私の主張・ひとりの日本人として

新聞やテレビの報道で特に偏向マスコミや反日日本人などに憤慨することが多くなり、暇な時に思いつくまま書き綴ったブログです。

もし海上自衛隊が臨検に参加しなかったら

2006年10月14日 13時43分30秒 | 防衛省・自衛隊・安全保障
   北朝鮮が核実験を実施したことを受け、国連安全保障理事会において、今日14日にも北朝鮮制裁決議が採択される予定であるが、政府は、米軍が制裁決議に基づいて北朝鮮の貨物船などに対して、船舶検査を実施する事態になった場合は、艦船への補給などの後方支援に加えて、海上自衛隊も船舶検査自体に参加する方向で検討に入ったとのことであり、既に海自は検査を想定して準備を開始していることが報道されている。

 海自による検査を実施するに至ったのは、周辺事態法によって周辺事態とみなす6類型の1つである「ある国の行動が国連安保理に平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為と決定され、その国が安保理決議に基づく経済制裁の対象になっている」を根拠として、船舶検査法を適用するとのことである。だが問題なのは船舶検査が強制力がある臨検と異なり、対象船舶の船長の承諾が必要とされていることであり、検査を拒否して停船に応じない場合でも、警告射撃すら出来ないとのことで、これでは大量破壊兵器を積載している疑いがある北朝鮮の貨物船を発見し、もし逃げられてしまっても警告射撃を行うなど強制力がある米艦船に通報するしかないと言う情けない状況である。

 制裁決議が採択されたとしても、日本は強制力がある臨検すら出来ない状況のまま海自は出動を余儀なくされる訳であり、武器の使用が許されるのは対象船舶に自衛隊員が乗り移ることが出来たとして、その隊員が攻撃を受け、反撃する正当防衛に限られていると言うのだから驚きの何者でもない。これでは出動する自衛隊員は戦死する覚悟を持って任務を遂行しなければならない訳であり、このような事態は予想されていたであろうが、やはり現行憲法が足かせになって日本が国家として動くことが出来ない訳である。

 「平和憲法」と言われながら悪魔のテロ国家が核兵器を保有しようとしているにも関わらず、それを国際社会が阻止しようとしていることへの障害となり、傍観せざるを得ないとは、これでは「平和憲法」と言って誇れるものとは到底思えない。

 しかし、政府は臨検に参加する方針で海自は準備を進めているそうであるが、もし、交戦の可能性があるとして、後方支援だけに止め、臨検に参加しなかったら国際社会にはどのような見方をするであろうか。日本は北朝鮮の核とミサイルの標的になっているにも関わらず、未だに臨検参加に慎重論を唱える輩に問いたいが「日本は当事者であり、安保理の議長国でありながら、制裁決議がされても後方支援だけで臨検は出来ないとは、やはり口先だけの国か」と非難を浴びることになるだろうから何と答えるつもりなのか。

 臨検が開始されれば、米艦船が臨検の対象船舶から攻撃を受ける可能性がないとは言えないだろう。その際に海自の護衛艦などが反撃した場合に、集団的自衛権を行使したとして問題にする連中もいるかも知れない。だが、自衛隊が何も対応せず、傍観したとしたら、日米同盟はその時点で瓦解するであろう。

 もし海自の護衛艦などが臨検時に不測の事態が起きて武器使用をせざるを得ない状況になり、対象船舶の乗り組み員に死傷者が出て、その是非を巡って法的な問題が論議されたとしても、発砲を命令した指揮官や実際に発砲した海自隊員に責任を及ぼすことはあってはならない。わが国は国家の意思として対北朝鮮経済制裁の一環として海自に対象船舶への臨検を命じているのであるからして、海自隊員個人に責任を期すべきではなく、それより自衛隊を正規軍としての認知や、装備の充実と法整備を図ることが為政者の務めであろう。
(2006/10/14) 

この記事は「今日のコラム」
「もし海上自衛隊が臨検に参加しなかったら」
としてHPに掲載されていたものです。