いま、安楽寺に来ています。安楽寺とその周辺の散策をしてみます。
以前に、「志方町を歩く(58)」で安楽寺の駐車場のすぐ南の道端にある「とんがり五輪」を紹介しました。
そこにある、「足が痛くなる石」の伝承をもつ石が「志方町誌」に紹介されていますので、読んでおきます。
足が痛くなる石
・・・(とんがり五輪塔の)北に続く田圃はだんだんに低くなっているが、その畔を二まちほど降りてゆくと、こうもりの羽のような形をした一反くらいの田がある。
その田の東北の隅に近いところに、ちょっとみると円形の白い石が顔を出している。
あぜに、はりついたような形で表をななめにして田をにらんでいるように見えるのである。
そばによると石は左右に耳が突き出て、顔の形である。
たて70㌢、よこ50㌢、扁平な石のようだが、下の形は分からない。
あぜとはいえ、この石がないほうがわかっているのだが、だれもこの石に触ることをきらって、昔からさわろうとしないのである。
「この石の上に上がってシコをふむと足が痛くなる」という伝説があるのだ。
「そんな馬鹿なことがあるものか」と笑うものもあるが、「そんなら試みにお前が石の上に上がってシコをふんでみよ」というと、しりごみしてだれ一人あがったものがない。
うっかり、この石の上にあがったために足が痛くなったという。
そして、死ぬ人も出てきた。
今ではその伝説だけが生きているようだ。
今、この石は耕地整理のため、元の場所から移されて、五輪塔と石地蔵の側に建てられている。(『志方町誌』より)
*写真:足が痛くなる石