きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「青春の殺人者」

2019年10月05日 | 映画




新文芸坐の「長谷川和彦」特集からの2本、
もう1本は「青春の殺人者」です。

若き日の水谷豊主演。
両親を殺した青年と、
その恋人との逃避行、
と簡単には分類できない作品。

頭の弱いおっぱいプルプルの女は
当時の男には都合が良いから受けていたんだなあ、
とも思うし、
この執念はまさしく清姫だから
両親が正しいとも思うし。

肉体プルプルの女に溺れるのを反対されて
男はまず父を、ついで母を殺すんだけど、
まあ、両親もひどくて。
父にとっては心配だし真実なんだろうけど、
恋人をあんなふうに揶揄されたらそりゃ刺されるわな。
息子は同じ性を嗅ぎ取ったから父が敵に思えたのかなあ。

母の妄執も怖い。
夫が息子に殺されたのに、
息子に一緒に逃げよう、
二人で暮らそうと迫るのよ。
殺人の時効を迎えるまで
私がお嫁さんのかわりになるから、
と、迫る母が市原悦子でさ。
アレしよう、とまで言うし。
オイディプスも少し混じっているのかなあ。
でも「この年齢まで力仕事をさせられて」の恨み言には賛同だけどね。

両親とも息子のためにと思いながらも
結局は抑圧になり、
息子は力尽くでそこから抜け出すんだけど、
そのあとが長くて。
死ぬか逃げるかさっさと決めろや、
と思っちゃったわ。

成田空港闘争の頃の話ね。
いまとなってはこういう両親はいる、と
わりと常識になっているけど
当時としてはよくそれを切り取ったな、
と受け取られたかのかな。
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