きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「パンズ・ラビリンス」  

2007年11月10日 | 映画
予告で見たら、美しい幻想的な話、と思っていました。
ファンタジーに分類される作品だと思っていました。

実際見たら。
ファンタジーの要素もある、ぐらいでした。

はっきり言います。
子供に見せちゃ
いけません

グロい場面があるからとかじゃなく。
R-12だからとかじゃなく。

夢も希望もないラストを
子供に見せちゃいけないと思うんです。


お話は1944年。
スペイン内戦が終了、とナレーションには一応出るけど
軍とゲリラの戦いはまだまだ続く頃。
オフェリアは母の再婚相手の大尉の任地、
山岳地帯の駐屯地にやって来る。
旅の途中で妖精を見かける。
ある晩、その妖精が訪れ
駐屯地近くにある迷宮に誘う。
そこで出会った「パン」(樹木っぽいクリーチャー)が
オフェリアは地下の国の王女の魂を宿している、
月が満ちる前に3つの試練に耐えれば
魂は王国に戻るだろう、と告げる。
オフェリアは試練に立ち向かう。

予告で見たときは、この部分が軸だと思ってたのよ。
でも、実際は、戦いの話が多く。
R-12はファンタジー場面にあるのではなく、
戦闘部分にあると思いました。
とにかく見てて、痛い!
いろんなところで血が流れ、人が死にます。
いとも簡単に。

それがあるから、ファンタジー部分の美しさが引き立つんでしょうが。

新しい父親は、
自分の父(将軍)の存在の重さを誇りに思うと同時に
プレッシャーになっているんだろうなあ、と思う。
父の名を汚さず、それを息子に伝えたい、
そんな強迫観念が、かれの根本にあるから
あんな男になっちゃったんでしょうね。
妻の腹の中にいる胎児が「男児」だと思うのは、
最初は、ファンタジーならではの理由があるのかと思ったけど
それは自分で信じ込んでいるだけだった、と。
なにかっちゃ人を殺すけれど、
髭を剃るときの様式から見ると、
心の中には美意識が潜んでいるんだろうと推測できることから、
もし、父の名をプレッシャーに思うような人生でなければ
ファンタジーの世界を理解できるような人になったのかもしれない。
あくまでも「もし」の仮定だけど。


ファンタジー部分は
2つめの試練が良かったな。

このファンタジー部分と現実部分を
どのように融合させるかと思ったら。

夢オチ8割、ってとこでしょうか。

様々な状況を辛いと思う少女が見た夢、または空想、
というより、ただの現実逃避、
と、受け取れてしまいかねないのです。
それは、あまりにも悲しすぎる。

ファンタジー場面は夢ではなく、
現実だったと思いたい。
少女は王女になったと信じたい。

ちょっと心にわだかまりが残る作品でした。
後味が悪い、とは違うんだけどね。
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