いま広尾付近を散策していますので、この記事は三度目の紹介になりますが、掲載しておきます。
堂前の地蔵さん(東志方広尾東:旧柏尾)
この六地蔵さん(写真)は、志方町広尾東のバス停のそばのお堂の前にあります。
六地蔵さんは、ふつう墓地の入り口に並んでいるのですが、ここは墓地ではありません。
もともとは、墓地にあったものがここに移動したのかもしれません。
ここの六地蔵さん、石棺の蓋に三体ずつ上下二段に分けて、舟形光背の中に浮き彫りされています。
室町時代の作と推定される古いものです。
不思議なことがあります。よくご覧になってください。
六地蔵さんの左下にもう一体、小さな像があります。
この一体は、何をあらわしているのでしょうか。
供養される人物の像とも推測できるのですが、説明板(加古川市教育委員会)は、願主の像としています。
他の例から私も願主の像と思います。
そして、写真右横に小さな、享保二年(1,717)と「念仏講」と刻んだ石柱があります。
この「念仏講」と彫られた石柱が作られた頃は、きっと地蔵さんをお守りする念仏講がさかんだったのでしょう。
風のざわめきの中に念仏講の響きが聞こえてきそうです。
*「連載・郷土の石彫⑨」(神戸新聞・昭和56年2月19日)参照