せいもん払い
加古川市に「誓文払い(せいもんばらい)」という、商店がこぞって参加する年末の大バーゲンセールがありました。
狂おしいほどの賑わいでした。
「誓文払い」は、もともと京都に始まった行事のようです。
広辞苑は、「・・・一年中、商売上の駆け引きで嘘をついた罪を払い、神罰の赦免を請う行事。この日、呉服店は特に安値の売出しをする・・」と説明しています。
もとの意味はともかく、姫路では12月1日から5日間、加古川ではその後日曜日を中心に5日間が「誓文払い」でした。
地元商店だけでなく、遠くは大阪からも商人が大挙して押しかけるほどの大セールでした。
寺家町・本町商店街は、写真のように満員電車なみの人混みでした。
そのはずです。三木・小野・西脇など東播磨一円から人が加古川に集まりました。
それに、姫路・明石は空襲で焼け野原になりましたが、加古川はほとんど無傷で戦後から7・8年の盛況は今からは想像もできません。
誓文払いと一緒にサーカスが町にやってきました。
『新・かこがわ事典』は、「・・・こまったことは公衆便所がすくなく、路地はどこもかしこも“臭い小便路地”になっていた・・・今ではとても想像すらできないことですが、ご婦人方も結構立小便をされていた・・」と、こんな話題も取り上げています。
・・・・寺家町・本町から「誓文払い」のザワメキが消えました。
人は、大型販店に、そして神戸・大阪へ買い物に出かけるようになりました。
時の流れとばかりで済まされません。「無策」という言葉が残こります・・・(no5109)