常住寺・加古の松 *加古川町西本町
「・・・殷賑をきわめた常住寺は、嘉禄のころ(1225~7)加古川の氾濫により堂塔・記録類は残らず流されてしまった。
ただ、薬師如来、日光・月光菩薩、十二神将だけが松の木に留まり残った。この松が、加古の松である」
縁起はともかく、『播州名所巡覧図絵』にも、みごとな「加古の松」(写真上)が描かれている。絵図の常住寺の境内の大きな松がそれである。よほど立派な松であったようだ。
『加古川の昔と今(加古川の文化を語る会)』(昭和57年発行)で、M氏は、昔の思い出として「・・残っていたのは二代目です。その枝が常住寺さんから出とったんです。大きなもんでした」と語っておられる。
二代目の「加古の松」のあった常住寺は、寺家町の本陣の北の西国街道沿いにあった。
それが、昭和26年「日本毛織」の拡張に伴い、現在のプラザ・ホテルの場所に移り、三代目の松が植えられた。
その後、昭和59年、加古川駅前の再開発に伴い、現在の場所(加古川市加古川町本町・加古川消防署の近く)に移転した。
常住寺は、曹洞宗の堂々とした寺院である。
山門の横に「鹿兒?」(加古の松)の石柱(写真下)がある。その横に枝振りのよい四代目の「加古の松」が育っている。