ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

夏の陽射し

2006-06-29 10:45:19 | 脳みその日常
そのうち雨が降るだろうと思い、洗車するのをためらっていた。ところが一向に降る気配がない。そうなるとクルマは大気中のホコリや汚れでどんどんブサイコになってゆく。これではあまりに可哀想。そこで洗車することを決意! 明日雨が降ろうが関係ないや。洗車して、ついでにコーティング作業もしてやろうじゃないか!

ただ、昼過ぎだとあまりに陽射しが強く熱中症になる可能性がある。それだけは避けたい。だからまだ陽射しの弱い午前8時半ころから作業はスタート。別に8時半である必然性はどこにもない。仕事もひと段落して、いよいよ寝ようかと思った時に洗車を思いついただけのこと。

それにしても夜型人間にとって午前中のそれも野外での作業はキツイ。ただでさえ日光を浴びる時間が少ない生活を送っているので、太陽光線が身体に直球で突き刺さるように思える。作業に熱中するせいか、吹き出す汗はハンパじゃない。毛穴と水道管が直結しているのではないかと思えるほど汗はドバドバ出てくる。

こういうときに熱中症になる。たぶんそうなるだろうと予想していたので、あらかじめ特製ドリンクを持参していた。これが大正解。やはり水分補給は大切だ。

ここで特製ドリンクの作り方をご紹介しよう。え?そんなの知りたくないって? まあまあ、そういわずに。

作り方はいたって簡単。300mlほどの水に小さじ2杯ほどの酢を入れ、そこに塩を少々加えるだけ。酢はどんなのでもよい。今回はたまたまリンゴ酢があったのでそれを入れた。酢は疲労回復の効果があるし、塩分は脱水症状を防ぐ意味で入れたのだ。

フツーの状態でこれを飲むと、酸っぱくてウヘーッとなる。ところが作業しながら飲んだところ、これが意外なほどウマイ。なんとなく甘みすら感じたほど。そう思うのは、きっと身体がそれらの成分を欲しているせいなのかもしれない。ともかく、ウマイ。何もスポーツ・ドリンクなんて買わなくたって、これで十分。

そんなこんなで、1時間ちょっとで洗車とコーティング作業は終了。いやー、キレイになった。気分としてはこのままどこかへドライブなのだが、さすがにヘトヘト。またピカピカになったクルマの写真をとも思ったが、相変わらず汗は噴き出しており、そんな余裕はない。それに陽射しも強くなってきたので、とっとと撤収。

紫外線の強烈な夏がいよいよやってきたなと、まさに実感。
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ネット広告

2006-06-27 18:56:43 | 脳みその日常
本日はいつもの講座の日。相変わらずの人数。個人的にはこのくらいの規模が丁度良いと思っているが、欲を言えばもっと大勢の人に来てもらいたいところ。なにせ、ウチの講座は通りすがりの人でも受講できるシステム。入会金もなけりゃ、年会費もない。ワシの話を聞きたい人は聞きたい時に来場すればよい。

受講者にとっては気軽に聴講できるシステムではあるが、こちらとしては毎回が勝負。講義する部屋のドアを開けるまで受講者の数はわからない。だから毎回がドキドキ。いくら予想しても、まず当たらない。今回は少ないだろうなと思っていたら意外に多かったり、逆に今回は来るだろうと思っていたら、ちっとも来なかったり…。ま、その繰り返しでそろそろ7年目を迎える。

会の世話役の方はよくやってくれており、本当に感謝、感謝。この集まりのことはあちこちのメディアを通じて宣伝してくれている。もっとも、宣伝費などないから広告はもっぱら無料で掲載してくれるところのみ。

ネット上では2つのサイトで会のことが紹介されている。ところが最近気づいたのはネット上での宣伝はこの会にとってはあまり意味がないということ。なぜなら、この会に出席する中高年の方々はほとんどネットを利用していないことがわかったから。

今日もワシの話はあちこちに脱線した挙げ句、過日ここでご紹介した「youtube.com」の話に突入。このサイトは面白いですよなどとガハガハ笑いながら紹介するも、ほとんどの受講者は「なんのことですか?ポカーン…」みたいな反応。

うーん、いくら普及したとて、インターネットはまだまだ高齢者には手の出しにくい世界なのかもしれないな。何かを探すのにネットで検索するってのは、我々にとってはフツーでも彼らにとっては非日常なのだ。だから、たぶん決して彼らが見ないだろうところに宣伝をしても世話役のところへ問い合わせがないのは当然といえば当然。

もちろん世話役の方は地域の紙媒体にも宣伝をしてくれているそうだが、それでもリアクションはイマイチなのだとか…。人を集めるってのは本当に難しいねえ。まあ、講師に知名度がないことが最大の原因なのかもしれないが…。

ひえーっ。
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打算のない付き合い

2006-06-24 05:55:47 | 脳みその日常
近年、企業のトップは何を考えているのかさっぱりわからない。特にモノを作る会社の人事異動はムチャクチャだ。専門性が問われている部署なのに全く知識のない人間を配属するなんてのは当たり前。これじゃあ優れた商品ができるワケがない。

コスト削減といった企業側の理屈もわかるけれど、トンチンカンな人事も何だかなあという気がしてならない。外部の人間である我々もシロート相手では仕事がやりにくくてかなわんし…。

おとといは、かつて一緒に仕事をした仲間と久々に食事をした。「かつて」というのは上記の理由で現在は違う部署にいるからである。もちろん一緒に仕事をしていた頃もよくメシを食ったり飲んだりした間柄。互いのことはよくわかっている。

もっとも、当時は仕事がらみだったので、向こうとしてはある種の打算もあっただろう。飲食代は毎回向こう持ちだったし。まあ、それはそれで当たり前のことだろうし、こちらにしてもサイフのことを心配せずにいられた。

今や仕事仲間ではない。なのでメシ代は当然割り勘。いや、別にカネのことにこだわっているわけじゃない。むしろ接待されて食うほうが気が引けるので気分的にはラクだ。

いずれにしても、数年ぶりに旧交を温めた。積もりに積もった話で、あっという間に時間が過ぎる。楽しかった。

何が最も楽しかったって、会話の中で仕事上の駆け引きが全くなかったこと。当然といえば当然だ。でも、なんていうのかな、何も考えずにフツーにコミュニケートできたことが一番良かった気がする。

ちなみに今回利用した店は三鷹にあるレストランNAKATA。開店してまだ数年のイタリアン・レストランだが、雰囲気の良さはもちろん料理もリーズナブルでなかなかうまい。場所柄というべきか、閉店間際に酔っぱらったオッチャンがヨイヨイになりながら単独で乗り込んできたのは笑えたが…。
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ステキな老後

2006-06-22 14:55:45 | 脳みその日常
昨日は知り合いのSさん宅を訪問。かねてよりランチにいらっしゃいませんかと誘われていたのだ。ハッキリしない天気だったが、心はウキウキ。もちろん手ぶらで伺うわけにはいかないので、三宿のラ・テールに寄ってデザートを持参する。

Sさん夫妻はすでに悠々自適の生活。なのでノンビリ過ごせていいなあ…と思いきや、そうでもないらしい。確かに時間を自由に使えるのだが、彼らにとってやりたいことがありすぎて、とても一日24時間では足りないのだとか。

話を聞いてみれば、そうだろうなと思う。国内外への旅行をはじめ、月のうち一週間は伊豆の別荘で過ごし、わずかな時間があればジムやウォーキングで汗を流すという。少なくとも家の中にこもってじっとしていることはないから、ワシなんかより遥かに健康的な生活を送っていることは確かだ。

夫妻は身体が丈夫なこともあって思考もポジティブ。お話を聞いていても、こちらが元気づけられる感じ。恐るべきパワーだ。

といって、彼らのそれまでの人生は決して順風満帆ではなかった。ここで詳しくは書けないが、若い頃に嘗めた辛酸の数々は筆舌に尽しがたいものがある。でも彼らはそんなツラい過去をいわば笑い話のように語る。むしろ彼らにとって最大の関心事は「いま」なのだ。だから見た目にもイキイキしている。

微笑ましいなと思ったのは、どこへ行くにも何をするにも夫婦一緒に行動するということ。「そうはいっても、たまにはひとりで行動したいと思いませんか?」と問うても、「何言ってるのよ、一緒に行動したほうが楽しいでしょ?」と奥様。隣に座っているご主人もニコニコと頷く。彼らは趣味とか価値観がほとんど同じなので一緒に行動してもケンカになることはないのだとか。まるで彼らはラヴラヴのカップルみたいなのである。いやー、すごい!

ランチに呼ばれて行ったのに、おいとましたのはナント真夜中。自分の図々しさにも呆れたが、次々に出てくる料理がどれも美味しいのと尽きない話題で、あっという間に時間が経ってしまったのだ。本当ならば料理の写真を撮ればよかったが、話に夢中で写真のことはすっかり忘れていた。かろうじて撮影したのがデザートの写真。

丸一日会話をして疲れたはずなのだが、帰路は実に清々しい気分だった。
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ヴィクトル・ボルゲの芸

2006-06-21 03:33:13 | 音楽あれこれ
このところ知られるようになってきたYouTube。これはネット上のテレビみたいなものだが、個人がお気に入りの映像などを自由にアップロードすることができる。またBroadcast Yourselfとあるように、このサイトを借りて自らを世界中の人々に広く知ってもらうという役割も果たしている。

もちろんここにアップされているジャンルはさまざま。個人によって撮影されたものからニュースやテレビ番組を録画したものなどもある。そんななかで偶然見つけたのがエンターテイナー・ピアニストとして活躍したヴィクトル・ボルゲ(1909-2000)の映像。(サイトはコチラ)

見ていただければわかるが、とにかく面白い。おそらくこれは幼児向け番組「セサミ・ストリート」のなかのワンシーンと思われる。それにしてもこういう笑いのセンスって好きだなあ。日本の子供向け番組でこんな気の利いたことをするのってないもんね。

ちなみにYouTubeの検索に「cziffra」と打ち込んでみると、ピアニスト、ジュルジ・シフラの映像が出てくる。相変わらずの芸達者だ…といっても、シフラはすでに彼岸の人であるが。なかには13歳の時に演奏したシューベルトの《即興曲》の映像もあったりして実に興味深い。セーラー服を着たシフラがシューベルトを…。はい、そこの人、キモいとか言わないように。とにかく一見の価値がありますぜ。(すぐに見たい方はコチラからどうぞ)

えーい、紹介ついでだ。ベレゾフスキーがリストの《超絶技巧練習曲》を弾いているのも教えちゃおう! これはどこかのスタジオだかで収録されたもののようだが、会場の青いライトは一体何なんだろう。(見たい方はコチラから)

なお、視聴するにあたり回線速度が遅い方は映像が再生したらすぐにポーズ・ボタンを押して、データのロードが完了するまでしばらく待つことをオススメします。完全にロードし終わってから再生すれば映像が途中で途切れることもないので。

これでアナタもYouTubeの虜に…。ふふふ。
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4幕のリゴレット?

2006-06-20 22:57:24 | 音楽あれこれ
そういえば、びっくらこいたことをひとつ。ヴェルディ(1813-1901)のオペラに《リゴレット》という作品がある。これは1851年に作曲されたのだが、幕の構成は3つ、すなわち3幕もののオペラと思っていた。

ところがシャーマー(Schirmer)のボーカル・スコアでは、ナント第4幕まであるではないか! こ、これは一体どういうことなんだ?『The New Grove』を見ても第3幕とあるぞ。

ええ、ええ、調べてみましたとも。謎はすぐに解けた。簡単に言えばシャーマー版では従来第1幕にある2つの場を独立した幕にしたというだけのこと。つまりは、こういうことだ。

一般的な場合        シャーマー版

前奏曲           前奏曲
第1幕           第1幕:
 第1場:          マントヴァ公爵邸の大広間
  マントヴァ公爵邸の大広間
 第2場:
  リゴレットの家の近く
第2幕:          第2幕:
 公爵の館          リゴレットの家の近く
第3幕:          第3幕:
 殺し屋スパラフチーレの家  公爵の館
              第4幕:
               殺し屋スパラフチーレの家

要するに演出する上で第1場と第2場を完全に分けたい場合、4幕ものにするらしい。それにしてもだ、シャーマー版はハナからこのオペラは4幕の作品と決めつけているフシがある。3幕版と4幕版の違いについて、このスコアでは一切触れられていない。それどころか写真のように「リゴレット、4幕のオペラ」と中表紙にバーンと印刷しちゃってるし…。(写真をクリックすると拡大しますのでご確認下さい)

シャーマー、しっかりしてくれよ。いや、シャーマーだから仕方がないか…。
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感謝の日

2006-06-19 15:35:25 | 回想する脳みそ
本日2本目のブログ。いや、ホントはこちらのほうがメインなのだ。今日という日がワシにとってどんな意味をもつのかは、ずっとこのブログを読んでおられる方ならご存知だろう。なので、もう詳細については語らない。

だからといって全く忘れてしまったわけじゃない。このところこのブログが多くの読者の目に触れるようになったことと、あまりにプライヴェートなことをクドクド書いても他人にとってはどうでもよいことだろうから書かないだけのこと。そう、ワシが死ぬまで忘れなければいいのだから。

午前中に仕事を片付け、いつもの場所へ向かうとともにお宅へ挨拶に行った。みなさん元気そうで何より。

いつものように店子の花屋さんに花束をお願いした。ひとしきり世間話をしようとしたら、社長が「お世話になりましたね。それで来週一杯で店をたたむことにしました」と衝撃の発言。

「いえ、このお宅が建て直すということで、これを機会に商売を辞めようと思いましてね」
「そ、そうなんですか…さみしくなりますね」
「でも、ここで40年も商いをしてきたんですから悔いはありませんよ」
「お疲れさまでしたね。これからはゆっくり休んで下さいね」
「それにしても、いつもウチを利用していただいてありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそお世話になりっぱなしで」

そんな会話をしていたら、あることを思いついた。

そうだ、今日という日はワシにとって感謝の日にしよう、と。なぜそう思ったのか。生前の彼女はワシに多くのことを教えてくれた。多くのことといっても、それは知識という意味ではない。人が当たり前に持たねばならぬもの。たとえば他人に対する思いやりとか、どんな人にも同じように優しく接することなどである。

そんなことは簡単なことと思うかもしれない。誰にでもできることと思うだろう。しかし、簡単なことのように思えて実際にそうしている人はあまり見かけない。人間にとって必要なことなのに、それが実行できないとは何たることだろう。そんなことに気づかなかったワシに彼女は態度で教えてくれたのである。

また、これは前にも書いたことだが、彼女からは無償の愛というものを教わった。これも言葉で教えられたのではない。彼女の生き様そのものが無償の愛だった。決して誇張しているのでなく持ち上げているのでもない。今さらゴマをすったところで戻ってくるわけじゃないし。

今日を感謝の日とするのは、ワシを人として成長させてくれた彼女に心から感謝したいなと思ったからにほかならない。でもワシはまだまだ未熟者。見習うべきことは山ほどある。少しでも「師匠」のようになれたらいいな…。そんなふうに思った。
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入りにくい店

2006-06-19 02:21:37 | 脳みその日常
なんと、明日(正確には今日)締め切りの原稿があるのを忘れていた。これは大変なことになった。大学の図書館は閉まっているし、スコアを見るとしたら楽器店に行くしか方法はない。仕方ないので銀座のヤマハへ、それも閉店間際に行く。

このあたりへクルマで来る場合、多少歩くことになるが首都道路株式会社の汐留駐車場が意外に安い。浜離宮朝日ホールなども近いので、いつも利用させてもらっている。

それでクルマを置いてヤマハへ行く途中、不思議な店を発見。写真を見ればわかるように、この店はどう見ても工事中である。でも「営業中」の文字が…。すかさず心の中で「どないやねん!」と、ツッコミを入れる。

ありがたいことにヤマハには欲しい楽譜はすべてあった。それはいいのだが、会計をしたところ、ナ、ナ、ナント、77,000円!

どーする、ワシ!
いや、買うしかないだろ。
まあ、そうだな…

てなわけで、締め切りをうっかり忘れたばっかりにエライ高い買い物になってしまった。大学の図書館を利用すれば無料だったのになあ…。

とほほ。
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懐かしのエアプレイ

2006-06-18 07:24:08 | 回想する脳みそ
深夜、ふと頭をよぎったのはエアプレイの《ストランデッド》。若い人には何のことやらさっぱりわからんだろうが、中年以上のロック・ファンならニヤリとするかもしれない。いやまてよ、エア・サプライは知っててもエアプレイは知らんかもしれんな。

というわけで今回はエアプレイのご紹介。これは名アレンジャーとしても知られるデヴィッド・フォスターとギタリストのジェイ・グレイドンを中心メンバーとするバンドのこと。バンドといっても公的な活動をしていたわけじゃない。実はこのバンドはスタジオ・ミュージシャンたちの寄せ集めによって構成されていたのだ。たとえばスティーヴ・ルカサーをはじめとするTOTO(注意:クリックすると音が出ます)のメンバーたちも参加していたのだ。

で、豪華ミュージシャンたちによって作られたのが「ロマンティック」(1980)という1枚のアルバム。右の写真は上がジャケットのオモテ、下がウラである。このアルバムがリリースされた頃はまだLPの時代。CDは1982年からだからね。ちなみにこれらの写真は1990年にCD化されたもの。しかしLPのジャケット写真をそのまま使用しているので、ここに載せることにした。

なお、冒頭で書いた《ストランデッド》はこのアルバムの第1曲で、今聴いてもカッコイイ。そうそう、有名な《アフター・ザ・ラヴ・イズ・ゴーン》もここに収録されているんだぜぃ。そりゃそーさ、作曲したのはそもそもフォスターなんだし。

ただ、まあ残念ながらエアプレイは上述の通り正式なバンドじゃなかったので、エアプレイとして発売されたのはこの「ロマンティック」のみ。でも当時のロック大好き少年たちはこのアルバムをこぞって耳コピーしたものだ。そして学校の文化祭とかでライヴ演奏していたっけ。

でもアルバムで演奏しているのが一流のスタジオ・ミュージシャンなので、音を探ることはできても「音色」まで真似するのは難しかった。ルカサーのギターなんて「どうやったらあんな音になるんだ?」と昼夜問わず試行錯誤を繰り返したことを思い出す。

いやー、あの頃は「熱かった」な…。あははは。
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直球すぎる記述

2006-06-17 06:06:13 | 音楽あれこれ
少し前、マリア・カラスについての原稿を書いた。オペラについてワシはほとんど興味がないのでこの原稿は書きたくなかったのだが、企画上やらざるを得なかった。もちろん書くとなればジャンルに関係なく徹底的にデータを調べる。そんなのは当たり前。で、カラスについての資料をいろいろ読んだり、音を聴いたりした。

そんななかで、2003年に出版された右の資料にはちょっと閉口した。データがいい加減だからではない。むしろ逆で、丹念に調べてあり、その意味ではスゴイ本だと思う。

閉口したというのはその内容だ。彼女の人生をつぶさに記録したのはいいが、あまりにも直球すぎるのである。率直に言えば、誰それとの性的な関係が関係者の証言などをもとにかなりしつこく再現されている。エロ雑誌とまでは言わないが、一歩間違えばゴシップ記事が盛り沢山のタブロイド誌のよう。足跡を知るにはありがたいが、読み進むにつれて何だか気分が悪くなってくる。うーん、何もそこまで書かなくてもという記述がテンコ盛りで出てくるから。

もっとも、そんなエロい内容を原稿に書くつもりはなかったし書く意味がないので、実際の原稿ではそのあたりはほとんど省略した。そ、それにしても西洋人って奴らは、まったく…。

苦笑したのはカラスの遺骨がエーゲ海に散骨される際、突風が吹いて散骨する人の顔に当たったという記述。笑うところでは決してないが、それがなぜか一番記憶に残った。不謹慎かもしれないが、もしワシがその場にいたらきっと笑ってしまうかもしれない。いや、失礼。

それにしてもカラスの人生というのは本当にロマン派のオペラの実写版だなと、つくづく思う。なんでそんなにアンタの人生はドラマティックなのさ、と思える展開が次々に起こるから。まるで誰かが台本を書いているんじゃないかと思えるほど。

まあ、原稿を書くこちらにしてみればネタが多いほうが助かるけどさ。もしブラームスの生涯を書けなんて言われたら、ホントお手上げだよ。起伏のほとんどないどーにもつまらんものになりそうだから。
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歩く金庫

2006-06-15 11:27:45 | 脳みその日常
ある手続きをするというので、郵政公社の職員が自宅へ訪ねてきた。玄関のドアを開けるとそこにはほとんど丸刈りで小柄な高校球児のような男が立っていた。たぶんまだ入社してあまり時間が経っていない若造なのだろう。華奢で愛想は良かった。

簡単な手続きを終えて、そのニイちゃんがワシの書き込んだ書類をカバンにしまおうとした時、ワシは見てしまった。そのカバンの中身を。

それは紛れもない100万円の束。瞬間的に見えただけだが、たぶん6つはあった。ということは言うまでもなく600万円がそこにある。預金を扱う担当ならばそれぐらいのカネを持ち歩いていても不思議ではない。たぶんこのあと、彼はどこかの家へそれを届けにいくのだろう。

とはいえ、他人事ながら心配になった。見るからに弱そうなニイちゃんだったから。もし強盗にでも襲われたらどうするんだろう。どう考えてもニイちゃん、負けるよな。

せめて現金を袋にいれるとかして見えないようにしないとキケンだな。だってワシが思わず強盗しそうになったから。もちろんそれはワシの脳みその中での話。

おっと危ない。うっかり人生をフイにするところだった。
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逝くねぇ…

2006-06-14 18:08:39 | 音楽あれこれ
リゲティ、岩城の相次ぐ訃報。20世紀のクラシック界をリードしてきた人たちがまた彼岸へ。ふとS先生の言葉を思い出す。

京都賞をもらうと、みな死んじゃうねえ」

岩城はもちろん関係はないが、リゲティは該当者だ。まさか次はアーノンクールじゃないだろうね。ま、それも偶然と思いたいところだけど。

そういえば知り合いの編集者Kさんが肺気腫で危うく「向こう」へ行きかけたらしい。入院していたことも知らず、退院して少し元気になった本人からのメールでその事実を知った。一日も早い復調を願うばかりだ。

もっとも肺気腫は完治する病気ではないので、Kさんはもちろん長年の喫煙をやめたという。ああ、これでまたケムリの仲間がひとり減った…。
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宿ちゃん

2006-06-13 04:37:11 | 回想する脳みそ
釈ちゃんではない。シュクちゃんである。ワシがまだ若い頃、トラックを転がしていた運送会社にいた名物オヤジの愛称だ。さすがに若い連中は気軽に「宿ちゃん」とは呼べなかったが、ある程度の年齢の人たちからはみな「宿ちゃん、宿ちゃん」と呼ばれていた。

音だけで捉えれば「宿ちゃん」とは何ともカワイイ名前であるが、実物はまったく違った。何か気に入らないことがあると、それこそ烈火の如く怒りだし、周囲の我々は何故彼が激怒しているのかがサッパリわからなかったこともしばしば。ワシが新人としてその会社に入った頃なんて顔を見るたびに怒られた記憶しかない。でも機嫌がいいとニコニコ笑っていて、その笑顔はまさに「宿ちゃん」と呼ばれるに相応しい愛くるしいものだった。

理由はともあれ、あれほど激怒する人は今までに見たことがない。思い返せば、ワシが宿ちゃんに怒られたのは仕事に不慣れなことが原因だった。マトモに教えてくれる人がおらず、どうやってよいのかわからないのだから怒られても当然だ。たぶんベテランの宿ちゃんからすれば見ていて本当にイライラしたのだろう。

「ったくよぉー、何やってんだよ!コノヤロー!」

もうね、口角泡を飛ばす勢いで激怒しまくり。「じゃあ、どうやったらいいんですか?」と素直に聞くが、激昂している宿ちゃんは当然教えてくれるわけがない。

「うるせーんだよ!さっさとやれよ、コノヤロー!!!」

ラチがあかないのだ。手順を教えてもらえればワシだってバカじゃない。すぐに覚えられる自信はあった。でも宿ちゃんは一向に教えるつもりもなく、ただただ顔を真っ赤にして激怒し続けていた。

たぶんこういう人は「習うより慣れろ」で世の中を渡ってきたのだろうと思う。先輩に理屈抜きに怒られながら身体で仕事を覚えてきたのに違いない。だから他人に教えることに慣れていない。というより、たぶん教えられないのかもしれない。でも本人はそうやって仕事を覚えてきたという自負があるから、「なんでオメーはできねーんだよ!コノヤロー!」となる。まあ、気持ちはわかるけどさ。

理由もなく怒られれば、フツーはケンカになる。でも当時のワシは新人。自分に少しでも非があれば絶対に腹を立てなかった。もし対等な立場なら、いくら茹でダコのように激怒した宿ちゃんであってもブチのめしていただろうけど。

それにしても今日あのようなオヤジは見かけなくなった。いや、土建業や運送業にはまだいるのかもしれないな。名物オヤジとして…。ふと懐かしくなった。今頃、宿ちゃん、元気なんだろうか。
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横浜マリンタワーへ

2006-06-12 05:00:11 | ドライブ関連
「このところ、このオッチャン、ちっともドライブに行っとらんな」という声がそろそろ聞こえてきそうなので、ご要望にお応えして。え?誰も要望してないって?まあ、いいではないか。これも読者のためを思っての優しさなのであーる。

実のところ、ブログには書いてないが、夜な夜なあちこちをドライブしていたのだ。しかしガソリンの高騰以来、いまひとつ遠くへ行く勇気が失せていた。だから出かけるといっても、近所を流す程度。当然面白い写真なんて撮れるわけがない。

でも、わざわざ見に来てくれる読者のためにサービスを怠るのもどうかと…。そこで何となく横浜方面へ足をのばしてみた。そういえば、土曜日にMoMoGarageへオイル交換に行ったので、クルマの調子もすこぶる快調!

目的のないドライブなので、ホント、行き当たりばったり。あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。そんなことをしているうちに、山下公園の近くへ来ていた。ふと見れば、横浜マリンタワーが。おぉ、懐かしい。ここに近づいたのは、もしかすると小学校の修学旅行以来かもしれん。で、早速撮影。

夜景なので今ひとつ印象が違うが、紛れもなくこれはアノ横浜マリンタワーなのである。それにしても、この歳になって改めて見ると、さほど感動するほどのタワーじゃないことに気づく。ガキの頃に覚えた感動はいずこへ。これに比べたら以前アップした東京タワーのほうが断然迫力が違う。

そういえば、先月に行こうと思っていた「中距離ドライブ」を近いうちに敢行する予定。期日は未定ですがね。
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小粒でも大物

2006-06-11 21:24:21 | 音楽あれこれ
モーツァルトに続いて今度はショスタコーヴィチの原稿である。こちらは楽勝かと思っていたら依頼主が「ソ連時代のアニメ音楽のことにも触れて欲しい」と来た。もちろんワシはアニヲタじゃないのでどうしたものかと考えていたところ、ある資料のことを思い出した。それが写真の出版物である。

昨年、興味本位で購入したこの冊子が今回原稿を書くにあたって大活躍したのだ。通常の音楽書や辞典類にはない記述がワンサカ出ている。しかも懇切丁寧に書かれてあってナルホド、ナルホドと思いながら読んだ。

これはよく書店のレジ前に置かれている無料のブックレットみたいなもので、64ページしかない小冊子だ。でもバカにしてはいけない。重要なことはちゃんと押さえてあるから。出版しているのは東洋書店

誰かのセリフじゃないが「いやー、いい仕事してますねぇ~」
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