ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

山片蟠桃物語(23) 夢の代(4)・古代史はつくりごと

2016-12-25 08:47:58 | 山片蟠桃物語

     古代史はつくりごと

 『夢の代』は、古代史批判から始まります。

 蟠桃の古代史への考察は、必ずしも体系的とは言えませんが、科学的な歴史観と蟠桃の気迫が感じられます。

 蟠桃の古代史は、『古事記』の批判からです。

 『古事記』に言う「神が国土を創造したり、何十万年もの寿命があったりするのは荒唐無稽の話である」と指摘しました。

 「・・・神武天皇は、15歳で即位し、50歳で東征に出るなどというのも、まるでつくり話です。

 そして、〝大日本史″は、神武天皇から始まるが、神武天皇から応仁天皇までは、あくまで口伝えの歴史であり、まちがっています。

 天王は実在していない。

 また、神功皇后の三韓(新羅・百済・高句麗)征伐などもインチキである・・・」と、蟠桃は、一気に自身の思いを吐き出しています。

    妄想の再現

 戦前、日本は神に守られた国であるとされ、学校でもそのように教えられました。

 神武が最初に天皇の位についたのは古事記には、昭和15年は2600年目にあたるとしています。

 そのため、太平洋戦争に突入する昭和16年の前年の昭和15年に「紀元2600年」の式典を行いました。

 この行事は、日本は神に守られた国であり、その素晴らしさを世界に広げようとして行われた行事でした。

 そして、無謀な戦争に突入していったのです。

 「歴史学者・津田左右(つだそうきち)が、「古代史研究」で神武天皇から仲哀天皇までの天皇の実在性は疑わしい」と主張し、昭和17年に禁固3か月、実行猶予2年の有罪判決を受けました。

 蟠桃の考えは、この事件より150年も前のことでした。(no3434

 *挿絵:神武天皇(明治時代初期の版画・月岡芳年『大日本名将鑑』より)

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1 コメント

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Unknown (通りすがり)
2023-12-10 12:36:06
山片蟠桃、津田左右吉、いずれも非科学的でひどい自称学者ですね。
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