高薗寺の西の道を「さくらの森公園」へ歩いてみると、急な下り坂で、その底を草谷川が流れています。
草谷川を越えると再び「さくらの公園」へと上り坂になっています。
草谷川は、谷の底を流れる川です。
この辺りは、曇川と比べて海面からの高度が高く、従って、草谷川の方が急流で侵食力が強かったためです。
「地形図の概略図」(『稲美町史・p1104』より)をご覧ください。
(図は、クリックすると拡大します)
草谷川の川沿いは、北側が約15㍍の崖を、南側は約10㍍の崖が続いています。
これは草谷川の浸食により、つくられた崖です。
南の曇川辺りは、約130分の1の勾配に対して、草谷川は100分の1と急な勾配です。
つまり、草谷川は100㍍で1㍍低くなる急斜面となっています。
月曜日の雨は、そんな草谷川に濁流をつくり、野村(加古川市八幡町)を走り抜け加古川へと注いでいました。
草谷川は加古・天満地区も潤おす
下流と上流の高低差が大きくなっています。
つまり、草谷川の川沿いは急斜面となっており、比較的近い上流が高くなっています。
そこから取水した水は、草谷川の南の崖を越え、加古地区・天満地区へ流れます。
大溝用水は、その代表的な用水です。
しかし、いつも取材した日(4月12日)のように、水が十分にあったのではありあません。
繰り返します。稲美町は坂の町です。
水は流れくだり、普段は、あまり水がありません。
草谷川は暴れ川
しかし、こんな雨の日が続く梅雨の時期、または激しい台風の時などは、しばしば暴れ川となり、洪水を引きおこしました。
そのため、集落は洪水を避けるため、草谷川からの少し高くなった段丘面に発達しています。
稲美町に発達した段丘については別の機会に取り上げます。
*写真は、草谷橋のすぐ上流