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きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「ベジャール・ガラ」東京バレエ団(中国:木村-首藤-後藤、ボレロ:上野)

2009年02月10日 | バレエ・ダンス
3作品とも初めて1階前方席で見ました。
前の方で見るとこうなんだ!
たまには頑張って高い席で見なきゃダメだね。

「ギリシャ」は海みたいだった。
寄せては返す波、そこから生まれる泡たち。
中島くんは当たり役だね。
彼を中心にエネルギーが渦巻いている。
二人の若者は、遠目ではユニゾンだったけど
近くで見ると違う個性だ。
ぶつかり合い、ではなく、補完し合っているみたい。
(匂宮と薫みたいに、とうっかり思うだよ)
奈良-柄本ペアは、8日に比べれば地味だけど
若くて清々しいかな。

「中国」はねー。
とっても良かったよー。
舞台に近いせいか、8日に見たときより淫靡だったよ!
娘の首藤君が、男で、でも色っぽい女性で、
ものすごーーーい倒錯感。
倒錯感ちゅーか、まんまオカマでもいいかも。
男であり女であり、男でもなく女でもなく、って
存在でもいいんじゃないかー、と。
後藤くんの首領は相変わらず人だ。
娘がイヤイヤ役人の相手をしているときに
バンドネオンをブンスカ楽しそうに弾いているのが
なんともいえず、似合っている。
娘も道具でしかないんだよねー。
小笠原君の娘は、首領が最近寵愛し始めた新人で
首領の関心を買うためにものすごく頑張って仕事に励んでいる感じ。
自分の思い通りに事が運ぶ、そういう仕事が面白くなってきた頃。
ちょっといい気になっていたけど、
実は自分はそれほど価値のない者だと気が付く娘。
だからこそ、最後は自分一人の力でケリをつけた、と。
首藤君の娘は、首領とはもうちょい長い付き合いかな。
ちょっと相棒の部分もある。
でも首領が強く出ると、娘は道具に成り下がるんだなー。
これもいいバランスだなー。
役人は不気味。殺しても死なない。
これ以上なにも言えないっす。
今日の方がキャリアも共演時間も長い分、
3人の緊迫感があったなあ。

水香ちゃんの「ボレロ」は良かった。
リズムとの一体感があった。
メロディ単独の時は、熱を体の中に封じ込める儀式みたいだった。
だんだん熱が高まっていく。
リズムが加わり、その熱を放出。
その熱で男達を操る小悪魔みたいだった。
ズアナバールは、たとえて言うなら
ブードゥーみたいな原始的魔術のイメージで
水香ちゃんはもうちっと近代の小悪魔。
水香ちゃんは、ズアナバールやギエムには感じなかった
「女」の部分を感じたな。
06年4月では否定していた私ですが
今日の彼女の「ボレロ」は好きです。

配役
「ギリシャの踊り」 音楽:ミキス・テオドラキス
 1.イントロダクション 
 2.パ・ド・ドゥ(二人の若者):長瀬直義、横内国弘
 3.娘たちの踊り 
 4.若者の踊り 
 5.パ・ド・ドゥ:吉岡美佳、平野玲
 6.ハサピコ:奈良春夏、柄本武尊
 7.テーマとヴァリエーション 
 ソロ:中島周
 パ・ド・セット:
  西村真由美、乾友子、佐伯知香、田中結子、森志織、吉川留衣、阪井麻美
 8.フィナーレ: 全員

「中国の不思議な役人」 音楽:ベラ・バルトーク
 無頼漢の首領:後藤晴雄
 第二の無頼漢-娘:首藤康之
 ジークフリート:柄本武尊
 若い男:井脇幸江
 中国の役人:木村和夫

「ボレロ」 音楽:モーリス・ラヴェル
 上野水香
 平野玲、松下裕次、長瀬直義、横内国弘
コメント
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