18日に、日本会議北海道本部などが主催する「イラク派遣自衛隊を激励する道民の集い」が札幌市で開催された。このような集いは全国で初めてのことであるそうで、誠に結構なことと思う。
マスコミは、イラク派遣に反対する集会やデモが全国的に開催されているとの報道を繰り返しているが、世論調査の結果、自衛隊のイラク派遣に反対する人が多いとのことであるから、マスコミは、その結果を裏付けるためであろうか、集まる人は少なくても、あるいはたった1人でも、大きく報道しているので、善良な国民は騙されそうになってしまう。自衛隊が大嫌いな社民党や共産党の音頭で国会を大規模なデモ隊が取り囲んでいる様子もないし、マスコミが煽るほど国民は冷静なのではないだろうか。
「道民の集い」では石破防衛庁長官の挨拶や元北部方面総監の志方俊之氏の「新しい時代の幕あけ」と題して、派遣の意義や隊員の活動予想などを講演したとのことで会場は満員であったと伺っている。さらに、ボーイスカートが派遣隊員に千羽鶴を贈呈し、女子高校生が「イラクは規律正しい自衛隊員が来てくれるのを待っています。皆さん、堂々と胸を張って行ってください。家族の皆さんも温かく送り出してください」との激励文を読んだという。
私は、この「道民の集い」に参加出来なかったが、非常に残念なことである。もし、参加して、この女子高校生の激励文を朗読する声を直接聞けば、おそらく感涙にむせぶことになったと思う。それは、この女子高校生が、日本国民として、イラクに派遣される自衛隊を温かく送り出して上げたいとの気持ちから激励文の朗読を引き受けたという純粋さに感動し、また派遣される隊員にとってこんなありがたいことはないからである。私は、元自衛隊員でもないし、身内にも自衛隊員はいない。だが、それにも関わらず、そんな私が、なぜ自衛隊員を勇気づける激励文を朗読したという女子高校生のことが報道されたことに感動してしまうのか。それは、今日まで国民のために犠牲をいとわないとの精神で、任務に励んで来た自衛隊員に対する私たち国民の態度は決して良かったとは言えないからだ。そんな苦しい思いをして来た自衛隊員の心情を思うと、この女子高校生の行ったことが立派であったからである。
国際貢献の必要性が叫ばれる中、自衛隊に対して正当な評価もせず。困った時だけ自衛隊に要求し、「自衛隊が国民のために働くのは当たり前だ」と言って、「道民の集い」が行われた同じ札幌市で開催される「雪祭り」に協力している自衛隊に対して罵声を浴びせ、雪像作りをさせているのだから、とんでもない話である。また自衛隊のイラク派遣を支持する方でも「自衛隊の皆さん。イラクに行って頂けますか」と言える資格のある人は少ないだろう。自衛隊を支持している方でも、今までただ(雪祭りの協力もただ)自衛隊を利用するだけで、敬意と感謝の気持ちを持っていたのかと問われると反省しなければならない点が多いのではないだろうか。国民がここまで「我々だけの自衛隊」をコケにする国がまともな国とは思えない。しかし、イラクにおいて自衛隊が立派に任務を達成し、帰国した時は、温かい拍手と、心からの敬意と感謝を持って盛大な歓迎をしようではないか。
(2004/01/19)
この記事は「今日のコラム」
自衛隊の皆さん胸を張って下さい
としてHPに掲載されていたものです。
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