生石神社には何回も来ています。
もちろん、絵馬堂の算額のことも知っていました。
昔、近所の人が、「数学の問題が解けたのは、神の加護のお陰であると算額にして神社に奉納したのだろう」とぐらいに想像していました。
あらためて調べてみました。
算額
この算額は、明治9年(1876)に奉納された算額で、高砂市の指定文化財となっています。
絵馬堂の算額は、その複製です。
算額とは、主に江戸時代に日本で発達した数学和算の愛好家が社寺に奉納した絵馬のことです。
長く納屋に埋もれていたのですが、昭和52年文献をたよりに調査に来られた日本数学学会員の手で発見され、日の目を見ることになりました。
絵馬に描かれるのは、今でいう幾何学の図形問題とその回答です。
生石神社の算額(写真)に赤・白・黒の三色で描かれた図形は、モダンなデザインのようで、その色彩と形の美しさに思わず見入ってしまいます。
この算額は、備中井原の佐藤善一郎貞次という高名な和算家が、播磨等の弟子5人に一問ずつ解かせたものです。
例えば、「一辺が15寸の正六角形。交差する対角線が作る正三角形中に内接円を描く。その円心直径は・・・」とあります。
こんな問題を見る時、数学に弱い私などは目がクラクラしてしまいます。
全国に各地の残る算額の中でも水準の高さがきわだつそうです。
加古郡国安に小山淳次というが、生石神社への算額奉納の仲介者となっています。
算額は他にも、国安天満宮や尾上神社に一門の算額が掲げられています。(no2752)
*『はりま(埴岡真弓著)』(神戸新聞総合出版センター)参照
*写真:算額(生石神社)