかなあ。
今日が森川くん、ゲスト日を髭なし梅澤くんの方が合いそう。

伝田さんミルタは凄みがあって怖かった。
人間に対する明らかな殺意があった。
まだ少し動きは硬かったけどよく飛んでいた。
下手に投げ入れる花が舞台に残っちゃったけど、弾くんがカバーした。

ツインウィリーはどちらも良かった。

ペザントは、とりあえず「もう一組」が成立したことに感動。
男子の踊りは難しいんだなあ。
場数の差がそのまま踊りの精密さの差になっているので、今後に期待。

奈良さんのバチルドは、
婚約者がやらかしたことに怒る系。
なんてことをしでかしたの!という気持ちは
貴族としてどうなの?
ではなく、
人としてどうなの?
ってかんじに見えました。


全体的に、特に男子の駒が揃ってきたように感じました。
思えば、、、

首藤、後藤兄弟、中島、大嶋、古川、平野、長瀬、松下、宮本、小笠原

と、ごっそり抜けて、
ようやく木村さんの下が定着したんだなあ。


終演後に高岸さんの引退セレモニー。
幕が上がると黒ジャケ白シャツ黒パンツの高岸さんがいて、
「29年ありがとう」の横断幕が降り
金の紙吹雪が舞う中、団員が一輪ずつ花を手渡し。
マラーホフ、オブジャニコフ氏、飯田さんも渡す。
飯田さんがこういうセレモニーができて嬉しいと挨拶し
特別団員証?を授与。

高岸さんの挨拶は、
  29年ありがとうございました。
  続けてこられたのは団員、スタッフ、そしてお客様に支えられて。
  クラシックバレエからは離れるけど、
  パフォーマンスは続けていきたい。
  また皆様にお会いします。
  これからも東京バレエ団をよろしくお願いします。
ってかんじでした。


【配役等】
ジゼル:渡辺理恵
アルブレヒト:柄本弾
ヒラリオン:梅澤紘貴

バチルド姫:奈良春夏
公爵:木村和夫
ウィルフリード:松野乃知
ジゼルの母:坂井直子
ペザントの踊り(パ・ド・ユイット):
 岸本夏未-岸本秀雄、河合眞里-杉山優一、
 沖香菜子-吉田蓮、村上美香-岡崎隼也
ジゼルの友人(パ・ド・シス):
 小川ふみ、乾友子、伝田陽美、
 吉川留衣、政本絵美、川島麻実子

ミルタ:伝田陽美
ドゥ・ウィリ:岸本夏未、川島麻実子


指揮:ワレリー・オブジャニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
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「イミテーション・ゲーム」

2015年03月14日 | 映画
暗号解読を軸に天才数学者の半生を描く。

解読までの道のりに手に汗を握った。
彼の理論が正しいのか?
毎日リセットされる暗号に
毎日絶望がやって来る日々。
解読は愛国心なのか、学者としての名声か。
それすらも超越できる奇人でないと
大きいことはできないのかな。

学生時代の話は彼の人格形成の説明だと思っていたら
とてつもない「愛」の話なのが終盤でわかった。

複雑でイヤな男なのに
(イヤな部分を具体的にわかりやすく提示しているのに)
映画の登場人物としては実に魅力的。
カンバーバッチがオスカーノミネートなのも頷ける。

主人公の外面、内面を描きつつも、
解読部分の展開も面白い。
そして解読成功でハッピーエンドではなく、
その先に展開があるのが良かった。
目の前の一人か、その先の一万人か。
その選択をしなければならない。
それに気付いてしまった不幸がなんともいえない。


解読したチームもすごいけど、
エニグマを開発した方もすごいよな。
人間の可能性と叡智に感動。
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