野生のペリカン
お世話になっているお宅は、シドニー市内とはいえ中心部から車で30分ほど離れた静かな住宅街です。
周囲は、緑と花がいっぱいで、ときどき車が通るだけです。
午前中、特に予定がなかったのでトーマス君と近所の川へ散歩に出かけました。
町並みを見ながら歩いているとやがて川幅が10㍍ほどの川にでました。
ここからは、海は見えません。
でも、海が近いのかカモメがたくさん中州の芝生で休んでいます。
そこは、散歩途中の休憩所にもなっており、ベンチが設置されています。
そんなベンチより直接、芝生に寝そべる方が気持ちがよい。
川の流れには、全く音がありません。
寝そべって空を仰ぐと雲がほとんどなく、抜けるような大空でした。
こんな経験は久しぶりです。
傍で、水鳥の鳴く声がありました。カモメです。
最近めっきり視力が弱くなって気がつかなかったのですが、カモメの向こうに若干大きな鳥が群れていました。
よく見ると、なんとペリカンなんです。
郊外とはいえシドニーの中心に近い場所に野生のペリカンがいました。
トーマス君に尋ねると「ペリカンは、ふつうにみられる鳥」とのことでした。
そして、「ここ数年ペリカンの数が少なくなった」ということはないとの事です。
このあたりは、緑がいっぱいでオーストラリアの自然の奥深さを知ることが出来ました。
将来、大阪に住みたい
「トーマス君は、いい所にすんでいるね・・・」と尋ねてみると、意外や意外「僕は大阪のほうがいい・・」という返事です。
「大阪は人が多すぎて、空気も汚い所や・・・」と問い返すと「オーストラリアは、よい国なんですが、少し退屈なところ・・・」との返事でした。
どうやら、この別天地のような世界も若者にとっては、刺激が少ない場所と映っているようです。
そして、「僕は日本語をもっと勉強して、将来日本で住みたい」という返事です。
彼が長期に日本に住んだ時、満足できる日本であるだろうか。若干心配になってきました。