私の主張・ひとりの日本人として

新聞やテレビの報道で特に偏向マスコミや反日日本人などに憤慨することが多くなり、暇な時に思いつくまま書き綴ったブログです。

9月17日以後なら何でも言える拉致問題

2003年09月19日 22時13分52秒 | 裁判・事件
~国家意識なき政治家、マスコミ、国民の無関心~  

 昨年(平成14年)の9月17日は、日本の総理として初めて北朝鮮を訪問した小泉総理と金正日総書記による歴史的な日朝首脳会談が行われた日であるが、翌18日の産経新聞の社説は「酷い、あまりにも酷い」との大きな見出しを掲げ、普段は2面にある「主張」を1面に大きく掲載し、北朝鮮側が拉致被害者8人死亡という情報を示したことから、拉致の真相が究明されない限り国交正常化交渉の再開は喜べないと主張していた。

 拉致被害者家族にとって、長い方で25年間も待ちに待っていたある日忽然と姿を消したわが子らの安否が、ようやく分かると喜んでいたのもつかの間、「あなたのお子さんは亡くなっておられます」と伝えられても「そんな馬鹿な。そんなことを聞くために25年間も待っていたのではない」と怒りの声をあげたのは当然だろう。

 日本国民は、昨年の9月17日という日を境に大きく変化した。25年の長きに渡り同胞を救うことが出来なかったこの国は果たして国家なのか。国家というものは国民を守るものではないのか。それを放置した結果が拉致被害者8人死亡ではあまりにも酷い。その情報を知らされるや国を守る。国民を守る。主権や国益を守るとはと言った国家意識がようやく芽生えてきたのである。

 わが国の特に支那と北朝鮮に対しての外交はまさに腰砕けと言っても過言ではなく「北朝鮮を刺激してはいけない」と言うべきことも言わず、同胞が北朝鮮に拉致されたという事実を知りながらも敢えて無視をし、米を贈呈したり、また拉致そのものを否定する政治家も多かった。

 拉致被害者家族の方が見せた毅然とした姿に多くの国民は心を打たれた。わが子が北朝鮮に拉致されたことが明らかになると家族会を結成し、拉致問題の解決のために少しでも国民に関心を持って貰おうと、街頭署名運動や集会を行い、地道な活動を続けて来た。しかし、昨年9月17日以前は国民の関心は余りにもなさ過ぎたと言えるのではなかろうか。  

 9月17日以後なら何でも言える。政治家、マスコミ、いや私たち国民にとっても、多くの同胞が拉致誘拐され、忽然と姿を消していることに余りにも無関心でありすぎた。このことは日本の国家主権が侵害されているも同然なのにも関わらず日本国民の国家に対する意識もなかった。祖国を思う心を愛国心というなら、そのような心を持っていない国民は国などどうなっても良いと思っている訳であろうから、自分さえ良ければ同胞のことなどに関心を持たず、まして拉致は国家主権の侵害との意識を持つはずがない。

 拉致問題は、昨年10月に拉致被害者5人が帰国して以降は何ら進展はなく、北朝鮮は「拉致問題はすでに解決済みである」と抗弁している。思わず「ふざけるな北朝鮮」と声を出したくなるが、日本国民の中で「拉致問題はすでに解決した」と思っている人おそらくいないだろう。  

 拉致事件解決には、帰国した拉致被害者5人の家族8人が北に残されているので、その帰国実現。北が死亡したと伝えた横田めぐみさんらの詳しい情報と150項目にわたる政府が北に宛てた質問への回答。日本政府が拉致として認定した者の安否。また特定失踪者問題調査会が調査した結果において拉致の可能性を否定できない三百人を超える行方不明者の安否。さらに拉致実行犯の引き渡し、拉致という犯罪に対する補償などが行われなければ拉致事件が全面解決したとはとうてい言えないであろう。

 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会は、日朝首脳会談から1年が経過した17日に会合を開き、衆院総選挙候補者から「拉致問題解決のための北朝鮮への経済制裁」への賛否を問うアンケートをとる方針を明らかにしたが、対話に応じない北朝鮮へはもう経済制裁しかないであろう。経済制裁は仕方ないではなく当然なのである。北朝鮮が約束を守ったり譲歩したことは今まで一度でもあったであろうか。経済制裁という圧力をかけ、譲歩せざるを得ない状態に追い込み対話交渉のテーブルにつけさせる以外に道はないであろう。

 北朝鮮への経済制裁をするために「国益を害する外国船舶の入港阻止法案」「国益を害する永住外国人の再入国禁止法案」「外為法改正法案」などが考えられているというが、工作船と言われる万景峰号はいまだに平然と新潟港に入港しており、また保険にも入らず、海図も所持していない北朝鮮貨物船の入港も阻止していないとは日本は舐められたものである。一日でも早く経済制裁をして北を譲歩せざるを得ない状態に追い込み拉致問題解決に向けさせることである。

 拉致問題解決には国民の心が一つにならなければならない。日米首脳会談で北朝鮮には「対話と圧力」で臨むとした両国首脳の一致した方針から勝手に「圧力」を削りマスコミに発表しようとした外務省の田中均外務審議官。いまだに北朝鮮を擁護する政治家や文化人、学者たち。拉致問題は日朝国交正常化の障害となっていて、解決には落としどころがあるだろという朝日新聞など、まだまだ拉致問題解決を阻害するバカ者もいるのである。

 その朝日新聞は17日に「日朝平壌宣言から1年??日本が再び動くときだ」との社説を掲げている。「この1年、日本は北朝鮮によって大きく変わった」と国民の国家意識の変化を感じているようだが、「北朝鮮の過激な物言いに対抗するかのように、不寛容でいら立った社会が醸し出された。テロ容認としかとれない石原都知事の発言はその行き着いた先だ。」と言って、北朝鮮に対する日本国民の苛立っている反応を戒め、石原都知事の発言が苛立ちの頂点であるとのたまう。  

 そして社説の最後は「戦争を避けながら、北朝鮮にその脅威をいかに解かせるか。威嚇や威勢のいい言葉、感情的な対応ではなく、冷静で戦略的な外交こそが要る時である」として、日本は今にでも北朝鮮に宣戦布告をするのではと言い、間接的ながら北朝鮮を刺激する言葉や経済制裁など感情的な対応だからしてはならないと結んでいる。同胞を拉致誘拐し、まともに話し合いが出来ないテロ国家に対応するにも「冷静で戦略的な外交」をとは具体的にどうすれば良いのか教えて欲しいものである。あくまでも北朝鮮とは冷静に話し合えということだろうか。

 朝日新聞は日朝平壌宣言から1年経過した17日に、北朝鮮という国がどんな国か分かって社説を書いたのであろうか。この社説を読んだ多くの国民は「朝日はこの1年の間に何も学んでいない」思うだろう。
(2003/09/19)   

この記事は「私の主張」第184号
  9月17日以後なら何でも言える拉致問題
~国家意識なき政治家、マスコミ、国民の無関心~
としてHPに掲載されていたものです。