鶴林寺の仏たち
鶴林寺には、多くのすぐれた仏教彫刻が伝えられています。主な仏像を紹介しておきましょう。
その中でも最古のものは「あいたた観音」(写真)の異名を持っている聖観音立像です。
この観音様は、白鳳期(大化の改新~奈良時代以前)の貴重な仏様ですが、鶴林寺が白鳳期からあったという証拠にはなりません。
いつの時代か、どこからか持ち込まれたと思われます。
鶴林寺には、このほかに平安時代にさかのぼる次の諸像があります。
① 木造十一面観音立像(重文) 平安中期
② 木造釈迦三尊像(重文) 平安末期
③ 木造四天王立像(重文) 平安末期
④ 木造阿弥陀如来坐像(県指定) 平安末期
⑤ 木造恵便法師坐像 平安末期
⑥ 木造菩薩像頭部 平安末期
②・③は太子堂本尊、④は常行堂本尊として祀られていました。
藤原様式をしめす平安末期の諸像が多いのですが、これらの仏像こそ創建以来の諸尊であったと思われます。(no5663)
*『加古川市史(第一巻)』参照
*写真:鶴林寺(法蔵館蔵)
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