きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「2010年版 エリザベート」(瀬奈、城田、伊礼、杜)

2010年09月21日 | 宝塚版以外の「エリザベート」
2010年版のトート様、コンプです。
いちばん最初に今日の回を取って、
一般売り初日ぐらいに、8月の瀬奈-石丸を取ったので、
10月の朝海-山口-浦井を取れば
全キャスト制覇!と考えていたのに、
先日、ちょいお安めの券が出たので
瀬奈-山口も行っちゃったのです。
あとから考えて、馬鹿だな私、とか思ったけど
瀬奈シシィに対して3パターンのトート様、ってのは
それぞれの個性がわかって
見比べると楽しかったです。

最初に見た石丸トートは、
「生」のエリザベートに対し
「死」のトートで、対極にいる存在。
本来、交わらない者達が、お互いを欲する。
山口トートは、肉体のある黄泉の帝王で
シシィとは、常にガチンコ勝負。
(がっぷり四つに組むイメージね)
あさこちゃんが強く出れば出るほど、
山口さんも強く返す。
だから、あさこちゃんは、一番男役っぽく見えた。

城田トートは、シシィの影、みたいな。
石丸トートのように「正反対」ではなく、
もっと一体化している。
ヅカファンには
スカーレットIIと言うとわかるかしら。
二人で一人の存在のような。

城田くんは、目指したいトートはすごくわかる。
氷のように、出てきただけで冷気が漂うな、
まさに青い血が流れているような妖しい存在。
たとえていうなら、まりこさん系のトート。
わかるんだけど、そこに到達するには
経験値がまったく足りない。
佇む、のつもりだろうけど、
ただ立っている、になっちゃっているとか。
腕、指の動きも、もっと細部まで気を張らないと。
1階前方で見れば美しいかもしれないけれど
2階L列までは、その美しさは届かない。
もうちょっと姿勢が良いといいなあ。

歌は、音程は外れないけど、
発声はミュージカル向きじゃない。
上手いカラオケ系。
その辺も含めて、
周りの役者さんとはちょっと違った雰囲気。
それが「人外」にリンクするには、もうちょっとかなあ。
決定的に「真ん中に立つ」キャリアが足りないので
せっかくの長身でも、なんとなく舞台に埋もれ気味になる。
だから、スカIIと思っちゃうのかな。

城田トート相手だと、
あさこちゃんは思っていたより女っぽかった。
台詞の声も歌声も、
vs山口さんの時の方が低く感じました。
「パパみたいに なれなかった・・・」は泣けるわー。

伊礼ルドは、やっぱり熱血系で。
「ママは僕の鏡だから・・・」では
私としては、もっと繊細に、
二人に共通するのはヴィッテルスバッハの血、
というのが垣間見える方が好き。
なんだけど。
こんだけ熱く語っている息子を無視する、ってのは
エリザベートのエゴイストな面が良く出てる、
とも言えるかな。それはそれであり、かな。

高嶋兄は、先日ほどじゃなかった。
もしかして、(慣れている)山口さんの日だと
あんなふうになっちゃうのかなあ。

禅ちゃんのフランツは、
どこをとっても素晴らしい。
トートがルキーニにナイフを投げるのを
阻止しようとするところは
悲しく、辛い。
コメント (2)
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